749 :taka:2013/05/01(水) 10:45:16
『全く人使いの荒いつz……船主だ。我々だけで船の燃料を取りにいけとは……』
『君の元同僚だろう、君がなんとかすればよかったのではないか?』
『伍長殿、彼を説得できるには我らが債権者であることを脱しなければならんだろう。
彼の船に助けられた以上、彼の要求にこたえねばこれ以上先へは進めんしな』
『もっちゃもっちゃ……魔王マジ怖い。ナポリタンうめぇ!!』
こいつらの会話どうにかならんかなぁと、ネトゲをプレイ中のダルは考える。
上の階の住人が作った改造コードで原作の生存者を変更したらしいのだが……。
なんで現代の東海岸の街を、日本の海軍大将とドイツの独裁者とイタリアの首領とイギリスの貴族が感染者と戦うハメになってるのかと。
最初プレイしたときマイクで「なんでこのメンバーなんだ説明kwsk」と聞いたところ、
「脳内のもう一人の私がこうしろと叫んでるのだいあいあはすた」との返答が来た。
よもや盟友の一人の脳髄がアザートス、外宇宙の住人の声が聞こえるとはとダルは戦慄した。
取り合えずこの件に関しては回答を求めることに永久の保留を決定した。
たとえ相手がロリな魔導書や貧乳アホ毛娘だったら……考えなくもない。
二次嫁を愛しいつか彼女が画面の向こうから出てくることを夢見るダルであった。
『このガススタンドは空だ。ディーゼルがハイってない』
『全く何たる不首尾だアメリカ人どもめ、非常事態であればこそ燃料の備蓄は徹底すべきだというのに!
我がゲルマン民族であれば(以下略』
『殖民地人どもは大雑把だからな……』
『この奥の精糖工場の向こう側にもう一つガススタンドがあるみたいだな……サトウキビうめぇ!!』
適当に迫り来る感染者達を追い払いながら、精糖工場の内部を進む。
このマップは同じマップを往復する為、セーフルームや途中に配置してあるアイテムや武器の使用タイミングを考えなければならない。
現在このキャンペーンに参加している四人は、アイテムの使用の傾向で著しく差異があると言ってもいい。
勢いとノリに任せているダルと上の天才白衣は浪費の傾向が激しく、フランスの企業社長や自宅で参加しているらしいオカリンは慎重で計画的にアイテムを使う。
まぁ、オカリンの場合テンションや他のプレイヤーの煽りに乗り易い為、真に慎重なのはフランス人社長だけなのだが。
『くぁwせdrftgyふじこlp』
『おい、ムッソリーニがスモーカーに吊り上げられたぞ!!』
『全く手間のかかる男だ!(チェーンソーで切断』
『しかし、彼は何故何時も足から吊り上げられるのだ……?』
ビルの壁面に危うく逆さづりにされかけたハゲ男がひげ伍長のチェーンソー攻撃で地面へ落ちる。
『なんか、吊り上げられるといやな感じがするんだなぁ……ガソリンスタンドだけに』
そういえばこの人の最後ってこんな感じだったっけ?と胡乱気な記憶をダルは探ったが直ぐにやめた。
あちこちをうろつく泣き女たちを必死に回避しなければならないからだ。
さすがにアレが相手ではイタリア人の男と言えど、声をかけるのは嫌らしい。
漸くスタンドについてディーゼルガソリンが入ったジェリカンを背負う彼らはやはりブツブツ文句を言い合っている。
『しっかし、重いなぁ……一雨振りそうだし酷い帰り道になりそうだ』
『ふん、伝令兵だった頃によく荷物を運ばされたからこれしき……ぐぅ、大丈夫だ』
『爵位をもつ私が荷物担ぎとは世も末だ。いや、もはやこの世界は黙示録か』
『帰りにバーガーショップによろうぜ。濃厚なケチャップが俺を待っている』
『いい加減黙れこのパスタ野郎』
しかし、このゲームの
登場人物って変に生々しくて会話のパターンが多すぎるような気がする。
ゲームをしながら、ダルは首をかしげていた。
その違和感が何であるかは、改造コードを作った天災白衣だけが知っているのかもしれない……。
『ブーマー……いや、あれはウチの国家元帥か!? なんでこんなところに……あっ?!』
ボーン!
『デブのモルヒネ元帥が死んだ!!』
『『『この人でなし!!』』』
やおい
750 :taka:2013/05/01(水) 11:00:38
改造コード、各キャラの固有武器
嶋田:元帥佩刀または昭五式小銃
ヒトラー:ワルサーPPKまたは電動鋸
ハリフォックス:紳士用ステッキ(中に鉛入り)またはステン短機関銃
ムッソリーニ:ナポリタン作る時用のフライパンまたはM35型手榴弾(20%の確率で自爆
最終更新:2013年05月12日 23:04