592 :二二三:2013/03/17(日) 17:13:47

甘い話~バッカばなし~
休日氏のモニカルート前提で娘の名前は勝手につけさせていただいてます


甘い話


都内にある神聖ブリタニア帝国公館


「あ、シゲタロウさんですか?私です」

仕事の合間に私用の電話をかけているのは駐在武官のモニカ・クルシェフスキー
電話の相手は夫で仕事で遅くなる旨を伝える

〔そうか、いつも大変だな〕

「お仕事ですから。サクラは?」

〔いま昼寝してるよ。ああそれでね、サクラ、きょう幼稚園で「お菓子のトモダチ」から君に渡してくれってマシュマロを渡されたらしいんだ〕

「お菓子の友達……誰ですかそれ?」

聞き覚えのない名前に「娘の友達にそんな子いたかしら?」と悩んでいると秘書が入ってきた

「モニカ様、お紅茶が入りました」

「ありがとうございます。お砂糖などは自分で入れますのであなたも休憩してください」

「はっ、では失礼させていただきます」

秘書を下がらせた彼女は電話を耳に当てたまま砂糖の入った容器を開ける

〔どうしたの?〕

「何でもありません。秘書の方がお紅茶を煎れてくれただけです。それでいまの話ですけど、シゲタロウさんは「お菓子のトモダチ」が誰かご存知なのですか?」

〔いや知らないよ〕

開けた容器の中に刺されていた匙で砂糖を掬い紅茶に入れる

〔君にプレゼントくれた訳だから君に憧れてる子だとは思うけど、心当たりはないのかい?〕

モニカは神聖ブリタニア帝国力の象徴であるナイトオブラウンズの末席に座する女性である
そんな彼女に憧れを抱く日本人やブリタニア人の女の子は結構多いのだ
二杯目

「いいえ、私はお仕事の関係であまり幼稚園に迎えに行けませんから、サクラのお友達についてはシゲタロウさんの方がお詳しい筈ですが…」

三杯目
しかし公務の都合上娘を迎えにいけない日が多い彼女としては、そんな子どもたちと接する機会が少なく、必然的に夫の方が娘の友達に詳しいはずなのである
でも夫は知らないよという

「サクラはお菓子のトモダチのお名前知らないのですか?」

四杯目

〔聞いても「お菓子のトモダチ」としか言わないんだよ〕

「ひょっとして知らない大人の方では?」

五杯目

〔いや、そんな不審人物だとあの幼稚園には入れないよ。大体問題がありそうなら人物なら先生方から連絡が入ってるだろ…………あッ!〕

「ど、どうしたのですか?」

何かに気づいたのか、はっとした声をあげる夫に不安が沸き起こる
六杯目

〔あ、あいつかも、〕

「アイツって誰なんです?」

〔ほら、前に「視察」とかいってサクラの幼稚園に来たことあるだろ?君のこと「ボクのシンユウ、ボクのトモダチ」とかいってる〕

593 :名無しさん:2013/03/17(日) 17:14:42

「………」

思い出される傍迷惑な金星人の顔
ボクのトモダチ、ボクのトモダチ、と馴れ馴れしく付きまとってくる自称モニカのトモダチ
彼女がこの世で一番嫌っている男
七杯目

「ど、どうしてあの男とサクラが?」

〔わからない、また視察に行ったんじゃ…〕

「な、なにを呑気に構えてるんですか!!あの男が!あのキ◯◯イクラミジアがサクラと口を聞いたかも知れないのですよ?!」

〔お、落ち着いて落ち着いて、先生方から連絡もなかったし、送り迎えのSPからもそんな報告受けてないから、〕

「いいえあのダニなら!黄色ブドウ球菌なら誰にも気付かれないように近寄っても不思議じゃないんです!シゲタロウさんはあのエボラ菌の!あのQ熱の恐ろしさを知らないからそんな呑気にしていられるんです!」

八杯九杯十杯

〔モニカ!とにかく落ち着いて!〕

既に電話口から漏れる夫の声は聞こえていない

「あのボツリヌス菌!サクラに何かしたら絶対許さない!」

十一杯十二杯…

「フリーダムの一斉射撃で塵も遺さず消し飛ばしてやる…!」

子を持つ母は強い。普段あの男に抱いている言い知れない恐怖は娘が狙われているかも知れないという事実に、怒りと憎しみへと変化していく
極度の興奮状態に陥った彼女は匙を握りしめティーカップの中身をかき混ぜる
混ぜて混ぜて混ぜまくる


そして力一杯かき混ぜたティーカップを口許に運び、ぐいっと飲み干した












あま~~~~~ッッッッッ!!!








口に広がった砂糖その物の味か?今までのあの男への対応か?
モニカは「甘い!甘すぎたのです!」とただひたすらに怒り狂っていた

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最終更新:2013年03月17日 22:37