372 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 スメラギ・コンツェルの事情:2013/08/14(水) 10:02:56
憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 スメラギ・コンツェルの事情
設定:休日世界
捏造設定あり
ガンダムネタあり
トゥ!へァ!様の応援SSあり
373 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 スメラギ・コンツェルの事情:2013/08/14(水) 10:03:59
ギアス世界の日本には、有名な重工業会社『スメラギ・コンツェル』がある。
日本開国から始まったこの企業は、当初は『株式会社・皇総合重工業』と呼ばれていた。
時代が進んで名前を改名したが、日本の主な産業の一つとして有名なのには変わらず。
軍需品を日本帝国軍に卸している会社の中でも最大手であり有名であった。
第一次・聖ブリタニア帝国太平洋戦争で引き分け(※1)られるくらいの技術力は保有する事に成功していたのは、ひとえに『スメラギ・コンツェル』の努力の結果であっただろう。
しかし、富士サクラダイト鉱脈を保有するお蔭で世界的な地位は上のままであった事、大国ブリタニアに引き分けたことによる国民の熱狂、特攻作戦で散った若い兵士を英雄として祭り上げたことによる精神主義の蔓延・・・これらの出来事により技術力の向上スピードが落ちたというのは、企業上層部に怠慢が蔓延していた事実であっただろう。
そんな時に出てきたのが新興企業『倉崎重工』であった。
当初は取るに足らない小さな工業企業だと思われていた。
確かに最初は民生品を取扱い、規模も小さかった。だが、その背後にある謎の集団が暗躍しなければの話であった。
転生者集団『
夢幻会』のメンバーは生まれた時期がずれている事、ブリタニアと言う
アメリカに変わる国家がある事を知ると「ギアス世界だ。ヒャッハァー!!」と叫ぶもの「ブリタニアが攻めてきたらやばいじゃん!!」などなど各々の反応を示し。
自分達が関わって改変してしまった憂鬱世界からの、『夢幻会』に関わった関係のない人物たちまで転生したことを知ると大急ぎでテコ入れを開始した。
又軍人になる者、企業家になる者、最初から政治家を目指す者・・・さまざまであったが、その芽は確かに発芽して成長していった。
特に著しかったのは『倉崎重工』である。
規模が数年で大きく拡大、更に政治世界に懇意する議員まで作る始末・・・はっきり言って異常な急成長であったのだが『スメラギ・コンツェル』はまだそれほど警戒していなかった。無理をして背伸びをしていると思っていたのだ。
未だに民生品の大半は自分達の子会社が作って業績を上げていたし、軍需品にまで手を伸ばすとは考えていなかったからだ。
油断と怠慢。
彼等はその代価を支払う事になる。
374 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 スメラギ・コンツェルの事情:2013/08/14(水) 10:04:29
最新戦車の技術で『スメラギ・コンツェル』の出品したのは、従来の戦車のバージョンアップで目新しいものはなかったのだが・・・『倉崎重工』が出してきたのは、“砲身をいちいち真っ直ぐにしないで再装填できる装置”であった。
更に次期主力戦闘機では苦戦していたステルス戦闘機をあっさり出してきた。
この技術力に『スメラギ・コンツェル』の開発陣は目を剥いた。
彼等からすれば、どうして実績もないのにできたのかまったくわからない。
しかし『倉崎重工』からすれば当然の結果だった。
なにせ前の世界では、望む、望まないにもかかわらず世界の頂点に立ってしまい、常に最新技術で身を守らなければならなかったのだからその研鑽がこの世界で生きているのだ。
