319 :New ◆QTlJyklQpI:2013/05/19(日) 12:06:32
※マブラヴオルタネイティブとのクロスです。
※オリジナル設定なども多分に入っております。


1967年、国際恒久月面基地「プラトー1」の地質探査チームが、サクロボスコクレーターを調査中に消息を絶つ。
これが人類に敵対的な地球外起源生命、通称BETAと人類との長い戦争、BETA大戦の幕開けであることを”一部の者たち”
以外は未だに知らないでいた。


ネタSS ~日本帝国はBETA大戦を戦います~


                  • 6年後


「流石Zerg戦術と言ったところか」
「正確無比な光線級に膨大な物量、それに長躯侵攻能力・・・・厄介どころじゃない」
「この規模で進撃されるとなるとすぐに防衛線はズタズタだろうな」

1973年、日本帝国の首都、京都の一室で夢幻会メンバーは蛇の道は蛇とばかりに秘かに入手した
中国新疆ウイグル自治区カシュガルでの戦闘データを見ていた。

粗い画質の映像に映し出されているのはカシュガルに落下する物体、奇妙な形状の構造物、ハイヴ。
そして、それを建造した張本人であるBETAと中華人民解放軍との戦闘記録。
最初こそ威風堂々と火事場泥棒(中国以外の他国視点)に走り、BETAを撃破する中国軍の映像が映し出されていた。
だがハイヴ付近から伸びた光線に航空戦力が次々に撃ち落とされ、ハイヴ内より出現した大量のBETA群の
物量攻撃に人海戦術で知られた人民解放軍が文字通り飲まれていく様が断末魔の通信内容と共に
流され、途絶えると一同の顔色は見る見る内に青ざめていった。

「・・・・米ソの動きは?」
「早速戦力を失った中国はソ連に共同作戦を打診してますが米国の派兵には拒否を貫いてます」
「まだ技術独占を狙っているのか?あれほどの損害を受けてるというのに?」
「いざとなれば核攻撃すればいいと思っているのでしょう。それに、この作戦が失敗しようがしまいが目の上の瘤である
極東ソ連軍の弱体化も出来る、とでも考えたのでは?」
「・・・・まさに原作通りの世界というわけだな」

1944年、何とか先代の夢幻会と日本軍(特に斯衛軍)の奮闘により日米戦争を何とか”引き分け”に持ち込んだ日本帝国。
その後は、米ソのイデオロギー対立により米国の最重要同盟国となりながらも実質的な第三勢力と目されつつ、
国力の増強や技術開発を行ってきた。とはいえ、あの宇宙レベルの物量チートは出来うるなら
水際で食い止めたいという夢幻会の願いも虚しく、数々の対策も空振りに終わり、
これから始まるだろう人類史上最悪の血みどろの戦いに備えなければならなかった。

「嘆いても後の祭りだな。戦備の方は?」
「※パワーローダーを軍事用に改修した機体は72式機械化歩兵装甲として配備中です。速度や運動性は今一つですが
堅牢で扱いやすい分、運用側からは高い評価が来ています」
「航空宇宙軍のほうは米軍と共同で軌道爆撃の最終試験中、少なくともカナダへの着陸ユニット降下時には使用可能かと」
「例の機体の方は?」
「ノースロックと倉崎の技術陣のおかげで一定コスト内で開発完了。生産ラインも稼働し始めています」
「撃震より先に配備することとなるとはな・・・」
「撃震=F-4は元々宇宙用の大型MMU(船外活動ユニット)を1G下で使用できるようにした機体ですからね。
最初から地上運用を前提に開発した機体が早いのは当然かと」
「コストも安いから原作のように初期の戦術機不足を補うには十分、欧州にも売れるでしょう」
「パイロット、いや日本初の衛士として嶋田君には頑張ってもらいたいな」

その頃、独特のパイロットスーツ(※ガサ●キ風)に身を包んだ青年が目の前に聳える戦術機、
原作のF-5に近い形状のそれを前に黄昏ていた。

「俺は・・・・どうして・・・こんな所へ来てしまったんだろう・・・」
「何時でも準備OKだ!さっさと乗りたまえ嶋田君!怨むなら衛士適性ダントツトップの己を怨みたまえ!」
「倉崎社長・・・・・うう・・・・・泣くぞ、畜生・・・!」

戦後に生まれたと知って、ようやく仕事漬けの生活から解放されると喝采を叫んだ少年時代。そう思った矢先に辻との遭遇、
及び切実なお願いと共に招待(と言う名の拉致)。そして最早呪われてるとしか言えない高い衛士適性にノースロックと倉崎
が共同開発した※73式戦術歩行戦闘機”暁”の開発衛士としてこき使われ、肉体労働と書類整理をこなしていた。

「糞!絶対前線には行かんぞ!絶ッッッッ対昇進して地獄のBETA戦なんてやらないからな!」

そう叫びながら管制ユニットに搭乗するべく足を進める嶋田。
彼の願い(あるいはフラグ)をも飲み込み、長きにわたる戦いが始まろうとしていた。

320 :New ◆QTlJyklQpI:2013/05/19(日) 12:07:25
※パワーローダー
エイリア●2に出てくるアレ。人型重機と言えるものでハサミ型のマニピュレーターを標準装備しているがショベルや
溶接機など容易に変更できる。これを元に装甲を施し、背部に弾薬を積載、両腕を12.7mm機銃とグレネードランチャー
に変更したタイプ(マトリックスのAPUみたいなのを想像)が72式機械化歩兵装甲として配備されている。
油圧で駆動するので動作は遅く、歩行速度も遅いが極めて堅牢で扱いやすいため軍民両用で使用されている。

※ガサ●キ風パイロットスーツ
衛士強化装備の先駆けといえるスーツ。設計時にはエヴァタイプ・ウォ―ドレスタイプなど様々なデザインが乱立していたが
原作に近いとして採用。顔面の損傷を抑えるためバイザー型の防護パーツが常備されている。

※73式戦術歩行戦闘機”暁”
倉崎とノースロック社が開発した戦術歩行戦闘機。
T-38タロンの設計を基に機体を大型化、形状変更が行われ、跳躍ユニット・主機は倉崎製に変更されている。
頭部はセンサーマストを大型化し前腕部外縁、膝部装甲ブロックから下腿部前縁にスーパーカーボン製ブレードを装備する。
胸部のコックピットハッチ下部に対戦車級を意識した旋回機銃を装備(KMFの対人機銃を想像)。
主機や跳躍ユニットの出力共にF-4には及ばないものの装甲を主要部限定にし、ブレードを使用した空力的制御など
第2、第3世代を意識した設計をしている。名前は日本の駆逐艦名より使用。

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最終更新:2013年05月29日 22:00