783 :高麗少佐とエース少佐の関係:2013/02/24(日) 21:29:11
高麗少佐とエース少佐の関係



インタビューを終えたエースと呼ばれた少佐はスタッフに別れを告げて廊下に出た。
インタビューは軍施設内部で行われていたので、そのまま寄宿舎に帰れる。
彼は自信家であり、実力も相応に有った。
【ジェンシー】に早く慣れたのもあるし、父親が軍の高官で出世も早かった。
部隊演習では常にトップをはる、まさに軍の顔だったのだ
そんな彼は意気揚々と廊下を歩いていたのだが・・・
「ん?」
前の方から歩いてきた人物を見かけると、わずかに顔をゆがめた。
前から歩いてきたその人物は彼の前まで来ると、綺麗な敬礼をする。少佐も答礼をする。
「大尉、なにをしているんだ?」
「【ジェンシー】に対する改良案と意見書をまとめて終わったので、その報告に行く所です」
「意見書?」
「はい。今のままでは、まだな慣れていない整備員が大変です。そこで極秘裏でいいので清に整備員を派遣し「いらないよ」・・・なぜでしょうか」
少佐は侮蔑を浮かべた笑みで大尉を見る。
「わが軍の【ジェンシー】は何の問題もないのだ。問題が発生したらそれは怠慢だ。だからそいつをどうにかすればいい」
「しかし、我が国にはKMFに慣れた技術者や、工員がおりません。未だ清からの輸入に頼っている部分もあります」
「それもいつかは、問題は解決される。足りないのであれば慣れさせればいいだろう。第一泣き言を言う暇があるならばしっかりすればいいのだ」
そう断言する少佐に、大尉はただ真っ直ぐな目を向ける。その視線が気に食わないのか、舌打ちをしてその場を離れていく。
「まぁ、俺の部隊はそんな輩は居ないがな!」
捨て台詞の様に言い捨て、笑いながら去る少佐の後姿をしばらく見ていた大尉だったが、声が聞こえなくなるとすぐさま何事もなかったかのように歩き始めた。
大尉は思う。自分は実家にいなくてよかったと・・・
実は先程の少佐と彼は、双子の兄弟だったのだ。
しかし、双子と言う理由で(相続争いが起きるという、古い考えを持った祖父の意見で)彼は孤児院に入れられた。そしてすぐに彼は一般家庭に引き取られた。
仮初の両親ではあったが愛情は本物で、義父は警察官で真面目な人物だった。いつか自分もそうなりたいと義父の背中を見て育って行った。
警察官になりたいと頑張っていたが、両親が交通事故にあい他界・・・相手側から慰謝料を要求されてすぐに稼がなければならなくなった彼は、軍に入隊し必死に努力した。
軍は思っていたよりも酷く、長い平和のせいで腐敗が進行しており。賄賂や告発が横行していた。
それでも真面目だった彼はしっかりと自分の仕事をこなし、仲間の面倒をよく見た。
上官はそんな彼を侮蔑の目で見て、嘲りさげすんだがまったく答える事無く邁進した。
叩き上げでありながら、若いながらもここまで出世できたのは彼が“有能”だったからだ。
そんな中少佐と出会い、自分の出生をしり。反面教師の様にして己を律した。
おそらく少佐は親の威光と賄賂で、このインタビューの後で少佐から中佐になるだろう(今日何があったか彼は知っている)。
それは別にいい、自分がすべきはこのろくでもない国でも愛していた両親の為にこの国を・・・国民を守る事なのだ。
彼は歩く、それがいばらの道だとしても・・・

この後日本侵攻の際に彼は大尉から少佐になるのだが、それは未来の話である。

784 :影響を受ける人:2013/02/24(日) 21:30:10
以上です。今回やたら短くて済みません。
もともと同じ人物だったはずなのに別人のようになった。ならば、別人にしてしまえ!!と、いうわけで関連性を残すために双子にしてみましたがどうでしょうか?
まだ少佐VSモニカはそれほど進んでいないので、息抜きです。でもイメージはこんな感じでまとめてみました。高麗少佐は藤堂をイメージしてみましたが、皆様はどうですか?

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年03月06日 21:45