296 :二二三:2013/03/10(日) 16:28:42
史実半島転移ネタ続けてみた~


半島転移2



在韓米軍司令官デビッド・ベイカー大将は大規模な通信障害の後、全てのGPSが使用不能になったとの報告に何が起こったのかを調べるため、
韓国政府との連絡を密にしながら海が消えて陸地が現れたという朝鮮半島東岸に偵察機を飛ばしていた

「日本海側に現れた陸地に国家の存在を確認、国名は高麗共和国か…」

偵察結果は陸地に国家が存在しているらしいという物
それが判明した理由はかの陸地から中国軍機のJ10に似た戦闘機が飛び上がってきたからだ
不慮の戦闘を避けるため国際共通チャンネルでの通信を試みても全く返事はなく、周波数帯を変えながら何度も接触を試みた結果漸く繋がった回線から飛び込んできたのは
「国籍不明機に告ぐ、貴機は高麗共和国の領空を侵犯している。直ちに領空外に退去されたし」
という警告だった

一触即発の事態に直ぐ様引き返した米軍機だったが、入れ替わりで到着した韓国軍機は相手方の警告に「大韓民国の領空侵犯をしているのはそちらだ」と返して威嚇射撃を行ったのだ
そうなれば相手方も同様の反応をするのは当然で、韓国側のF15K戦闘機二機と、相手方の戦闘機一機が被弾する結果となってしまった

「それにしてもなにをやってるんだ韓国は!事態が把握できない状況下でいきなり戦闘を始めるなど非常識にも程がある!」

韓国側の軽率な行動で高麗という国と敵対関係になってしまった
これが切っ掛けで戦争に発展したらどうするつもりだ
アメリカ本国との通信も回復しない、日本・在日米軍とすら連絡が取れないこの状況ではろくに補給を得られないまま馬鹿の尻拭いの為に血を流すことになってしまう
幸いにも双方死人が出ていないので外交さえしっかりすればまだ不幸な行き違いで済まされる範疇である筈だが、同盟国のお粗末な外交を知っているベイカー大将としては過大な期待は米軍にとって命取りになりかねないと理解していた

297 :二二三:2013/03/10(日) 16:29:10
「失礼します!」

これからどうするかと考えを巡らせていたベイカーのもとに新たな情報が飛び込んだ

「北は北朝鮮に塞がれているので偵察機を飛ばせませんでしたが、西と南からは有力な情報が入りました」

「読め」

「は、西に飛んだF22からはJ20と似通った戦闘機三機編隊と接触、相手方は"中華連邦"と名乗ったそうです」

「J20が三機?!実践配備されたという話は聞いていないぞ!それに中国ではなく中華連邦だと?!」

J20
中国が開発中であり未だ試験段階の域を出ていない第五世代ステルス戦闘機がスクランブルとして三機も飛んできたとなれば実践配備された以外に考えられない
それに中華連邦と名乗ったとすれば中華人民共和国とは違う国になる

「南からは日本と接触したと報告が入っています」

「それは心強いな」

ベイカーはアジアで唯一頼りにできる日本と連絡が付いたことに孤立した訳ではないと考えたが、続く部下の報告にぬか喜びであったことを思い知らされた

「しかしその日本と接触したのは尖閣諸島近海で自衛隊には存在しない第五世代ステルス戦闘機であったらしく、ステイツのラプターよりも洗練された機体であり更には大日本帝国と名乗ったと……」

「バカな、ラプターよりも洗練された機体に大日本帝国だと?」

「それどころか別の機からは空飛ぶ船や人形戦闘機を見たという報告も上がっています」

「い、いったいどうなってるんだ、」

朝鮮半島東岸に現れた陸地には高麗共和国という名の未知の国
西には第五世代戦闘機を配備した中華連邦
日本は日本国ではなく大日本帝国で、ラプターを超える戦闘機に空飛ぶ船や人形戦闘機を持っている

「これではまるで別の世界に飛ばされてしまったかの……」

(ま、まさか)

それしか考えられない
どれか一国でも知っている国があればまだしも、いま報告を受けた国は全てが知らない国である

「とにかく情報が少なすぎる。友好的接触が試みられそうな国から詳しい話を聞きたいところだが」

距離的に一番近い高麗は韓国のお蔭で友好的な接触が難しい

「となれば中華連邦か大日本帝国だが」

割りと穏やかに話ができたらしい日本が一番良いのではと推す部下に、ベイカーは韓国政府との関係もあり独自接触すべきかどうか頭を悩ましていた

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最終更新:2013年03月16日 19:20