101 :綾波物語:2013/01/23(水) 20:27:49
第2話 訓練!訓練!!訓練!!!

『発射管 右舷45度に回せ』
「了解!発射管を45度に回せ!」
「よーそろー」

巨大な魚雷発射管が右舷にキリキリと転回する。
そして、右舷45度に回し終える


幾分かの沈黙ののちに艦体が傾いたかと思うと

『魚雷発射』
そういって、目の前の発射管から魚雷が発射される。
魚雷は、青白い尾を引きながら敵艦目標に猛突進していく


そして

『魚雷2本命中 敵艦は轟沈した 
諸君の働きは見事なり これより訓練を終える』


訓練が終了した。





「みんな、ご苦労様です」
「いやいや碇少尉、今日は、まだ、ぬるいほうでっせ」
「そうそう、実戦では死ぬほど働かされるからな」
僕は、綾波に配属されてからは、猛訓練が続く日々だった。
電声管から伝わる命令をそのまま動かすだけなのだが、

駆逐艦は高速で移動したり、左右に急速に蛇行するので
波がかぶったり、艦体が傾いたりするので
まともに立ってはいられない

102 :綾波物語:2013/01/23(水) 20:28:22
また、発射管を左に向けたと思ったら、右に向き直したり
機械が故障したと想定して、人力で動かさなければいけなかったり

水雷指令所が全滅したことも想定して
自分で計算・発射との訓練もしなければいけなかった。

更には、夜間襲撃訓練や被弾した時のダメコン訓練も入れているのだから

兵学校が優しく見えるほどの、ハードで忙しい日々を送っていた。



「ですが、もうすぐアメ公と戦争になるんですから、訓練を急がせるんでしょう?」
「そうだね・・・・」

日々、アメリカからの圧力が強くなっている。
何でも、日本に金を大量に出せや日本に降伏に近い提案がされたとかあるが
総理大臣も嶋田繁太郎海軍大将に変わったことで、アメリカと戦争になるだろうと
乗組員達は噂をしあっていた。

「戦争になったら仕方ないや。運がなかったと諦めるんだ
それよりも、僕は一人の部下を失わずに戦争を終わらせたいや」
「おう、頼りになりまっせ!碇少尉」
「いよ!大将!」
そういって、馬鹿笑いする。






数日後、駆逐艦綾波の乗組員全員が上陸し、宿「根瑠不」に集合した。
艦長の六分儀少佐は、多く語らなかったが、雰囲気で分かった。
もうすぐ戦争になる。そして、これが最後の上陸になるかもしれないということを。

その後は、酒気狂乱の宴会となり、そして艦長を胴上げされた後、池に放り投げ放置した。

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最終更新:2013年01月23日 21:11