556 :二二三:2013/03/16(土) 20:12:58
続き~
休日氏の宿敵(とも)時空を越えて・68氏の総統閣下と愉快な仲間たちinEUが前提ですがたいした話ではありません
半島転移7-2
日本・ブリタニア・
アメリカの代表者たちが会談を終えた頃、国会では内閣総理大臣枢木ゲンブが野党公民党の女性議員から質問攻めにあっていた
「総理!総理!総理!枢木総理!説明をお願いします総理!」
とにかく口煩いことで有名なこの女性議員は相手が与党なら誰彼構わず噛み付いてはお茶の間を賑わせている
「沖縄で開かれた第二高麗半島特使との会談で日本とブリタニアがフレイヤ弾頭の使用を決定したという話は本当のことでしょうか?」
「事実です」
こんなところではぐらかしても仕方がないと決定した事実を有りの侭伝える枢木総理
「事実ですではありませんよ総理!フレイヤ弾頭は我が国が保有する世界最悪の大量破壊兵器です!これは将来的には破棄しなければならない物だというのに、ブリタニアと結託して使用許可を出すなど言語道断です!直ちに作戦中止命令を出すべきです!」
予想通りの反応に与党席からは「引っ込め売国奴!」などのヤジが飛び交う
「静粛に静粛に!」
議会運営に支障がでないよう議長が叱責して場を静める
静まると今度は枢木総理の番だ
「ではフレイヤ弾使用決定の理由についてご説明申し上げます」
係りの者が報告を書いた用紙を枢木総理に手渡し、総理は内容を読み上げた
「数日前に現れた第二の高麗半島についてですが、かの地には南側に大韓民国。北側に朝鮮民主主義人民共和国という二つの国家が存在しておりまして、この内南側の大韓民国では原子の力を用いた発電施設が制御不能の状態に陥っているとの報告が入っております」
「原子の力を用いた発電施設とはなんですか?」
「簡単に言えばウランやプルトニウムを原料にした発電施設で、ひと度制御不能に陥れば人体の細胞を破壊する大量の毒性物質を大気中に撒き散らす危険性があるらしく、先方にはこれを止める手段がないためやむを得ず施設ごとフレイヤ弾頭で消滅させることになったのです」
放置した場合偏西風に載って日本やブリタニアは愚か、世界中に毒性物質が撒き散らされることも付け加えた
与野党問わず説明を聞いた議員の大半は「使用やむ無し」と持論を引っ込めたが、相対する女性議員だけはしつこく食い下がる
「事情はわかりましたが、別の手段はないのでしょうか?」
一刻の猶予もないこの時に呑気なことを抜かす女性議員にさしもの総理も呆れ果てた
バカかコイツは?放っておけば日本が、お前自身が毒物で汚染されるのにと
「ありません、どうやら第二高麗半島と我々では基礎となっている技術体系が違うらしいので」
「そうですか……ですがフレイヤ弾頭を使用すれば
アジアの友好国にいらぬ誤解を与えます。平和のためにも使用すべきではありません」
なにが友好国だこの売国奴が!
与党議員は揃って叫びそうになるのを抑える
この平和バカは、二言目には「アジアの友人」を口にするので相手にするだけ無駄である
しかし、日頃からこのバカに難癖つけられていた総理は、さすがにひと言文句が言いたくなって反論した
「平和ですか、そうですね先生が仰るように平和は大事です」
いつもと違う返しに女性議員も与党議員もおや?と首をかしげた
「ならあなたの言うアジアの友人は平和の敵ですな」
清のことだ
「いまアジアの友人は何をしてますかな?」
「う…!」
返事につまる女性議員。返せないのは当然だ、彼女が言うアジアの友人は絶賛侵略戦争中なのだから
「そ、それとこれとは話が別です、総理がそのようにはぐらかされるなら討論になりませんし、以上で質問を終わります」
逃げるように質問を切り上げた女性議員に与党席からは失笑が、野党席からは「いらんことするな!」の厳しい視線が飛んでいた
最終更新:2013年03月17日 16:03