207 :二二三:2013/05/24(金) 21:44:19
これは休日氏の宿敵(とも)時空を越えて
68氏の総統閣下と愉快な仲間たちinEUのインスパイア作品です
南朝鮮が沸いてるだけの話~
半島転移9
在韓米軍司令官が独自に動いて日本からの援助を取り付けるのに成功してから一週間が過ぎた頃、南朝鮮こと大韓民国ではある問題が噴出し始めていた
その問題とは先進文明国家として、また国民生活にも必要なディーゼルを始めとした石油燃料が手に入らないことであった
今のところある程度のエネルギーは残った原発の分で賄えているものの半数の原発が消滅した影響はやはり大きく、電力事情もこの短期間に悪化してきているのが現状であり早急な対策が必要となっていた
特に石油については産油国でもない韓国の場合、国内の備蓄分を使い果たせばそれっきりであるため、打開する為には他国からの援助が必要となる
しかしながら米軍情報で元の世界とよく似た異世界に国ごと転移してしまった韓国には、支援を求めるべき相手がいない
そこで背に腹は代えられぬと、例え世界が違っても自国固有の領土として認識している独島を奪った怨敵、大日本帝国と会談の席を設けたのが三日前
その日本、そしてブリタニアという聞いたこともない国との友好的接触を果たした米軍を仲介として行われた日・ブ・韓三者による会談で、
アメリカだけではなく我が国にも燃料・食糧・弾薬の補給など各種の援助をして頂きたいと申し出た韓国であったが、まず最初に日本から求められたのは謝罪という屈辱的なものであった
「なぜ我が国が貴国に対し謝罪しなければならないのだ!」
会議室に響く怒声は大韓民国外交通商相のもの
「貴国は世界転移という国難に見舞われ指揮系統が混乱していたとはいえ、我が国の領土である竹島に揚陸艦を接岸させて陸戦隊を上陸させたのですよ?
それもあろうことか竹島を自分たちの領土だと主張したのですから、理由はどうあれ、これは立派な侵略行為です。そのことについて謝罪して頂くのは当然の事かと」
日本側の担当者であるアジア大洋州局長は涼しげな表情を崩すことなく淡々と述べた
だが、韓国側としては引き下がれない。なにより日帝に謝罪するなどという朝鮮民族にとって耐え難い恥辱となる行為などできるわけがなかった
故に彼の返事がこうなったのも仕方がないと言えるだろう
「独島は韓国固有の領土だ!我が方が謝罪しなければならない事由など何一つない!」
「ほう、それは貴国の総意と受け取っても?」
「無論だ!我が国は領土ごと転移したのだからあの島が貴国の領土だったものと同一であるという保証はないだろう!」
「なるほど、確かにごもっともな意見だ。だがそれならば貴国の本土が転移してきた場所の近くに同じ島が現出していなければおかしい話になりますな?
半島が2つあるなら竹島も同様に2つなければおかしい」
「ぐっ!」
「そうではない以上、あの竹島は元々この世界に存在していたもの……。つまり我が大日本帝国の領土であるということです」
第二高麗が2つあるのに竹島は1つ。ならば韓国の言う独島は此方に転移してはいないということだ
そもそもが竹島は日本国の領土であるものを韓国が勝手に占拠していたに過ぎない。彼らはこの世界でも同じ調子でやろうとして、帝国海軍に蹴散らされていたのであった
いずれにせよ竹島が来ていない以上自国領というのが元からのでっち上げであり、この世界の竹島が元からある大日本帝国領竹島なのは疑う余地もない事実
そこを突かれた韓国外交通商相は口惜しげに唇を噛んでいる。世界は違えど日本相手の会談でこのような屈辱を受けたのは初めてであった
日本は強く出れば自らの非を認める国。それが半ば法則のようなものになっていたので、このような返しを受けるとは思ってもみなかったのである
208 :二二三:2013/05/24(金) 21:46:27
「ではご返答のほどを」
謝罪を迫る外交担当者に、しかし彼は謝罪しなかった
「この場で私個人の判断で謝罪するわけにはいかない……」
国に持ち帰らせて頂き改めて返答させて頂く。そう答えるので精一杯だった
しかしこれは誤りの選択であり返事であった。非が自国にあるとわかった時点でせめて彼が個人的にでも非礼を詫びるとでも言っておけば次の流れは防げていた筈なのだ
「わかりました。では此方も貴国の正当な見解と謝罪を持って、改めて各種支援についてどうするか考えさせて頂きます」
つまりは会談はこれで終わりだからさっさと帰れというわけだ
無論それは困るので、慌てて引き留めた彼は「貴国は五千万人もの人間が飢え死にしても構わないというのか!?」と吠えたのだが、返ってきたのは非情な言葉であった
「先ほどあなたは竹島への侵略行為を正当化し、それは貴国の総意かという私の質問に総意だとお答えされましたね?
