919 :taka:2013/03/04(月) 11:52:32
怒濤の世界情勢と
夢幻会は戦い続けた。
そして、主要な幹部達が全てこの世を去った時……ソレは現れた。
Congratulation!
意識だけが集まった夢幻会メンバーの前で、神と名乗った発光体はそう叫んだ。
そしてこう言った。
「せっかくだから、お前等の努力と健闘に敬意を表してクルージングをプレゼントしてやんよ!」
1921年9月13日午後7時11分、ハンブルトン沖にて……
嶋田……キャプリス・ウィッシャーと呼ばれる新米建築家は唖然としながらも窓の外の暴風を見ていた。
「あの糞神野郎……幾らなんでもこの船のクルージングかよ」
赤ら顔の酔っ払いが何やら自分に話しかけているが、彼の意識は休憩室のテーブルに置いてあるパンフレットに向けられていた。
『客船レディクリサニア号へようこそ! 快適な船旅と楽しい思い出をご提供致します』
また大波が船体にぶつかったのかビリビリと震動が走る。
そう言えば、この赤ら顔が絡んで来ているって事はそろそろ来るんじゃないか……?
やべぇよ、自キャラには病気がちの妹が居るって設定じゃないか。
酔っ払い……ラットラーを上手く宥めた後、慌ててキャプリスは休憩室から出ようとしたが。
「げ、やばい!」
地鳴りのような音が近付いてくる。
船体の揺れが明確になり、酷い揺れになれていた乗客や船員すら不安げに辺りを見渡している。
慌てて『以前の記憶』にある自分と義理の妹の船室に向けて駆け出そうとしたが―――。
無情にも、巨大な船体すら上回る大波を横合いから受けた豪華客船は、呆気なく転覆した。
「あー、もう畜生、なんでこんな事に、何がご褒美だ神の大馬鹿野郎!」
落ちてきたラットラーの下敷きになりつつも、こんなシナリオに自分達を放り込んだ神に罵倒する。
今なら解る。ポセイドンアドベンチャーの最終局面での神父の怒りがよく解る。
ああ、そう言えばコイツ得点低かったなぁ、助けるべきじゃなかったかも。
そんな命の足し算(合計25点)を考えつつ、これからの脱出計画を練り始める嶋田の脳裏にふと浮かんだものは。
そう言えば、自分と同じように放り込まれたメンバーはどうなったか。
そして、どうしているのかと―――。
ドカン、と壊れかけていたドアが破られる。
「キャプリス兄さん、大丈夫!?」
ドアを壊したらしい家具を手にした船員と怯えた様子の女性を引き連れた病弱……な筈の妹が居た。
原作におけるキャプリスの悩みの種であったエイミーが義理の兄に向かって駆けてくる。
キャプリスとしての記憶に残る印象とはやや掛け離れていたが、今は非常時だ。安心させなくてはならない。
「ああ、大丈夫だよエイミー。お前が無事で良かった!」
そう言うと彼女が兄さんと呟いて抱き付いてきた。
ラットラーも嬉しそうにそれを見詰め、船員と女性客は安堵の笑顔を浮かべた。
しかし、エイミーの華奢で柔らかい身体を抱き締めたキャプリスの違和感は増大していた。
何故彼女が定位置である客室から離れているのかと。
そして自分の初期位置たる休憩室に脇目も振らずに来られたのかと。
しかも、NPCに過ぎないのに乗客や船員まで引き連れている。
そこまで考えた時、しがみついていたエイミーが静かに耳元で囁いた。
「いや、貴方がキャプリス役とは驚きですね。私も女性役とは思いませんでしたが。
まぁ、他のメンバーも第一次爆発までに探し出さねばなりませんので……急ぎましょうか、し・ま・だ・さん?」
ゲェーッ、なんでアンタがよりによってエイミー役なんだよぉ!
女学生と淑女萌えだとは公言してたけど、妹属性有りだなんて言わなかったじゃん!!
自分が抱き締めている者の正体に気付き、キャプリス……嶋田は悲鳴をあげるのであった。
続くかも
920 :taka:2013/03/04(月) 12:00:53
後、クリア条件(クリア条件を満たさないと地獄のクルージングをループで楽しむ羽目に
1:夢幻会メンバーが全員ボイラー室に到達し脱出口に至る事
2:メンバー全員が合計25ポイントの救助対象者及び重要キャラを救助した状態で脱出口に至る事
後、憑依(メンバー)者は何となく取り憑いているキャラクターが誰かを理解出来ます。
原作ではバグで助けられなかった人々(エレベーターの船員とか)も救助可能、他にも救助可能な船員乗客も存在します。
いや、激ムズですね……ループとは言え何週目でクリア出来るのやらw
最終更新:2013年03月04日 20:38