479 :二二三:2013/05/27(月) 03:33:36
おバカ系統な話
公式パラレル漫画のバーコードギアスとクロスしてみたラブコメ~



バーコードギアスとクロスラブコメ?





嶋田繁太郎
御年6X歳を迎える初老の男は敵状視察の為にある店を訪れていた

「いらっしゃいませ」

(この店はいつ来ても広いな)

都内の一等地に立つこの店は、土地の高さなど気にしないとばかりの広大な敷地面積と大手に相応しい従業員の数を誇る巨大スーパーの本店である
当然ながら優秀な専属警備員も多く独自の警備会社まで持っている、凡そ一スーパーとは思えぬほど万全の体制を整えているのであった

「何かお探しですか?」

ライバル会社の巨大さにボーっと考え込んでところを不審に思ったのか黄緑色のマントを着た金髪の女性が声をかけてきた

「い、いや、大丈夫、ひとりで探せるから気にしないでください」

敵状視察に来たと悟られるわけにはいかない
バレてつまみ出されたりマークされるような事があれば、副社長の辻にまた大量の書類整理を回されてしまうのだから
それも声をかけてきたこの二十歳くらいの警備員は業界でも有名なスーパーブリタニア警備部の頂点に立つ12人からなる特務部隊【ナイトオブラウンズ】のひとりだ
スーパーブリタニア傘下の大企業クルシェフスキー食品社長令嬢であり、ゆくゆくはクルシェフスキー食品の次期社長に就任することになるであろうモニカ・クルシェフスキー女史である

「遠慮なさらないでください。お客様の御案内も職務の内ですから」

彼女は自分で探せるから大丈夫と断るこちらに対し、ぴったりくっついて離れず案内しようとしてくる

(ひょっとしてバレてるのか?)

だとしたらマズい。せっかくの偵察が無駄になるばかりか、正体がバレたら今後の経営戦略にも支障を来してしまう
嶋田は長年にわたってブリタニアと業界トップの座を争う夢幻コーポレーションの元社長であり、現在は同社の会長顧問に就いていた
立場上バレてはマズいのだ

「それでは御案内させて頂きま「お待ちなさい」えっ?」

モニカを巻くにはどうすればいいのかと思いを巡らせていたとき、横合いから別の店員が声をかけてきた

「こ、これはユーフェミアお嬢様っ!」

ピンク色の髪にモニカより若干年下に見える女性であった

(ユっ、ユフィじゃないか!?)

声をかけてきたモニカとは別の女性はユーフェミア・リ・ブリタニアといって、ここスーパーブリタニアの社長令嬢であり、取締役の一人でもあった
因みにユフィは嶋田の顔も正体も知っている。実は彼女とはあるお休みの日の公園で偶然知り合ったのを切欠に意気投合、以降休みの日には時々会ってお茶を飲んでいる茶飲み友達なのだ

「その方の御案内はわたくしがさせて頂きますので、あなたは持ち場に戻りなさい」

そういってすぐ隣にきたユフィは嶋田の手を取った

480 :二二三:2013/05/27(月) 03:34:56

(お、おいユフィ)

(シーっ!大丈夫ですからシゲタロウはわたくしに合わせてください)

要はユフィが案内すると見せかけてこの場をやり過ごそうというのである
そんな茶飲み友達からの助け船に有り難いと手を握りしめた嶋田ではあったが

「……いいえ、この方の御案内は私が致します」

ひそひそと話し始めた二人を注視していたモニカに邪魔をされてしまった

「その必要はありません!」

せっかくの助け船を無にしようとするモニカにユフィは少し腹を立てながら語気を強めて拒否

「モニカさんこれは命令です。あなたは持ち場に戻りなさい」

「私に命令する事ができるのはシャルル社長だけです」

しかし今度はモニカの側から命令拒否をしてきた。如何にユフィが社長令嬢であり取締役だったとしても、警備部特務部隊ナイトオブラウンズは社長の命令以外拒否することができる特別な権限を持っているのである

「くっ、あなたには警備という任務があるでしょう!」

なのにどうして一人の客に拘るのかと問い質したくなるユフィであったが、逆にその態度が嶋田への不審を抱かせるかもしれないとの危惧からできないでいた
彼女には夢がある。二大スーパー「ブリタニア」と「夢幻コーポレーション」が手を取り合って業界再編して、店舗のつぶし合いを終わらせるという夢が
嶋田と二人でそれを成し遂げたいと考えていたのだ

(そしてルルーシュのコンビニ「ゼンブイレヴン」とも仲直りして業界の無用な争いを終わらせてみせる。シゲタロウと二人で力を合わせれば必ずやできます)

だからこそ、こんなところで躓くわけにはいかない



だが、実のところモニカにも引けない理由があった

こちらはユフィとは違い理由だ
いや、その一点はユフィが持っているものとも同じなので同じ理由といえば同じ理由なのかもしれない

481 :二二三:2013/05/27(月) 03:36:02

今日もあの人が来た
ここしばらくうちの店に通い詰めている名前も知らない老紳士

彼はいつも入り口で一度立ち止まり、店内を見渡してから奥に進む

それを毎日見ていた私は何度となく彼と目が合い微笑みかけられていた
たったそれだけのことなのに胸がドキドキする

私はクルシェフスキー食品社長の娘故か、幼い頃から愛想笑いや地位に目がくらんだ人の下心丸見えの笑いばかりで、本当の笑顔を向けられることがあまりなかった
だけどあの人はいつも優しい目で私を見つめて微笑みかけてくれる

今日もその笑顔を私にくれた彼。私だけに向けてくれるとばかり思っていた
だけど今日は違う
今日思い切って声をかけ、あの人に店内の案内をしようとしたとき、実家の親会社で私が勤めている業界最大手のスーパー、ブリタニアの社長令嬢ユーフェミア取締役に邪魔されてしまった
そのとき、あの人はユーフェミア取締役とひそひそ話をしたのである。それも凄く親しげに……

それを間近で見せられた私はイライラする気分を抑えることができずに、ユーフェミア取締役の命令をラウンズの権限で拒否した
なんだか嫌なのだ。ユーフェミア取締役があの人と親しくするのも、あの人と二人きりの時間を過ごすかもしれないことも

だから邪魔して睨みつけてしまった


彼を案内するのは私だ。いくらユーフェミア取締役が相手であるとはいってもこれだけは譲れない


ユフィとモニカ

それぞれ譲れない感情を胸にした二人はスーパーブリタニアの入り口付近でいつまでもにらみ合いを続けるのであった




ちょうど同じ頃、嶋田が西側入り口付近で女性警備員と取締役に足止めされたの報告を聞いた山本が東側出入り口から偵察に入ろうとしたが

「あっ、また来た!」

こちらも何度も偵察に伺う内に山本とは顔馴染みとなったスーパーブリタニア警備員。リーライナ・ヴェルガモンに足止めされてしまった

「またキミか」

「それはこっちのセリフよ。おじさんも懲りないわね」

「友のため、会社のため、退くわけにはいかんのでな」

「スパイしにきたのが分かってて見逃すと思う?」

「思わんな。だが、万引きや強盗でもないので追い返すことはできないぞ」

「マークすることくらいはできるわ。だから私は見張りをさせてもらうわね?」



その頃辻はというと

「二人とも完全にマークされましたか……これは偵察が難しくなりますね」

さすがはスーパーブリタニア。一筋縄は行かない

「ここはルルーシュくんのゼンブイレヴンと業務提携交渉を進めている村中さんが一段落したらいってもらうとしますか」

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最終更新:2013年09月06日 21:37