221 :名無しさん:2013/03/08(金) 23:23:53
では、あらためまして
ネタ~ネタだよ~
大清連邦による突如としたシベリア侵攻
この暴挙に日本や中華連邦が警戒を強める中、弟分の思わぬ快進撃に色めき立っていた高麗共和国では「バスに乗り遅れるな!」の合言葉と共に高麗義勇軍の派遣を決定
首都防衛隊にも待機命令が出ていた
「少佐、本部より連絡!」
そんな中、弟分と言いつつ事実上の宗主国に付き合ってユーロピアと戦争しようとしている高麗を歯痒い思いで見ていた少佐は、部下の報告にため息をついた
「我が部隊は明日の第1陣で出撃か」
部隊が最前線に投入されるだろうことは予想していた
なにせ少佐と彼の部下は危険思想の集団として上層部から警戒されているから
「わかった、各員出撃態勢を…「き、緊急事態、緊急事態です!」
出撃準備を整えておくよう、指示する少佐に伝令とは別の部下が大慌てで入ってきた
「どうしたんだ騒々しい」
「は、申し訳ありません、あまりに信じがたい事態につい、」
「とにかく落ち着け」
「は、」
部下は数回大きく深呼吸すると緊急事態の内容を報告する
「お、落ち着いてお聞きください、」
少佐は落ち着くのはお前の方だと言ってやりたいところだったが話が進まないので黙って聞く
「こ…」
「こ?」
「黄海が消滅しました!」
「……」
祖国の愚劣な政治に翻弄されているせいで、とうとう耳がおかしくなったようだと現実逃避する少佐であったが、間も無くそれが事実であると思い知らされる
「は?黄海が消えて陸が現れた?」
「のようです」
清や高麗の動きを調べていたモニカ・クルシェフスキーは、トゥエルブ親衛隊副官の報告にポカンとアホの子みたいに口を開けたまま、目を点にしていた
「ど、どういうこと?」
「私にはなんとも…。ただ報告によると日本の東シナ海艦隊が直接確認したらしく、間違いないかと思われます」
更に詳しく聞くと、黄海に現れたその陸地は高麗半島にそっくりだという
「高麗半島にそっくりですか?」
「はい、こちらでも確認を急いでおりますが、高麗半島をそのまま模写したかのような陸地らしいです」
高麗と瓜二つの陸地?
まさか高麗半島がもうひとつ現れた?
「そ、そんな馬鹿なことないわよね」
頭に浮かんだおかしな想像を否定するモニカであったが、それこそが核心を突いていたことを思い知らされるまであと僅か
222 :名無しさん:2013/03/08(金) 23:25:56
「竹島に数百人規模の武装集団が現れた!?」
自宅で娘のサクラをあやしていた嶋田に掛かった電話は、腐れ縁となっている辻や杉山といった仲間たちからの物
携帯の方には山本からの着信が入っていた
〔傍受した無線にはコリアという単語が飛び交っています。もうおわかりかと思いますが、あの国ですよあの国〕
「やっぱりかぁぁ!」
〔現在、枢木さんが日本海艦隊を出撃させて直ちに退去するよう迫っていますが、まあお察しくださいな返答が帰ってきていますよ〕
「だろうな、当ててみましょうか?"独島は我が国固有の領土だ!"でしょう」
〔ご名答、それと衛生写真で確認が取れましたが、黄海を埋め立てるような形で高麗半島が……いや違いますね、朝鮮半島が出現してますそれも高麗半島と陸続きで〕
「朝鮮半島か、なんとも懐かしい響きだ……二度と聞きたくなかったけど」
〔同感です〕
「ということは南北朝鮮も来ているのか……」
〔我らが米軍もですね〕
朝鮮半島が来ている以上、昭和世界での敵であり、史実世界の同盟国であった在韓米軍もいる
「ただでさえ清と高麗が厄介な動きをしているのに」
清と高麗だけでも大概なのに南北朝鮮に米軍まで現れたとなれば厄介なことこの上ない
南はまだましだが北と米軍はアレを保有している可能性がある
「北と米軍はアレ持ってると思います?」
〔どの年代かによりますがこちら側と向こうが完全な平行線なら西暦202×年になるでしょうから保有している可能性は高いと思われますよ〕
米軍についてはあんなものを軽々しく使うような愚は犯さないだろうが北だけはなんとも言えない
「やれやれ、色々と厄介なことになりそうだな」
嶋田は腕の中で安らかに眠るサクラをあやしながらため息混じりに呟くのだった
最終更新:2013年03月16日 19:20