しかも前の世界とは違い、時代が進んでいたおかげで(※2)開発がより楽に進んでいたのも原因だった。
しかしこの時の『倉崎重工』は、兵器関連の生産状況が整っていなかったために、相変わらず『スメラギ・コンツェル』が主流であることは変わりなかった。
『スメラギ・コンツェル』は安堵した。まだ自分達の土台は崩れていないと・・・
だが・・・のちにブリタニアから発表された『ナイト・メア・フレーム』・・・略称:KMFが根底から変えた。
当初は「あんな人型兵器なんて使えるのか?」「装甲が薄そうで弱そうだ」などと軍部からも疑問視された兵器であった。
その為、熱心に研究はされなかったのだが・・・その有用性を知っていた『夢幻会』と『倉崎重工』はこれらの技術に重点を置いて開発を進める決定を下した。
そして日本のKMF【無頼】完成と同時にコンペが開かれ、演習場に現れた二本足で歩くロボットに、その場にいた関係者はとりあえずその技術力を褒めた。
人間ではない機械に二足歩行させるというのは大変な労力が必要で、間借りにも支障なくすいすい進む【無頼】に惜しみない褒め言葉を上げるのは当然であった。
そして始まった主力戦車六両VS【無頼】三機。想定は市街地戦である。
先制したのは遠距離にいた戦車二両の砲撃だった。
軍人も、『スメラギ・コンツェル』関係者もこれで終わるか、たとえ避けても次で仕留められると思っていた。
広場中央にいた【無頼】が素早く散開するのは想定内、しかしそのスピードに目を見張った。
足で直接走っていくのではなく、ランドスピナーで大地を駆けるという事態に、戦車隊は戸惑い砲身をうまく照準できない。
照準出来た頃には物陰に隠れてしまっていたが、榴弾を放って追い出そうとした。が・・・
思わぬ方向から攻撃を受けて一両が大破した。
攻撃を受けたのは上から、建物上に【無頼】が立って此方にバズーカを向けていたのだ。
僚機がやられて慌てて下がるが、すぐさま照準されて撃破された。
弱点である直上を攻撃されて慌てない戦車はいない。通信を受けて、まだ接敵していない四両はすぐに慎重に移動し始めた。
しかし二両は角から強襲してきた【無頼】に反応できずにスラッシュハーケンと質量刀の攻撃を受けて擱座、その後にバズーカ持ちにやられた。
残る二両も建物内から奇襲で破壊判定を受けて負けた。
この結果に軍事関係者等は茫然とした。
375 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 スメラギ・コンツェルの事情:2013/08/14(水) 10:05:00
今回投入した戦車は一世代前のタイプだったとはいえ、ここまでワンサイドゲームで終わるとは思っていなかった。
その後の試験で【無頼】の活躍は驚きの連続であったが、KMFでも苦手とする地形や戦法がわかり、KMF万能論の封じ込めも兼ねたデモンストレーションは終わりを迎えた。
軍上層部(※3)はKMF導入を決定した。
最新戦車でも複数人必要なのに対し、KMFならば適正は必要だが一人で済む。
発展性も見込まれている為に、この計画は強く押し進められることになった。
このおかげで割を食ったのが『スメラギ・コンツェル』であった。
補助戦力として戦車は生き残ったが、受注量は減った。
更に『倉崎重工』が作るジェット戦闘機の性能が良いのが出てきて、この分野でも割を食うようになった。
「新時代に乗り遅れた『スメラギ・コンツェル』は衰退をはじめた」
このような事が言われてしまうくらいに『スメラギ・コンツェル』はその影響力を著しく落としていくようになってしまった。
慌てて始めたKMF研究であるが、優秀な技術者を殆ど『倉崎重工』に持って行かれてしまい。思うような研究が出来なかった。
『倉崎重工』が『ダガー・
シリーズ』を軍に納入し始め。自分達は訓練機として【無頼】を生産する傍らで、コツコツと研究を進めていった。
その努力が実りようやく『スメラギ・コンツェル』独自のKMF【紅蓮・零式】が完成した。
