879 :ぽち:2013/02/27(水) 02:56:39
「くそっ!」
「落ち着いてくださいまし、あなた。
過ぎるお酒は毒ですわ」
「うるさい!どいつもこいつもあいつもそいつも皆寄ると触るとヤツのことばかり・・・・・・
ああ、最近まで知らなかったとはいえ確かにアイツは俺の兄弟だよ!
でも俺は俺なんだ!高麗の英雄は俺なんだ!アイツじゃないんだ!
なのに・・・・・・なのに・・・・・・・・・
おまえだってそうなんだろ!
アイツではなく俺が捨てられればよかったと、自分の夫がアイツであればよかったと思ってるんだろ!」
「あなた・・・・・・わたしはあなたを愛しております
この胸を裂くことで想いをお見せできるのなら寸瞬たりとも躊躇わないですのに」
「ああ、アイツはエラいんだろうよ!
だがこれまでこの家を必死で支えてきたのは俺なんだ!俺なんだぁ・・・・・・・・・」
「あなた・・・・・・」ぎゅっ
「ああ・・・・・・・・ああああああ・・・・・・・・
とおさま、ぼくきちんと勉強するからそんな目でぼくを見ないで
かあさま、使用人の息子なんかとあそんだりしないから、だからぼくを見てよ・・・・・・・・・
ぼくをぼくをぼくを・・・・・・・・・・・・・・」
コツコツコツ
「お嬢様」
「わたくしは既にあの家の『お嬢様』ではありません
この家の『妻』なのです」
「ですが、ご実家から『そろそろメッキが剥がれかけている 処分して帰宅を考え バキャ!
「妻として夫を蔑む発言をする輩を見過ごすわけには参りません」
「ですがお嬢・・・奥様、この戦争最初から先が見えております
そして『広告塔』は逃れることなど許されぬでしょう
彼もそれはうすうす感じておられる御様子
なれば奥様だけでも」
「黙りなさい」
「我が君よ・・・・・・わたしもあなたと似たような状況でした
ただもう政略結婚の駒としてしか扱われず両親からも愛された覚えがまったくありません
ですが幼きあの日、舞踏会で婚約者としてお会いしたあなたはわたくしに優しくしてくださった
わたくしに微笑みかけてくださったのです
あなたのあの笑顔があったからわたくしはここまで歪まずにいられた
あなたの笑顔だけがわたくしがわたくしでいらせてくださった
多分この国は滅ぶでしょう
その時愚かしい賤民どもは昨日まで英雄と褒め称えたあなたを罵り処刑台へと歩むあなたに罵声を浴びせるでしょう
お父様お母様、あなたのご両親すらあなたを生贄とし、きっとこの国、いえこの世界にあなたを悼むものなど一人もいないでしょう
居るとしたら・・・・・・いえあの男はあなたの死を悼む資格などありません
それはわたくしだけに許されるものなのですから」
880 :ぽち:2013/02/27(水) 02:58:25
消された書き溜めの書き直しが進まないのでカッとして書いた
今でも反省してない
と・いふワケでちみっと大佐を主役にして書いてみました・・・・・・ら大佐の妻がメインになってしまった
あるぇー?
最終更新:2013年04月07日 10:51