229 :Monolith兵:2013/07/09(火) 14:17:28
※この作品にはTS要素が含まれています。ご注意ください。

ネタSS[俺の妹が○○○なわけがない!] 外伝1
「あたしの願いが叶うわけが・・・」


 あたしの名前は高坂桐乃。自分で言うのもなんだけど、容姿端麗、文武両道で読モをやっているというスーパー中学生だ。この前など、あたしが書いた本が出版されてアニメ化まで行った。その話はおいおいするとして、あたしだって生まれつき才能に恵まれていたわけじゃない。全て努力の賜物である。
 そんなあたしには3コ年上の兄がいる。容姿は平凡だけど、学業は全国トップクラス、スポーツは水泳をしていて部活こそしていないけれど、市民大会で何度も優勝していたりする。小さい頃のあたしはそんな兄に憧れていて、追いつこうと必死に努力したのだ。

 でも、いくら努力しても兄に追いつくことは難しかった。当時のあたしが小学生だったというのもあるけど、勉強を頑張っても学級単位、スポーツを頑張ってもせいぜい学校単位。全国レベルの兄に追いつくには中学以降にならなければならなかった。
 そして中学生になって、これまでの努力が結んできた。勉強は学年1位で県5位まで上がった。スポーツも、陸上部に入って1年生ながら県の決勝まで行った。読者モデルにスカウトされ、モデルの仕事を始めたりもした。

 でも、兄はそんなあたしを引き離すかのように次々と結果を出していた。あたしは県トップクラスだけど兄は全国トップクラス。スポーツは中学生ならトップクラスだけど、兄は中学生の頃には大人と混じっての大会で優勝したり、一時は国体強化選手にという話もあった。
 そして、あたしはいつも兄と比較されて、一段下の扱いを受けることが多かった。両親は兄よりもあたしにかまってくれていたけど、学校の先生や近所の人は兄をよく褒めたけれど、あたしはそんな兄の前にかすんでしまったのだ。
 あたしはそんな兄が誇らしく、それと同じくらい妬ましく悲しかった。いつか兄に置いて行かれるのではないか。あの兄がそんなことをするわけが無いと今なら思うけど、当時のあたしは兄に追いつこうと必死だった。

 中学初の夏休みは部活にモデルの仕事にと忙しかった。兄も水泳大会や勉強と家にいる日はそう多くは無かった。あたしは部活に勉強にモデルにと頑張ったけど、無理がたたったのだろう、部活中に転んで軽い捻挫をしてしまった。暫く部活は休むことになり、モデルの仕事が無い日は暇になってしまった。兄はあたしの怪我を傷買ってくれ、色々と世話をしてくれたけど、あたしは努力をせずに暇をもてあます自分が嫌だった。

 そんなある日、テレビでとある神社の特集をしていた。その神社でお願い事をして叶った事が沢山あるというのだ。昔の偉い軍人さんの生まれた神社で、その人は忙しい中少しでも空いた時間を使ってこつこつと勉強をして、日本を勝利に導く為の戦略を編み出したという。他にも漫画やアニメの業界では神様扱いで、政治家、軍人の間でも軍神として今でも尊敬を集めているという。あたしも社会科の教科書で、大宰相などといわれていると習った覚えがあった。

 当時のあたしはかなり焦っていたのだろう。翌日東京へと行き、その神社へとお参りに行ったのだ。もちろんお願い事は決まっていた。

(兄に負けないくらいの立派な人になれますように。)

(兄に追いつけますように。)


 その日の夕方、家に入る前に一番星を見つけたあたしは神社で願ったことを再び願った。これが全ての始まりだったのだろう。


 翌朝、起きた時にはあたしは私になっていたのですよ、嶋田さん。



おわり

230 :Monolith兵:2013/07/09(火) 14:20:57
226-228
嬉しくて兄いちゃん頑張っちゃったよ。

今回のは色々と突っ込みどころの多い作品だと思いますが、頑張って脳内保管してください。
作中に出てきた神社はわかるよね?一番星はたいてい金星だということも解るよね?つまりはそういうことだよ。

教訓:お願い事をするときは、祭っている神様が本物かどうか確かめましょう。また、一番星の別称は覚えておこう。

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最終更新:2013年09月04日 19:32