715 :パトラッシュ:2013/08/24(土) 08:35:13

earth様作『嗚呼、我ら地球防衛軍』と某作品のクロスオーバーのネタSSの勝手な続編PART19

大韓民国国家安全保障会議SIDE

「では、『地球連邦政府』代表部に情報源を確保したのですか?」
「はい、大統領。その人物は日本名を名乗っていますが在日同胞出身とのことで、わがエージェントとの接触に応じました」
「大丈夫なのかね、国家情報院長。その者の身元確認が不可能な以上、二重スパイの可能性もあるぞ」
「外交安全首席秘書官の指摘はもっともですが、今のところ他の国も代表部内に情報源を開拓した様子はありません。無条件に信用しない前提で、少しでも向こう側の状況を探れたらと考えます」
「この世界でも、すべての情報源が確実に信じられはしません。とりあえず充分でしょう。それで、どんな情報を得られたのです?」
「これまで地球連邦政府が行ってきた説明は、基本的に正しいようです。向こう側の地球は約十五年前から異星人ガミラスの侵略を受けて海は失われ、地表の大気も変質して人が住めなくなり人類の大半が滅亡した経緯は。しかも衝撃なのは、この戦争で向こう側の韓民族はほぼ絶滅したと……」
「ぜ、絶滅ですって?」
「なぜだ、世界一優秀な偉大なる韓民族が消え去るなど、あってはならないはずだ!」
「ガミラスは微小惑星を利用した遊星爆弾を、地球各地に大量に落としました。これに対し人類は地下都市を建設して避難しましたが、韓国は建設できなかったと……計画はあったが、一部の人間だけ生き延びるのに国家予算を使うのはけしからんと国会で紛糾したために。これに対して日本は早くから強引に多数の地下都市を造り続け、戦死者を除いて約八千万人を生き残らせるのに成功しました。しかもガミラス以外の異星人と接触して技術援助を受けて撃退作戦を主導したことが、地球連邦政府が日本人中心になった理由だと」
「で、では欧米や中国、ロシアは?」
「彼らは冷戦時代から、核攻撃に備えた地下防空壕を整備してきました。しかしガミラスの強力な遊星爆弾に耐えられるものではなく、日本ほど深深度に地下都市を建設できず、わずかしか生き残れなかったそうで――ソウルに遊星爆弾が落下後、亡命政権が中国の地下都市にあったが消滅したとのことです」
「アイゴー、神はわが民族を呪ったのか! よりにもよってウェノム(日本人の蔑称)に世界を牛耳らせるとは!」
「落ち着いてください、学長……それで向こう側の韓半島(朝鮮半島)の現況は?」
「地球環境は人が住めるまで回復したものの無人で放置された荒野がほとんどで、韓半島も同じだそうです」
「住む人もなく放棄された祖国ですか。ある意味、植民地より悲惨ですね……」
「だが地球連邦政府は回復の手は打っていないのかね?」
「それどころではないそうです。ガミラス戦役後も他の異星人による侵略が相次ぎ、銀河系内部でもガルマン帝国とボラー連邦という異星人の星間国家による戦争が続いており、いつ再び地球が戦場になってもおかしくないとか。そのため、少しでも人類の生存圏を宇宙に広げようというのが生き残った人類の総意だと、情報源が話していました」
「大統領、ここはぜひわが国が韓半島復活のため力を貸そうと申し出るべきです! わが国が資金と技術を出し、韓国人を移民させて韓半島を再開発したいと要求すれば断る理由はないはずだ」
「いや教授、そんな要求を出したら地球連邦は情報の出所を追及するだろう。せっかくの情報源を失ってしまう」
「しかし外務部長官、並行世界であれ偉大なる韓民族が死に絶えたのなら、その復活は我々の神聖な義務です。国民が知れば絶対に同じことを求めますし、自発的な移住希望者も多いでしょう。何よりもウェノムが支配する地球などという悪夢を終わらせなくては!」
「(これで向こう側の世界へ干渉できれば、韓国は世界への発言権を強められる……)ならばまず、人道上の主張を掲げて地球連邦に韓半島や韓民族の現状を知らせるよう求めましょう。そこから彼らとの外交交渉の道を開くのです」

※「防衛軍世界と遭遇して四苦八苦するIS世界首脳の物語」第一弾です。今後、折に触れて出します。次回は18禁執筆の前段階で15禁を書いてみようと思います。ただし一夏は出演しません。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年09月07日 22:32