436 :Monolith兵:2013/04/15(月) 19:01:08
※この作品にはTSネタが含まれています。ご注意ください。

ネタSS「俺の妹が○○○のわけがない!」 閑話

 東京都内にある雑居ビルの一室で、20人ほどの男女が集まり会議を行っていた。部屋はカーテンが締め切られ、スクリーンにはプロジェクターで画像や文字が映し出されていた。

「…このように、当初の予定とは違いましたが、目的を達成したことを報告します。」

 スクリーンに映った新垣母娘と京介の写真をレーザーポインターで指しながら、プレゼンを行っていた女性は話を終えた。そして、一礼した後拍手が室内を包み込んだ。

「これでわれわれの悲願も達成できる!」

「ああ!俺妹の世界の修羅場がこの目で見ることができるとは、素晴らしい!?」

 プレゼンを行っていた女性は、まだ幼さの残った声で「ありがとうございます。」と再び一礼した。

「しかし、高坂桐乃が転生者だとわかり、更に京介までもが転生者だと知った時のことを考えると、感無量ですな。」

「然り。これで黒猫VSあやせを見ることがきるなど、原作以上の展開じゃないか!」

 しかし、賞賛が続く中で一人の壮年男性は不機嫌な顔でスクリーンを見ていた。それに気づいた女性は彼に声を掛けた。

「新垣議員、何か心配事でも?それともあやせが京介にとられて辛いのですか?」

 ニヤニヤとした笑みを浮かべた彼女は彼に皮肉を言ったが、彼の答えは違った。

「いや、嶋田さん、いえ京介君にならあやせを任せられる。それは間違いない。しかし、俺妹は京介と桐乃を主軸とした物語であったはずだ。であるのに、あやせは桐乃とのいさかいが起きていない。それのみならず、京介と桐乃の微妙な関係すら存在しない、と言うことに少し物足りなさを感じていただけです。」

 その言葉を聞いた会議の出席者の反応はさまざまだった。「まだ言ってるよ。」とか、「そのとおりだ。」や「中の人が嶋田さんと辻さんでラブコメれと?」などと言ったものである。しかし、中にはぶっ飛んだものもいるわけで。

「メインヒロインがTSで妹で前世からの付き合いなんて素晴らしいじゃないか!!」

 などと大声で主張する輩もいた。

「中身が爺同士の絡みとかないわ。」

「確かにそれだけ聞けば・・・、しかし中身があの辻だぞ?」

「おいおい、重要なのは妹だと言うことじゃないか。」

 もはや室内の雰囲気は一変した。こうなればもう話をまとめるのは難しそうだと考えていた少女、高坂桐乃であったが、新垣議員の一喝によって室内は平穏を取り戻した。

「現在の各ヒロインたちはまだそれほど交流を持っていない。そこで、桐乃君には各ヒロイン間の仲を取り持ってもらいたい。」

 それには一同が頷いた。そうしないと面白くない。

「そして、桐乃君にも京介争奪戦に参加してもらいたい。」

 その提案を彼が言ったとたん怒号があがった。

「辻ーん相手に恋愛感情を持てる人間がどこにいる!」

「相手はあの魔王だぞ!?」

「そもそも嶋d、いや京介君もそれを知ってるのだから不可能だ!!」

 全てが否定的な発言であったが、新垣議員は平然としていた。

「別に本気になれと入っていない。これまでは周りにブラコンの演技をしていたが、これからはブラコンをこじらせて恋愛感情を持ったかのように演技すればいいのだ。そう、各ヒロインたちの前でな。そうすれば嫉妬に駆られた彼女たちは…。後はわかるだろう?」

 その話に会議室は一瞬にして静寂を取り戻した。そして、次々と賛成の声が上がっていった。

「と言うわけだ。宜しくお願いするよ、高坂桐乃君。」

 桐乃は会議室にいる人間全てからの視線を受け、諦めたかのように溜息をつき一つ頷いた後、「解りました。」と答えた。
 そして、「これにて会議をお去りたいと思います。」と桐乃が言った後、全員が立ち上がり声を張り上げた。

「「「今こそ原点に立ち戻ろう!お嬢様学校万歳!ラブコメ万歳!」」」

 そしてひときわ大きな声で合唱した。

「「「すべてはMMJのために!」」」

 そして、京介をめぐる恋愛バトルは過激なものになることが決定した。

おわり

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最終更新:2013年05月12日 22:17