437 :二二三:2013/03/13(水) 17:58:53
続き~
休日氏の宿敵(とも)時空を越えて・68氏の総統閣下と愉快な仲間たちinEUが前提です



半島転移5


大日本帝国沖縄・那覇



「し、信じられん…。これが那覇市内だというのか…」

在韓米軍とその親族・関係者の生き残りをかけた会談に臨むべく未知の国、大日本帝国の地を踏みしめた在韓米軍司令官デビッド・ベイカー大将は自分が知る沖縄・那覇とあまりに隔絶した風景を見て絶句していた


競っているかのように天に向かってそびえ立つ高層ビル群
街の至る所で見られる巨大な太陽光発電のパネル
それらの間隙を縫うように走る高速道路

(まるで東京……いやそれ以上ではないか)

台湾や海南島、南洋の中継地でもある沖縄県那覇市は南日本随一の大都市なのである
ただ日本の都市圏は軒並み史実東京以上の大都市となっているため別段珍しくもない。七大都市と呼ばれる地域に至ってはニューヨーク以上の光景が広がっているのだから日本人的には「別に普通だろ」程度の感覚でしかないのだ
因みにもしベイカーがいまの帝都東京を見ればSF作品に登場するような未来都市にしか見えないだろう
そもそもこの那覇にしたってSF的な部分が垣間見られるのだから

「ロ、ロボットが…」

送迎車の窓から街角の建築現場を見たベイカーの副官バレット大佐が小さな呟きを漏らした
なんだあれは?!
あきらかにロボットだと思われる4m強の人形の機械が、ユンボやブルドーザーに紛れて工事作業をしている

「どうかされましたか?」

窓の外に釘付けになっていると変に思われたのか送迎車の運転手が声をかけてきた

「あ、あのロボットは?」

「ロボット?」

運転手は窓から見える建築現場の作業用KMFを見た

「作業用ナイトメアフレーム(KMF)がどうかしましたか?」

「あのロボットはナイトメアフレームというのかね?」

「ええ、戦闘用KMF無頼を元に開発された物で今や建築業に欠かせない主力機ですよ
 最近ではブリタニアのアッシュフォードがサザーランドをベースにした新型作業用KMFの売り込みを掛けてきてますからじきに世代交代することになるでしょう。それか倉崎の新型第五世代作業用KMFに代わるかですね」

軽い口調で説明する運転手に少なくとも秘匿するような物ではないことはわかった

「あのKMFというのは一般的な物なのかね?」

「ええ一般的ですよ。ただし日本とブリタニア限定ですが」

「なぜ日本とブリタニアという国限定なのか伺ってもいいかな?」

「単純な理由ですよ。KMFの技術は基本的に輸出してないんです。元が軍事技術なので他国に渡すわけにはいきませんから」

「つまり日本とブリタニアだけが持っている技術だと?」

「いいえ、他には盗人と嘘つきが持ってますね」

盗人と嘘つきが何なのか知らないベイカーが詳しい話を聞くと、盗人は中華連邦から分離独立した大清連邦という四大列強に次ぐ大国と、嘘つきは高麗共和国というこれも昔中華連邦から独立した国だと教えてくれる

「まあ二国ともに中華から切り捨てられたとも言えますが、少なくとも高麗は問答無用で切り捨てられてます」

中華連邦国民を搾取し続けた一部の特権階級が土地を盗んで作った国が大清連邦=清国で、続けてブリタニアから旧式の第五世代KMFサザーランドの技術を盗んだ泥棒だから盗人
高麗は本気かどうかはわからないが嘘ばかりついているので嘘つき


(共産中国と北朝鮮みたいな国だな、情けないが我が同盟国も……)

「ところで四大列強とは?」

疑問が晴れればまた新たな疑問が一つ生まれる
これから調べれていけばわかることだが、早いに越したことはないと引き続き運転手に聞いてみた

「そのままです。圧倒的な武力と国力を持った四つの国。神聖ブリタニア帝国・大日本帝国・中華連邦・ユーロピア共和国連合の四国のことですよ」

「なるほど…」

四大列強の一角大日本帝国
彼が知る日本国も経済大国であり有数の軍事力を持っていたが、どうやらこの日本はより大きな力を持っているようだ

「そろそろ那覇市庁舎に着きますので話はまた後ほどゆっくりとしましょう」

「ああ、すまないが最後に一つ」

「なんです?」

「U.S.A.……アメリカ合衆国というのは聞いたことないかな?」

「アメリカ合衆国?」

どこの国ですか?真面目に聞いてくる運転手に、ベイカーとバレット大佐は共に大きく肩を落として、不安に苛まれていた

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最終更新:2013年03月16日 19:18