141 :二二三:2013/06/24(月) 01:15:40

挑戦の尚人



「決戦の時がきたか」

都内某所のとある政党本部
薄暗い部屋で男は両の目を輝かせていた

大日本帝国第XX回衆議院総選挙


「皆さん!今この大日本帝国に必要なのはマイナス消費税です!世界でも類をみない豊かなサクラダイト資源国である日本は、その立場上サクラダイトのレートを決める国際会議において大きな発言力を持っております!
にも関わらず、今日のサクラダイトのレートは非常に低く、我が国はその採掘規模に見合わない収入しか得ておりません!
その国家国民の財産であるサクラダイトの安売りを現在進行形で行っているのが現与党であり、枢木総理なのであります!
我が日本公民党はこのレートを解消して財源を生み出すことによって、国民への還元、則ちマイナス消費税を導入し、国民生活の更なる向上の手助けとなることを約束いたします!」

「いいぞ剣!」

「国民生活の更なる向上を!」

代表演説に集まった群衆から湧き上がる。声、声、声

耳障りのいい言葉は、剣尚人の支持者たちを歓喜の渦に巻き込んでいく

「更に!現枢木政権はあろう事かユーロブリタニア勢力による欧州侵略に手を貸そうとしています!
無用な緊張状態を引き起こし、戦争を誘発させるような行為に勤しむ現枢木政権にこれ以上日本の憲政を任せておくことなどできません!
我が日本公民党は国民に戦争の道を歩ませはしない!
ユーロブリタニアの侵略主義には荷担しない!
NOと言える政治・外交を展開していきます!
平和を望む大日本帝国臣民の皆さん!
どうか!どうか我が日本公民党に清き一票を託してください!」



〔剣(けーん)!剣(けーん)!剣(けーん)!剣(けーん)!〕



演説の直後、都心の一角を剣コールが包み込み、怒号のように響き渡る

「我が公民党は常に皆さんと共に歩みます!我々は皆さんのトモダチです!家族です!」



それぞれの思いを胸に出陣する剣を初めとした公民党の幹部たち


「皆さん!ボクは必ずやこの争いの世界に終止符を打ちます!世界は!このボクが友愛する!モニカちゃんの心友であるこのボクを信じてください!」


「1人で駄目なら2人!2人で駄目なら3人!この大沢、二度と党を割るような事は致しません!剣代表・鳩川幹事長・そしてこの私、大沢のトロイカ体制に任せてください!この剛腕をもって必ずや皆さんの期待にお応えして見せます!」


しかし彼らの前に立ちふさがるはあまりに強大な勢力だった


「公民党の甘言などに惑わされてはなりません!今日の日本の発展は我々日本が唯一のパートナーとして共に歩む事を決め、手に手を取って助け合いながら生きてきた家族とも呼べる国、神聖ブリタニア帝国、そしてユーロブリタニアという友人たちの協力が有ったればこそなのです!
その友人であるユーロブリタニアを追い出し!金権政治と汚職に塗れてしまったEU!
彼らはそのEU国民の苦しみを思えばこそ立ち上がらんとしているのです!
それを頭ごなしに侵略と罵り敵視する彼ら公民党は、日本の信頼を地に落とそうとしている卑劣漢でしかありません!
弱者救済を掲げながら、自分がよければそれでいいとサクラダイトのレートを上げようとしていることこそ!彼らが真に貧しき人たちのことを考えていない何よりの証明ではないでしょうか!
サクラダイトの値上がりによって最も苦しむのは発展途上にある国々であり、サクラダイトの恩恵を受けられなくなった人々の生活は破綻します!
この世界は日本やブリタニアのような豊かな国ばかりではないのです!」


強敵たちを前に日本公民党は野党第1党の座を死守することができるのであろうか?

そして政権の行方は?


次回 真夏の激戦


剣尚人の戦いが、今、始まる

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年09月08日 15:27