692 :ぽち:2013/03/20(水) 02:22:12
一機のKMFが疾走している
「助けてください隊長!助けてェ!」
「ノイマン!お前の位置は把握している!そのまま走り続けろ!」
小隊長は彼と合流すべく二機の部下を連れて駆ける
やがて眼前の十字路から彼の部下の機体が姿を現す
「た、隊長!」
「馬鹿!足を止めるなそのまま
後方から降り注ぐ銃弾が目の前の部下の機体を引き裂いていく
「ノイマン!」
そのまま飛び出すと即座に右手に銃を向ける
三機の敵攻撃ヘリの一番機二番機は左右に別れビルの陰に身を隠すが三番機はどちらに逃げるべきか一瞬迷った様子
一瞬で十分だ
「でりゃあああ!」
引き金を引き、三機分の銃弾が敵ヘリを貫く
爆発を確認することもなく即座に背を向ける
「隊長?」
「退くぞ このままでは孤立した挙句各個撃破されるのがオチだ」
彼はそのまま二人の部下を連れて疾走する
「ようジェレミア」
「キューエル卿か」
三機の部下を連れた同僚がいたので合流した
「これからどこへ行くんだ」
「今回の作戦は失敗だ。 ならば上陸部隊は脱出するのだろうから空港を確保する」
その時、キューエル小隊の一機が突如爆発する
「なんだ?」
「おちつけ、おそらく長距離からの狙撃だ ヘタに動くな!」
回避行動を取ろうとした部下を一喝する」
693 :ぽち:2013/03/20(水) 02:24:38
ジェレミア卿!」
「あらゆるセンサーに全く反応がないのを見るとかなりの距離からだろう
腕利きの狙撃手に中途半端な回避したところで逃げるのが遅くなり結局撃たれることになる
ならば全速全力で逃げるしかない
狙撃手が今自分を狙ってないよう祈れ」
「もし狙ってたら!」
「運が悪かったと思え」
「あらあら、わき目も振らず逃げ出したか、懸命だね
こちらウルズ6、目標離脱」
「なによ、逃がしたの?」
「そういってくれるな姐さん、全力で尻に帆掛けて逃げ出されちまやどうにもなんねーよ」
「こちらウルズ7、周囲に敵影なし」
『みなさんご無事ですか?』
「だいじょーぶよテッサ、あなたの愛しいソースケは傷一つついてないわ」
『い、愛しいだなんて・・・・・・まあそのとおりなんですけど』 頬を染めてくねくねと体を揺する戦隊司令官
「新婚さんはアツいわねー」
『オホン、艦長、ウルズ2、作戦中ですので』
「やばっ あーこのまま警戒態勢を維持します ウルズ2通信終了」
「副長、『転移』に巻き込まれこの世界に現れてしまったのはともかく、またわたしたちとは別の世界から転移してきた日本に身を寄せたのは正しかったのでしょうか」
「補給やその他要因を考えるとベストかどうかはともかくあの時点で最善の判断であったことは間違いありません
『彼ら』がASやTDDを初めとするわれらの技術に興味を示ず、提出を求めてこないのは正直うれしい誤算といってよいでしょう」
「ASがKMFに対し明らかな優位にあるものではない以上、異なる技術体系に目を向ける余裕がないのでしょうね
傭兵として雇ってくれてるのも正直ありがたいです」
「拒否権を初めとして作戦に口出しする権利を我等に与えるなど普通では考えられない厚遇ですな」
ゆかなファンと南央美ファンが協力しての結果である
「とりあえず十分な戦果は挙げました わが艦はこのままブリタニア艦隊の監視を続けます」
「イエスマム」
694 :ぽち:2013/03/20(水) 02:26:30
激闘
「くそっ!」
彼女は、コーネリア・リ・ブリタニアは焦っていた。
日本相手に破れ捕虜となり、脱出して帰国後無聊を囲っていたところこの『第三次ハワイ奪還作戦』を聞きつけて無理やりに参加したのだ。
負けるわけにはいかない。
如何に此度の作戦の司令官が宰相シュナイゼルであり、敗れても直接的に責任を追求されはしないとはいっても明らかな失点となるのは確か。
もし自分が失脚した日には妹であるユフィの身が危ない。
