アットウィキロゴ
886. 名無しモドキ 2011/02/26(土) 13:35:48
「ハワイ沖海戦外伝」
下記の書籍は、児童に人気があり、図書室に数セットを揃えている小学校も多い。
第二次世界大戦  第三巻  −太平洋の嵐− 衆英社  児童書(小学校中学年以上) 1969年版

第三章  「ハワイ沖の凱歌」より抜粋(原書には全てルビあり)
  そのころ、ハワイの基地では、アメリカ陸軍の航空隊が発進の準備を始めていました。
「急ぐんだ。海軍の攻撃に遅れるな。」基地の兵隊達は大急ぎで飛行機を滑走路にならべます。ところが夜の
日本軍の攻撃を恐れて、多くの機体は、掩体(巻末注-11)に入っていたり、飛行場から離れたところに置か
れていたのです。「ぐずぐずしていると、日本の艦隊に逃げられてしまう。準備ができた飛行機から出発せ
よ。」基地の司令官の命令で、飛行機がバラバラに飛び立ちます。大変な苦労をして、二百機の爆撃機や戦
闘機が、一時間ばかりの間で飛び立ちました。こまったことに、陸軍の飛行機は、海の上を飛ぶことに慣れ
ていません。陸軍の飛行機は、陸の動かないところを攻撃できますが、海の上の動く艦隊を攻撃する訓練は
受けていないからです。海には目印がありません。海軍が教えてくれた場所に、真っ直ぐに飛んでいくこと
さえも大変な事なのです。燃料も、心配なほど遠いところなどで、飛行機は巡航速度(巻末注-12)で飛び
ます。しかし、飛行機によって巡航速度は違います。一番、燃料の心配な戦闘機に合わせて飛ぶことにしま
した。でも、だんだんと、編隊と編隊の距離は離れていきます。

  航空母艦の赤城では、近づいてくるアメリカの編隊をレーダーが見付けました。アメリカ海軍の攻撃を
退けた、戦闘機は、一度空母に戻って補給をしていたので、再び元気に飛び立ちます。「さあ、もう一度、
アメリカ軍を防ぐぞ。今度は大型機で来るから、撃墜するのは大変だ。爆撃ができないように撃破すれば
いいぞ。」各編隊長は部下に命令します。この頃の、烈風は、上昇力(巻末注-13)でも世界一の戦闘機
でした。発進して、十分でアメリカの編隊より高い高度にあがりました。航空母艦からの指示で、敵の
編隊を見付けた戦闘機隊は上空から、アメリカの編隊に襲いかかります。
「まず、じゃまな敵のP-38を攻撃するんだ。」アメリカのP-38は、速度も速く撃墜するのは容易ではあり
ません。このP-38を退けても、爆撃機のB-17は「空の要塞」と呼ばれているほど丈夫な爆撃機なのです。
その他にも、身軽な双発爆撃機のB-25や、たくさん爆弾を積めるB-24も押し寄せてきます。ところが、ア
メリカ軍は、一度に来ずに、決まったルートで少しづつやってきます。
「これは、ありがたい。慎重に討ちもらさないように撃退するんだ。」烈風のパイロットたちは、遠くから
飛んできたため、パイロットが疲れていたP-38を素早くやっつけました。そして、多くの烈風で、一機の
B-17に襲いかかりました。これにはたまらずに、B-17も次々撃墜されていきます。
「味方の戦闘機はどこにいる。」B-17の搭乗員は無線で味方を呼びますが返事はありません。
アメリカ陸軍航空部隊の攻撃は1時間以上続きましたが、とうとう日本の艦隊までたどり着けませんでした。
この攻撃で、200機以上で出撃したアメリカ軍機は、10機あまりの烈風と引き替えに、150機が撃墜さ
れました。撃墜されなかった飛行機も、20機近くがハワイに帰れずに行方不明になりました。

「日本が一番だ。」「弱虫のアメリカ軍なんか地獄へ落ちろ。」「アメリカ機は、のろまなカモだ。」赤城の
甲板で大勢の水兵たちが、アメリカをバカにしていました。そこに、草加少将が通りかかりました。「アメリ
カ人は、いくら撃墜されても、逃げることなく向かってきた勇敢な兵隊だ。あの勇敢な兵隊達が一度に押し寄
せていれば大変だっただろう。敵でも勇敢な兵隊を卑しんではいけない。そして、民族の能力には差はないの
だよ。あるのは努力した個人の差だけだ。欲しいものも我慢して、りっぱな航空母艦を造ってくれた天皇陛下
や国民のためにも、私もお前達も、どんな相手も侮らずに、訓練と研究を重ねるのだ。」草加少将が、そう注
意すると水兵たちは、恥ずかしさのあまりうなだれてしまいました。
お  わ  り

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年12月31日 19:00