であるならば現時点での韓国国民への我が国の認識は五千万人の泥棒です。なぜに税金を使ってまで泥棒を助ける必要があるというのですかな?」
話は終わりです。そう言って席を立つアジア大洋州局長に今度こそ何も言い返せなくなってしまった韓国外交通商相は、残されたもう1人の交渉相手に目を向けた
だが黄緑色のマントを着用した金髪の白人女性は無言で席を立つだけで一瞥さえしない
此方をまるで相手にしていないその態度に傷ついてしまったプライドが更にズタズタにされたような気になった彼は、会議室を出て行こうとする彼女に「貴国との交渉はまだですぞ!」と叫び引き止めた
すると足を止め外交通商相と視線を合わせた彼女は空の色を連想させる澄んだ碧い瞳で彼を射竦めながらブリタニア帝国としての意向を伝える
「………では単刀直入に申し上げます。我が神聖ブリタニア帝国は此度の大韓民国による大日本帝国への゛侵略行為゛について、大韓民国政府よりの正式な見解が示されるまで、一切の交渉には応じません」
「に、日本と我が国の問題はブリタニアには関係無いだろうっ!!」
その射抜くような厳しい視線に怯みながらも言葉を搾り出した外交通商相であったが、次の言葉に沈黙せざるを得なくなってしまった
「我が神聖ブリタニア帝国と大日本帝国の間には相互防衛同盟が結ばれています。つまり、日本を侵略した大韓民国は今の時点では゛敵国゛という扱いになるのです」
「て…てき…こく…?」
外交通商相はこの会談に先立ってアメリカよりある情報を聞かされていた。それは神聖ブリタニア帝国という国がどういった存在なのかというもの
神聖ブリタニア帝国とはこの世界で最大の超軍事大国であり、その国力はアメリカ合衆国の数倍にも達する怪物であるとレクチャーを受けていたのだ
支援を引き出すことができたらこれほど心強い存在はなかったが、同時に敵に回せば韓国の破滅を意味するような想像を絶する巨大帝政国家
そんな怪物から敵国認定を受けている。その事実は日本のアジア大洋州局長の態度に腸が煮えくり返っていた彼の心を一瞬にして凍り付かせてしまうに足る衝撃を与えていた
彼が迂闊だったのは、日本と揉めた時点でブリタニアが敵になるという事を想定していなかったこと
大日本帝国と神聖ブリタニア帝国の関係を日本国とアメリカ合衆国の関係と同じ様に考えてしまったことだ
竹島問題でアメリカが一定以上踏み込んでくることはない。ならば同じ様に竹島に上陸したくらいでブリタニアが踏み込んでくる筈がないと思い込んでいた
ところがふたを開けてみれば竹島を理由に韓国はブリタニアから敵国認定されてしまった
「私はこの問題について皇帝陛下より全権をお預かりしています。よって、私の言葉は皇帝陛下の言葉であり、ブリタニア臣民九億の言葉となります」
つまりはブリタニアの総意として大韓民国は敵であるとされたのだ
「もっとも世界転移という超常現象が発端となっておりますので戦争という手段は考えておりません。そして貴国にもこれ以上の侵略的意図はない御様子ですので」
「な、ならば!」
「ですが!………敵であるあなた方を援助する義理も謂われもございません」
「…っっ、」
「それでは失礼させて頂きます」
こうして日・ブ・韓の三者による会談はアメリカとは真逆の決裂という形で幕を閉じた
209 :二二三:2013/05/24(金) 21:48:32
大韓民国アメリカ軍基地
「交渉が決裂した!?」
在韓米軍司令官デビッド・ベイカーの下に入ったのは、日ブとの連絡を円滑なものにするためと日本より供与されていた、この世界の衛星電話を通じてもたらされた日本・ブリタニア・韓国による三者会談の結果であった
〔はい……。残念ながら日本・ブリタニア共に韓国政府の見解が述べられるまで今後一切韓国との交渉には応じないと〕
政府見解とは何のことかと一瞬疑問を抱いたが、韓国が何をしたかを思い出した彼はすぐに答えを導き出すことができた
「一応聞いておく。交渉決裂の要因は?」
〔…………先の韓国陸戦隊による竹島上陸に対し謝罪を求める日本側に回答した韓国外相通商相の不用意な発言が原因です〕
「なんと言ったのだ?」
〔その、独島は韓国固有の領土であるという例の主張に、それは大韓民国の総意かと質問された日本のアジア大洋州局長に対して外交通商相がYESと……〕
「………」