「わたしは負けるわけにはいかんのだ!」
『それはこちらも同じ、負けるわけには行かないんだ』
眼前の、ずんぐりむっくりといったプロポーションの白いKMFはムサシ・ミヤモートのごとく両手に持ったサムライソードで斬りかかってくる。
ぞくり
一瞬感じた恐怖に向けてスピアを叩きつけると、敵機が右手に持つサムライソードが一閃しスピアの穂先が切り落とされる。
「!」
そのままただの棒と化したスピアを少し上げると今度は両のソードが一閃し、彼女のスピアはバラバラにされ
返す一太刀で右腕が肩から、左腕が肘から切り落とされてしまった。
(ここで私は死ぬのか)
その瞬間敵機は後ろに跳ね、その足元に銃弾が降り注ぐ。
「ネリー、無事?」
「ご無事なようで残ね・・・・・・なによりです」
「ノネット先輩!ルキアーノ卿!」
彼女を助けに来たのはナイトオブテンことルキアーノ・ブラッドリーとナイトオブナインことノネット・エニアグラムだった。
「邪魔です、お下がりください」
その無礼な言葉にかっとなるが
「事実よ 空港に下がって司令部と合流なさい」
ナイトオブナインの言葉に冷静さを取り戻す。
確かに現在の自分では何の役にも立たないどころか足手まといでしかない。
「承知 あとは任せた。先輩、ご無事で」
「玉砕ってのも好みじゃないし、適当に戦ったら下がるから空港に輸送機送るよう本隊に言っといて」
「さて現状だが、とっととわかりやすく説明しろルルーシュ」
「おれがか」
「他の誰が私に優しくしてくれるんだ」
「俺もしないぞ」
「いいからさっさと説明しろ」
「はいはい 現在シュナイゼルを司令官としたブリタニア軍による第三次ハワイ奪還作戦が進行中だ」
「私が言うのもナンだが、なんでハワイなんて遠く離れた地を占領してるんだ?補給とか色々面倒だろう」
「それはわたしが説明しましょう
古来より攻撃と防御どちらが有利か、というのは永遠の議題なのですが戦略的にはやはり攻撃のほうが有利なのです
攻撃のほうは仕掛ける場所とタイミングを好きにえらべますから ブライ陛下もそう仰っておられます」
「ブライってだれだ」
「わが国に一気呵成に勝利する国力がない以上どうしても受けに回らざるを得ません
そこで我々が考えたのは敵の攻撃の誘導
わかり易くいえば敵が攻撃したくなる場所、せずには居られないポイントというのを用意しておくことです」
「それがハワイか あとブライって誰だ」
「ええ とにかく自分たちが偉い強いスゴい優れてる、と喧伝してる以上遠く離れてるとはいえ
紛う事なき『本土』であるハワイを占領されたままというのは対外的にも国民感情の点からも極めてヤバい
よってあらゆる要素を投げ捨ててハワイ奪還をしないわけにはいかない、というのがブリタニアの現状です
前線指揮官は『フリーハンドくれよー』とか嘆いてるでしょうね」
「だろうな で、ブライって誰だ」
「正直ンなゲーム脳的作戦が上手くいくとは思ってませんでしたが上手くいってるので仕方ありません
わが軍も切り札である『双龍』とその弟子たちをとりあえず送り込んでいます」
「双龍とはまたあなた達が好みそうなネーミングですね
それについては私もはじめて聞きましたがあなたがたの『同類』ですか?」
「・・・・・・そうだといえばそうです 違うといえば違う」
「また思わせぶりな発言だな ところでブライって・・・・・・」
695 :ぽち:2013/03/20(水) 02:28:29
「我々はこれまで幾度も『転生』とでもいうべきものをこなしてきました
その結果まあそれなりの知識と経験と力量を持てたので毎回日本の指導者的立場になってるのですが
あの二人はは違うのです
我らと違い記憶を持たない
日本が平和なままで終わる時には姿を見せない
しかし日本が戦乱から逃れられない状況になったら『いつの間にか居る』のです
