771 :二二三:2013/03/22(金) 15:54:23
じゃあクロスもの~
単なるネタ~
休日氏のモニカルート前提です~
クロス物
モニカは1ヶ月前、愛機フリーダムを整備に出した
最先端をぶっちぎっている第九世代機ともなれば整備できる国や施設は限られている。世界を見渡しても祖国ブリタニアか同盟国であり第二の故郷ともなった日本くらいだ
だが完璧を求めるなら日本一国に、それも彼女の専用機開発チームだけになる
つまりいま彼女の愛機は先進技術の研究をしている倉崎の、正確にはKMF開発主任の手の内にあった
その主任の手に渡ってから今日で1ヶ月になる
「長い……故障も不具合もないのに整備点検で1ヶ月もかかるの?」
不安になってきた、またフリーダムになにかされているのではないか?
まあわからないでもない。なにせ開発主任には前科がありすぎるのだ
「あの…」
「はっ、如何なさいましたか?」
どうしても気になったモニカは執務室で彼女の仕事を補佐している、トゥエルブ親衛隊副官に時間が空かないかと聞いてみた
「閣下のお時間ですか?」
「はい……その、そんなに長くなくていいのですが、できれば二時間くらい」
「二時間は充分長いと思われますが」
「あ、では一時間半で」
「閣下、昼休みではないのですから自重してください……というか昼休みより長いでしょう?」
基本的に昼休みは一時間、公館なのだから時間には正確を期すわけでそれ以上でも以下でもない。私用で一時間半も職場を離れるとなれば余程の事情がないと許可をもらえない
だが倉崎の研究所まで行って帰ってくるのを考慮すれば一時間半は欲しかった
「お願いします、どうしても気になることがあって仕事が手につきません」
実際彼女にしては仕事が捗ってないのは副官も気が付いていた
「どういう事情があるのですかな?」
「えっと、1ヶ月に私のフリーダムを整備に出したのはあなたもご存知ですよね?」
「ええまあ」
1ヶ月経ったいまも連絡がない。今まで何度か専用機に変な改造を施されたことがある。電話では不安なので直接確認にいきたい
等々理由を話した
「わかりました、では一時間半だけですよ」
理由を聞いた副官は一応私用での休憩を認めてくれた
気になって仕事にならないというなら心配事をなくさせた方がいいと判断したのである
「ありがとうございます」
「ただし遅れた場合、閣下には居残り作業してもらいますよ。おとがめなしでは下に示しが付きませんので」
「それは重々承知しています」
「では行ってらっしゃいませ」
772 :二二三:2013/03/22(金) 15:55:42
倉崎研究所
「主任、いいんですかこんなのを無断で取り付けて」
「大丈夫だ、モニカさんは僕という人間をわかっているからね。それにコレ、開発したはいいけど機体スペック的に第九世代機でしか運用できないからね、あいにく第九世代機はこのフリーダムだけだし」
主任が整備に時間をかけていたのはフリーダム用の新兵器を取り付けたり調整したりしていたからである。それもモニカに無断で
漸く完成をみたので今日にでも彼女に連絡を入れようと思っていたところだ
といった感じの主任の元へ黄緑色のマントを着用した女性がやってきた
「お?噂をすればなんとやらだな」
「主任さん、ごきげんよう」
「ごきげんようモニカさん、いま連絡を入れようと思っていたんですよ」
「それでは整備が終わったのですか?」
「もちろんです、整備も"取り付けも"終わりました」
「と、取り付け?!やっぱり、やっぱり変な改造をしていたのですね!!」
「失敬な!フリーダムを強化していたんです!それを変な改造とは……心外ですね」
「余計なことしないでください!」
また勝手にフリーダムを改造した主任に抗議したモニカはフリーダムの腕に連装式の砲身が付いているのを確認した
あれが取り付けた物なんだろう。見た感じスーパーヴァリスの砲身を短くしてサイズも小型化したような物であった
「………なんですか、あれ?」
恐る恐る聞いてみると「まずは……乗れ」などと言ってきた
「乗れって、パイロットスーツ持ってませんよ?」
「あれを撃ってもらうだけですから、そのままの服装で騎乗すればいいんです」
確かに操縦しないならパイロットスーツは必要ないだろう
言われるがままというのが癪にさわったが、あれがどういう物か確認しないと不安でならないモニカはマントを脱ぐと騎士服のままフリーダムに乗り込んだ
〔さあモニカさん、右腕を前方に向けてください〕
レバーを操作してフリーダムの右腕を前に向けた、ちょうど前方には分厚い装甲板が鎮座している
厚みからして戦艦の装甲に使われるような鉄板だ
「なにあれ?」
〔あれが標的ですよ〕
あれが標的?
「あんなのハドロンモードにしたスーパーヴァリスでしか破壊できませんよ?」
KMFで戦艦の装甲を貫こうなんて並大抵のことじゃない
しかし主任は「だ~いじょ~ぶ!」と自信満々でそのままレバーに付いているボタンを押せと指示してきた
「これを押せばいいのですね?」
〔そうです〕
言われるままに押してみる
すると……フリーダムの右腕についた連装砲身が光輝き、轟音を発しながら青と赤、二本の光線が螺旋状に絡まりながら前方に向かって射ち出された
「な、なにこれッ?!」
物凄い勢いで射ち出された青と赤の螺旋状光線は鎮座する装甲板にぶつかると、まるでプリンのように貫通させてしまった
モニカはその圧倒的な貫通力を見て呆然とする
〔フッフッフッ、これぞフリーダムの新たな秘密兵器クロスマッシャー!見ろ!装甲板が紙のようだァァ!〕
大喜びの主任に、よくわからないがまたトンデモ兵器を装備されてしまったことだけは理解したモニカであった
最終更新:2013年04月07日 11:14