【紅蓮・零式】
形式番号:Type-00 分類:第五世代KMF
所属:大日本帝国 製造:スメラギ・コンツェル
生産形態:試作実験機
全高:4.51m 全備重量:6.22t
推進機関:高機走駆動輪(ランドスピナー)
武装:特殊鍛造合金製ナイフ×2 飛燕爪牙(スラッシュハーケン)×1 チャフ弾 or スモーク弾
乗員人数:1人
その出来のよさに関係者は満足していた。しかし・・・二回目のKMFコンペにて【紅蓮・零式】は惨敗してしまう。
接近戦はいい勝負に見えていたのだが、相手が素早く後ろに回った際に振り返る事が足の構造上大回りにならざるおえず。
更に足に攻撃を受けた時、想定外の圧力が加わったせいでへし折れてしまったのだ。
衝撃を受けたKMF開発チームは、改良してもう一度出品しようとしたのだがブリタニアとの同盟が『紅蓮・シリーズ』に止めを刺す事になった。
『紅蓮・シリーズ』のコクピットが共通規格に合わないバイクシート式であったのと、ロイド式フロートシステムの採用により『スメラギ・コンツェル』独自の規格は頓挫されることになった。
結果的に【紅蓮・壱式】は製造されたがコクピットを共通規格に改造し、武装などの試験運用に回されて、【紅蓮・弐式】(※4)は製造さえなかった。
開国以来続いていた繁栄が、後から出てきた若造にとってかわられる。
時代の流れならば仕方がないのかもしれない。
しかし・・・それでも社員を養わなければならない!路頭に迷わせてはいけない!
376 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 スメラギ・コンツェルの事情:2013/08/14(水) 10:05:30
決意を固めた『スメラギ・コンツェル』上層部は、何人かが自主的に引退して後任に新しい人材を入れた。
下でも積極的に意見を取り入れ、民生品に回せるKMF開発に力を入れて努力した。
この努力のお蔭で彼らは『倉崎重工』よりも先に民生KMFの受注と生産に成功している。
更に運が回ってきたのか、一つの会社に開発を任せてしまう事に危機感を抱いた政治家と軍部関係者のテコ入れにより、『倉崎重工』からはぶられているような状態だった二つの開発チームを受け入れられた。
その片割れが持ってきた機体に、スメラギの開発陣は興味が引かれた。
何でも可変機コンペで落ちた機体だというのだが・・・
その細い外見は、角張っているものの【紅蓮】を思い起こさせるものであった。
飛行させるために軽量化された機体【フラッグ】で、すでに旧式に分類される【紅蓮】よりも良い機体であったため、これを元に可変機構を除いて第七世代を目指して製作する事が決定された。
この決定は、移籍してきたチームの実力を見るためのモノでもあった。
【オーバー・フラッグ】和名:羽山【ハヤマ】
形式番号:SVMS-01-O 分類:第5.5世代KMF 外観モデル:OOガンダムのオーバー・フラッグ
所属:大日本帝国 製造:スメラギ・コンツェル
生産形態:試作実験機
全高:4.62m 全備重量:5.94t
推進機関:高機走駆動輪(ランドスピナー)
固定武装:特殊鍛造合金製ナイフ×2 スラッシュハーケン×2 チャフ弾 or スモーク弾
装備武装:試作リニアライフル 長刀型・廻転刃刀×1
乗員人数:1人
『スメラギ・コンツェル』に移籍したチームが制作した機体。
装甲が薄いという所は『紅蓮・シリーズ』と変わらない。その為か【和製:アレクサンダ】と言われてしまった。
しかしあちらとは違い可変しないので、各部の強度と装甲はこちらが上の機体となっている。
試作リニアライフル・・・『トライデント・ストライカー』は元々独自に試作していた銃であったが、のちにヴァリスに変更されている。
試験起動させて結果を見た開発陣は満足する結果を得た。
この時点で【ロングダガー】【デュエルダガー】に匹敵するほどの能力がある事がわかったからだ。
ならば『フラッグ・シリーズ』の制作をして量産機を制作・・・とはいかなかった。