記憶は無い、しかし名は毎回そのままであり優れた戦士であり兵士であり極上の前線指揮官なのです
司令官には向いてないようですが」
「それは便利だな つまりそいつらが居たら『これから戦争始まるよー』とかなり早くからわかるってワケだ」
「居ないのです 実際に取り返しがつかなくなる寸前になったら『いつの間にか居る』のです
居なかったはずなのに、なぜか『以前から間違い無く居た』事になっている」
「ふん、世界の修正力ってヤツかもしれんな」
輸送機がゆっくりと動き出す
「ダールトン、もう大丈夫だ乗り込め!」
「イエス、ユア・ハイネス」
最後までKMFで周囲の警戒を続けていたダールトン将軍は、後方ハッチを空けたまま滑走を始めた輸送機に併走する。
「急げ早く乗れダールトン!」
自動操縦で併走を続けるようセットするとコクピットから乗り出し、輸送機へと伸ばした手を伝っていく
「とう!」
輸送機に向けジャンプするが、わずかに届かない この速度では間違い無くミンチのケチャップ漬けとなってしまうだろう
それを見ていた誰もが絶望したその時、輸送機から伸びた手が彼の手をつかむ
「ご無事ですかダールトン将軍」
「ジェレミア卿!」
そのまま輸送機はハッチを閉じ加速を開始する
「そういえば聞いてなかったが、その男の名は?」
「狼虎滅却 快刀乱麻ァ!」
振り下ろされた刃を彼は、ナイトオブテンことルキアーノ・ブラッドリーは一歩下がり、かわす
「この人殺しの天才をその程度の腕でしとめようなどやはり所詮猿でしかないようですね!」
そのままもう数歩、右と左に下がり間合いを取ろうとする
右と・・・・・・左?
その瞬間『ブリタニアの吸血鬼』は自分が頭頂部から股間まで、体の中心線から右と左に愛機ごと切り分けられているのを理解した
「馬鹿な!この猿が猿が猿が猿猿猿ゥ!」
696 :ぽち:2013/03/20(水) 02:29:45
「す、凄い・・・・・・名前なんていうんだ?」
傍らで自分に銃を突きつける少年兵に問うてみる
「僕は枢木スザク」
「アンタの名前なんか聞いてないよ!今ルキアーノを倒した白い機体のデヴァイザーを聞いてるんだ!」
(あー、こりゃナンギなことになりそうだな まあナンギかますのは師匠だからいいか)
「あの人の名は大神一郎っていうんですよ」
「オオガミイチロウかぁ・・・・・・」
「ちなみに『彼ら』の欠点としては『とある特定の状況で体が勝手に動いてしまう』こと」
「なんだそれは」
「そしてこれは欠点といっていいのかわかりませんが『珍妙な女性をひきつける』特技を持っています」
「?」
「様々な方面で極めて優れた能力を持つ女性が何故か彼らに惚れてしまうのです
腕の立つ剣士や武道家だったり優れた科学者や技術者だった・・・・・・殺し屋だったり
そんな女性たちに共通するのがまず大抵極めて美人であり、そして難儀な性格であることです」
「それはまた困ったものだな まあ俺に迷惑がかからなければかまわんが」
輸送機の窓からコーネリアはルキアーノのパーシヴァルが撃破され、機体を破壊されたノネットが15,6くらいの日本兵に銃を突きつけられているのを見た。
「覚えていろ白いKMFのデヴァイザーよ
貴様の顔も名前も知らんがモニターごしに貴様の身のこなしは覚えた
スピーカー越しに貴様の声は覚えた
操縦桿越しに貴様の太刀筋は覚えた
忘れんぞ 決して忘れてなるものか・・・・・・・・・・・」
「ちなみになにか『強い運命』とやらででも結ばれてるんでしょうかね
大神一郎氏の場合18名、もう一人の大河新次郎氏の場合七名ほど
生まれ変わっても『追ってくる』というか『必ず偶然出会う』女性が居たりします」
「ふん、つまりのその二人はかたや『最低』20人前後、かたや『少なくとも』10人近くの妾を囲うということか」
「彼らが嫌がっても女性の側が無理矢理そうしてしまうという点で少々弁護の余地があるのですが」
最終更新:2013年04月07日 11:02