96 :休日:2013/01/02(水) 17:42:38
新年一つ目投下
レスにあったネタをお借りした短いネタです

提督たちの憂鬱キャラがギアス世界に転生
嶋田さんロマンス
嶋田さん独身設定
平和だが少しきな臭く
性格改変注意

97 :楽隠居?と円卓の少女:2013/01/02(水) 17:43:58

「大清連邦正式に独立か」

新年を自宅で過ごしていた嶋田は開いた新聞を見てやっぱりなと思った。
前年、正確には何年も前から大宦官と呼ばれる中華連邦の高官達と国家元首である天子を支える派閥とがいがみ合っており、
宦官派が中国北東部に資産や住居などを随時移転していたが、遂に独立と相成ったようだ。

「でも一方的に近い独立ですから後々揉めそうですよ」

そう言って煎れてくれた緑茶をこちらへ差し出す前髪を目の上で切り揃えた長い金髪の女性。
彼の家に同居しているブリタニアの日本駐在武官で皇帝直属の騎士ナイトオブラウンズの末席に座する女性モニカ・クルシェフスキーだ。

「巻き込まれるのだけは勘弁願いたいよ。日本には一切関係ないんだから」

中華のことは中華内で何とかして欲しい。
心から願ってはいるが地理的関係で多少巻き込まれるのは覚悟しなければならないだろう。
唯でさえ高麗共和国という厄介な国がお隣に存在しているのに、彼の国に負けず劣らずの国が誕生したのだから。

「清は中華に対抗するため軍拡を始めるだろうし新年早々暗いニュースだ」

件の記事の下には『高麗共和国、大清連邦独立を歓迎』とも書かれていて、それを見た嶋田は深い溜息を付いた。

「次はブリタニアのニュースか」

新聞を捲ると今度はブリタニア関係の記事。
そこには大きく書かれていたのは『不正を働いていた貴族を逮捕』
更にはこの貴族は清の宦官と繋がりがあるようで度々援助をしていたことまで発覚している。

「同じ貴族として恥ずかしい限りです・・・」

モニカはとても悔しそうな顔でその記事に見入っている。
貴族は私欲を捨てて領民と国を守るべきである。その見返りとして裕福な生活をしているのだから。
戦時には皇帝や民の盾となって戦い弱き者を助ける存在。
そういう立派な貴族を目指し常に心がけている彼女に取って腐敗した貴族の話は聞くに堪えない。

「長い間権力を握り続けていると何処かで腐ってしまう。そんな物だよ。みんながモニカさんみたいな人じゃないから」
「・・・・・・」
「残念ながら日本も同じだ。金、地位、名誉、それが当たり前になると目が曇る人が出てくるのはね」

関連した記事には日本でも清に買収された会社が摘発というニュースが掲載されていた。

98 :楽隠居?と円卓の少女:2013/01/02(水) 17:45:32



そんな暗いニュースを見ていた嶋田の携帯に着信が入った。
相手は辻だ。

「もしもし」
『新年あけましておめでとうございます』
「おめでとうございます。今年も厄介ごとに巻き込まない範囲で宜しくお願いします」
『善処致しましょう。ところでモニカさんはご在宅ですか?』
「ええ居ますよ。代わりますか?」
『お願いします』

嶋田は辻が代わって欲しいと言っていることをモニカに伝えて携帯を渡す。

「モニカです。あけましておめでとうございます」
『おめでとうございます。嶋田さんと二人で過ごす正月は如何ですか?』
「えッ、あ・・・そのッ、は、初日の出を見て初詣に行きましたッ、」
『それだけですか? 姫始めとかは?』
「ひッ、姫…ッッ、」

モニカの顔がボンッ!と音を立てて煙が出そうなくらい真っ赤になった。
日本に赴任してそこそこになる彼女は日本の文化もそれなりに知っている。
当然辻の言ったことが何を意味するのかも。

「そんなふしだらな事はしてませんッッ!」
『そうですかそれは残念ですね。一つ屋根の下に住んでおいてまだとは・・・』

勘のいい彼にはとうにバレている。モニカが嶋田に好意を抱いていることが。
だが鈍い嶋田相手に遠慮がちで恋に臆病なモニカでは分が悪いと時々テコ入れの意味も込めて彼女を挑発しているのだ。

「~~~~ッッ」
『まあそれは今夜にでもしていただくとして』
「しませんッッ!」

尚も煽ってくる辻に抗議の応酬を繰り返すモニカ。
そんな二人に一体どんな話をしているのかと気になる嶋田ではあったが、電話の向こうの声が聞こえないので意味不明だった。
それが幸いなのか不幸なのかは分からないが。

『実はモニカさんに我が国の新型量産KMFウィンダムの模擬戦相手をお頼みしたいという話がありまして』
「模擬戦・・・ですか?」
『ええ、ラウンズのモニカさん相手にどれくらい闘えるか見たいのだそうです。如何でしょうか?』
「私はいいのですが・・・国が」

模擬戦くらいいつ受けても構わないが国の許可も無くというのはマズいというモニカに、ブリタニア側には既に許可を取っており、
『クルシェフスキー卿の判断で』となったらしいことを伝える辻。

「それならばお受けしましょう」
『ありがとうございます。それでは後日連絡しますので嶋田さんも連れてきてください』
「なぜ嶋田さんも?」
『その方が気合い出ると思われますので・・・ということで、今夜はお楽しみください』
「しないと言っているじゃないですかッッ!!」


その夜、辻に散々煽られたせいか勇気を出して一緒の布団で寝たいと言ったモニカに驚く嶋田が、引かない彼女と一緒に寝ることになったのは言うまでもなかった。

惚れた相手と一つの枕で寝たモニカが見た初夢は、何処かの神社で行われた紋付き袴姿の嶋田と白無垢姿の自分の結婚式の夢だった・・・。

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最終更新:2013年01月07日 21:40