既に『倉崎重工』が第七世代の量産機を目指して製作を開始していたし、いきなり違う系統の機体であると軍備に影響が出てしまう。
そこで視点を変えることとした。
量産機を作りたいのは変わらない、ならば売る相手を日本帝国軍ではなく別にすればいい。
大清連邦や高麗は論外、中華連邦には【無頼】のライセンス生産のみ許可されている。
となると国外で唯一商売相手として見られる相手はブリタニアぐらいであったが、その中にいるもう一つの勢力に接触を試みた。
接触を試みた相手は比較的良好であったが、どうも信用していないようであった。
今まで量産機、拠点防衛専用機すら作れていない会社からの接触だ。疑られても仕方がない。
しかし交渉の感触は悪くない。
377 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 スメラギ・コンツェルの事情:2013/08/14(水) 10:06:01
彼等ユーロブリタニア王侯貴族は、EUの向上した軍備力(※5)に悩んでおり、ブリタニア本国に第七世代配備を打診していたがまずは本国部隊に配備してからと言う無しの礫であった(※6)。
だからこそ『スメラギ・コンツェル』は売り込むことが出来ると判断していた。
開発陣は意向を受けてユーロブリタニア向けの量産機制作に入っていた。
【ジンクス】和名:陣羽【じんば】
分類:第六世代KMF 所属・製造:スメラギ・コンツェル 外見モデル:ガンダム00のジンクス
全高:4.68m 全備重量:7.01t
推進機関:ランドスピナー 簡易フロートシステム ランドローラー
固定武装:スラッシュハーケン×2 合金製クロー 対人機銃×2 スタン・トンファー(椀部固定)
装備武装:ヴァリスⅡ 手持ち式ハドロン砲 MVSソード×2(連結可能) 突撃ランス(ルミナスコーン搭載型も有り) 取り付け形ブレイズルミナス 等
乗員人数:1人搭乗人数:1人
本機は【ランスロット】と【ジャスティス】に対する対抗馬になるよう意識して作られて機体である。
ほぼ原形となった【ジンクス】を模した機体であった。開発された新技術と従来の技術が盛り込まれている。
スラッシュハーケンは従来と同じ場所。ファクトスフィアも頭部にあり、使用時は強化ガラス自体がスライドして突き出るようになっている。
盛り込まれた新技術は簡単なもので、ランドスピナーで移動している際に引きずる様にしていた足裏に二輪のローラーを仕込んだことと、腰から突き出た部分と、肩の部分からフロート力場発生機関から微弱な力場を発生させて、機体を半重力で浮せられるようにした事だろう。
結果従来の機体よりも速く移動できるようになり、ジャンプ力の上昇、力場を調整した旋回行動の補助、微妙な着地位置変更・少しの減速加速が可能となっている。
この簡易フロートシステムは飛行するためのモノではなく、機体を僅かに浮かせる機構であった。しかし、常時動かしている為にエネルギーをかなり食う装置となってしまった。
新たな試みとして指先が合金製クローとなっている。
たとえ無手になっても戦えるようになっているが、関節機関に負担がかかるので最終手段として考えられていたが、最終的にはオミットされることが決定された。
他にもヴァリスⅡは、高出力で撃てる様に改良した倉崎の単発式スーパーヴァリスとは違い、連射が可能となっている(射程距離が少し犠牲になっている)。
簡易フロートシステムのせいでエネルギーを食う機体となってしまった為に、ブレイズルミナスは固定装備ではなく装備品になっており、装備するパーツ自体にバッテリーが組み込まれていて本体のエネルギーを使わない方式になっている(突撃ランス・ルミナスコーン搭載型も同様)。しかしバッテリー自体が最長15分しか持たない為、時期量産機にはエネルギー効率を見直してコンパクトにしたのを考えている。
以上で試作機【ジンクス】はとりあえず完成していた。
