170 :Monolith兵:2013/07/01(月) 22:29:32
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※同性愛の描写がありますが、女装趣味、ゲイ、性同一性障害者を貶めようという気持ちは一切ありません。ご了承ください。

ネタSS「俺の妹が○○○なわけがない!」没ネタ3

「俺の元カノが通い妻を・・・」


 京介が高坂家から出て一人暮らしをはじめて1週間がたった。この1週間はなんとも忙しく胃が痛くなる時間だった。
 京介が入居した部屋の隣に、実は新垣母娘がおり彼女たちに食事など世話をしてもらっていた。これは、京介自身だけで無く新垣母娘も好きでやってきたことなので不満は無かった。また、その一環としてあやせに掃除や洗濯などの世話をしてもらったりなど、京介が勉強に打ち込める環境を作ることが出来大いに助かっていた。
 そんな今日、京介の元カノである五更瑠璃が京介の部屋を訪ねてきた。彼女は京介を振り、京介も彼女を振り恋人関係は終わったはずだった。だが、まだ彼女には未練があるのか以前から高坂家に出入りしており、京介の部屋にも尋ねてきたのだ。しかし、あやせが黒猫の来訪に対応した為に事態はややこしくなった。
 未練のある元カノと気になる異性の家で生活の世話をしている美少女とが出会ったのだ。それはもう盛大な女の戦いが繰り広げられた。
 それに懲りたのか、黒猫はあやせがいない時間を狙って京介の部屋を尋ねるようになった。
 これははそんなある日の出来事である。


「すまないな度々。」

「いいえ。私が好きでやってることだから。」

 今日も黒猫は京介の部屋へとやってきていた。土産として彼女は夜食として食べてほしいと、手料理を持ってきていた。京介は黒猫の昔ながらの味付けの料理が好きで、彼女が差し入れを持ってきてくれるたびに喜んでいた。

「でも、無理はしないでくれよ。」

「無理なんかしてないわよ。」

 そして笑いあう2人だった。確かに恋人関係は解消したが、親しい仲であることは間違いないのだ。一般のカップルでは破局すればその付き合いは難しいものとなるが、この2人には無関係なことのようであった。

 一頻り笑いあった2人は真顔に戻り一瞬の静寂が戻る。京介はそんな雰囲気の中、以前頭を掠めた疑問を黒猫に問いかけた。

「ところで、ラ・パルマ島でボタンを押したときはやっぱり『ヒャッハー!汚物は消毒だー!!』って叫んだんですか?」

「にわかが!そこは『俺のこの手(というか指)が唸って光る。勝利を掴めと轟き叫ぶ! 必殺エターナルフォースブリザード、発動承認!!』だ!今でも思い出せるぞ。あの時の・・・。」

 そこで京介からの白い視線を見て、すぐさま口を手で覆い口を閉じた。

「これは孔明の罠!」

「あなたの自爆でしょうに。」

 そしてため息をはく京介だった。以前の不安が現実になってしまい流石に落ち込んでしまう。付き合っていたころは、間違いなく京介にとって楽しく美しい日々だった。それが汚されてしまったのだ。

「あの日々は・・・。」

「違う!あの時はまだ俺はこの子に憑依していなかった。それだけは信じてほしい。」

 これまでも無く真剣な表情で叫ぶ黒猫もとい富永を見て、京介はそれを信じた。富永は確かに色々とアレだったが、進んで嘘や人を騙す事などはしなかった。それを京介を信じたかったのだ。

「そうか。彼女は確かに私を愛してくれていたのだな。」

「ああ。それは間違いない。」

 暫く静寂が続いた。かつて付き合っていた彼女が消えてしまったのは京介にとってとてつも無いショックだった。

「・・・五更瑠璃は俺と同化した。彼女の気持ちはまだ俺の中で生きている。」

「そうか。」

 京介はそう返事してから、ハッと黒猫の方を見た。とてつもなく嫌な考えが頭をよぎったのだ。

「あ、あなたは・・・。」

「前世で言ったことはなかったか?俺は両刀遣いなのだ。」

 何ということなのだろうか!富永は何と、邪気眼使いだけではなく両刀遣いだったのだ!

「あ、あ、あああ・・・。」

 あまりな事態に京介は腰が抜けてしまい、腕だけで黒猫から距離をとろうとした。だが、すぐさま狭い部屋の中、壁に突き当たることになってしまった。

「大丈夫だ。俺は処女だし、嶋田元帥貴方も童貞だろう。前世のことは忘れ今を楽しもうではないか!」

 そう言って舌なめずりをする黒猫は、これまでに見た誰よりも悪魔に見えた。

「クククッ。初物を食べれば寿命が延びるのだったな・・・。」

 そうして、京介は黒猫との仲を強制的に修復させられたのだった。


黒猫√HAPPYEND②

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最終更新:2013年09月04日 19:26