〔それを聞いた日本側はその場で会談を打ち切りました。外交通商相は同席されていたブリタニアのクルシェフスキー氏にも詰め寄っていましたが……現時点においては韓国は九億ブリタニアの敵であると〕
「……わかった。御苦労だったな」
〔いえ……それでは私も帰国します〕
「ああ、気をつけて帰ってこい」
通信を終えたベイカーはここ数日続く胃痛を抑えるため胃薬を飲む
健康に気を使い、司令部付きになってからも身体を鍛え続けて、病気や風邪など気合いで吹き飛ばしていたが、心労からくる胃痛だけはたった数日で我慢できないほどの痛みになっていた
全ては半島転移後の韓国政府のお粗末且つ軽率な行動が原因である
「閣下、今日はもうお休みになってください」
心配して休息を取るよう進言してくる部下であったが、休むわけにはいかない
「そうもいかんよ。こう、治安が悪化してきてはな……」
電力が不足し始め、あらゆる物資の輸入が途絶えたことに不安を抱き始めた一部の民衆が略奪・強姦などの犯罪行為に走り、韓国の治安が急速に悪化してきているのだ
「とにかく、行き場を失った邦人はできる限り保護しなければならん」
このような状況下で一番略奪・暴行の対象にされやすいのはアメリカ人を含む外国人や女性だ
各国の大使館には今それぞれの国の邦人たちや在韓外国人が押しかけている
別の世界に転移したとはどういうことか?
自分たちはこれからどうなるんだ?
大使館員にも答えを出せない質問があちこちの公館で飛び交っていた
無論在韓米軍基地に避難してきた者たちも同じだ
「しかし今の状況で食料支援・燃料弾薬支援を断られたとなると、奪いに行こうとするだろうな」
「東の朝鮮半島、いや高麗半島ですか?」
「ああ、韓国政府は未だに石油燃料が存在しないという話をデマだと考えているようだからな」
この世界は殆どの機械が電気を燃料として動いている。そう何度説明しても「航空機・船舶・自動車がどういった原理で動いているのか説明しろ」というだけで信じようとしないのである
「技術体系が違うのだから、原理など分かるはずがないというのに…!」
外部と交流できるようになれば理解するはずだとこの会談には期待していたのだが、頼りない同盟国はまたやってしまったのだ
「閣下、やはり日本・ブリタニアに庇護を求める以外に手はありません。韓国と高麗が戦争になるのは揚陸艦拿捕の件や領空侵犯による戦闘の対応を見ても明らかです」
両案件の韓国側。また高麗側の対応は「野蛮な猿」「蛮族」と双方共に罵りあって平行線を辿っていた
特に韓国側は高麗軍の装備がどうやら自国よりも劣り勝てると踏んだからか態度が大きくなっている
一方の高麗側は韓国の謝罪と賠償要求に知らぬ存ぜぬの態度を崩さない
「とにかくいまは各国大使館と連絡を密にしながら邦人保護に全力を尽くすんだ」
(もしも韓国側から手を出した場合、韓国には悪いが我がアメリカは米韓同盟の発動を見送り、独自行動をとらせて頂く)
いい加減で救いがたい外交ばかり行う愚かな連中に付き合って心中するつもりなど微塵もないベイカーは、痛みが走る腹を抑えながら、各所から入る情報に目を通し続けていた
210 :二二三:2013/05/24(金) 21:53:23
東京
「ただいま帰りました」
会談というより通告を終えて公館に戻り、報告書を作成して本国に送致したモニカは帰宅してすぐ夫に抱き付いた
「お帰り、どうだった会談は?」
「あれは会談ではなく通告ですよ。元よりブリタニアは大韓民国の要請に応じるつもりはありませんので」
ぎゅーと抱き付いて充電しているモニカは韓国外交通商相の不遜な態度を思い出して気分が悪くなった
「なぜあんなにふてぶてしい態度がとれるのでしょうか?」
(まあ、韓国だからな……)
「なんというか、あの日本なら援助して当然的な態度には怒りを覚えます」
どこか日本を見下していた外交通商相
支援を求めて助けをこう立場にありながら、侵略行為を働いたことに対して謝罪しないばかりか、またも竹島は自国領土と主張したばかりか、国民の総意とまで言い切る傲慢さ
日本という国が大好きであり、第2の故郷でもある彼女にはあの態度が非常に不愉快だった
「シゲタロウさん、私、あの外務大臣と目を合わせて話をしたのですが、少し言いたくなりました」
「何をだい?」
抱きついていた身体を離したモニカは夫の目を見てひとこと
゛こっち見んな゛
そして最後に心の清涼剤を求めて寝ている娘を抱き上げた
続く
最終更新:2013年09月06日 21:05