見る問題点は数多く、しかし確実に採用される点を抑えて試作されていた。
そんな時、ユーロブリタニアの貴族がトライアルをしている場所に赴く事が判明した。
すでに【ランスロット・トライアル】【ストライク・トライアル】がその試験場で動いているという事聞きつけ、品定めに行くというのだ。
これは好機であると判断し、試作運用がまだだったが完成している機体を試験場に送り込むことを決定し、大急ぎで準備を行った。
準備が完了して一番早い便で送り出し、会社上層部は祈るような気持ちで・・・実際祈りをささげて送り出したのだった。
ブリタニアに到着しすぐに運搬、試験場について組み立てつつ動作チェックを行い、連日ハードスケジュールで確認を行った。
見学者が来るまで時間がない。派遣された社員全員が必死に動きつづけ、とうとう見学と言う名のコンペ当日になった。
378 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 スメラギ・コンツェルの事情:2013/08/14(水) 10:06:54
コンペ当日、担当者は目を向いた。
なにせヴェランス大公と四大騎士団長や、ユーロブリタニアのエースが勢ぞろいしていたのだから・・・
一瞬呆然としたが、自分に課せられたことを思い出し気合を入れなおす。
まず、最初に【ランスロット・トライアル】が紹介されその機動動作を見つめた。その表情はまさに真剣であり、隙などなかった。
続いて【ストライク・トライアル】も紹介され同じように動いた時も、その姿勢は変わらなかった。
確かにあの二機は良い機体だ。しかし自分達の機体も負けてはいない。
【ジンクス】の改修機【アドヴァンスド・ジンクス】の資料を見た。
【アドヴァンスド・ジンクス】和名:陣羽・改【じんば・かい】
分類:第七世代KMF 所属:ユーロブリタニア 外見モデル:ガンダム00のアドヴァンスド・ジンクス
製造;スメラギ・コンツェル
全高:4.68m 全備重量:7.01t
推進機関:ランドスピナー フロートユニット 内臓型補助フロートシステム
固定武装:スラッシュハーケン×2 スタン・トンファー
装備武装:アドヴァンスド・ヴァリス MVSブレード×2(連結アリ) MEランス
携帯型ハドロンランチャー 携行式ブレイズルミナス発生装置 etc
搭乗人数:1人
問題のあった【ジンクス】の改良機。主に実戦に耐えうるバランスと、安定性を獲得することを主眼に改修がなされていてその性能は高く、ユーロブリタニアへの売り込みも大いに期待されている。
まず改修されたのは、使用すると稼働時間が激減する補助の簡易フロートシステムだった。
ランドローラーを廃止し時発動させておくのではなくジャンプ時や旋回時などだけに発動するようにし完全な機動補助装置とした。
合金製クローも廃止してある。整備性と無手になってまで戦う必要が無いのを鑑みての結果である。
ヴァリスⅡは連射性を上げたためにエナジーの燃費が悪くなっている欠点を発見し、連射性を単発式のライフルと同程度まで下げ(自動小銃くらいの連射速度)
安定性と信頼性を重視した改修を施したアドヴァンスド・ヴァリスに改修した。
試作されていたルミナスコーン発生装置搭載型ランスの、整備性と信頼性の問題から廃止が決定。かわって従来のME加工を施した信頼性の高いタイプに変更された。
これは【サザーランド】や【グロースター】の装備している従来のランスを見直し、燃費と安定性が向上した発展型のMEランスである。
この質量武器はユーロブリタニアでも広く使われているので期待が持てる。
携帯型ハドロン砲も改修。【ジンクス】に装備されていた物よりも照射時間の延長とそれに伴うエナジー消費増の省力化に成功した。代わりに威力が下がったが、問題なしとした。(しかしそれでも装備の中では最もエナジーを消費する武装である)
範囲攻撃装備としては申し分のない、問題の無いレベルとなっている。
携帯式ブレイズルミナス発生装置は、試作された時よりも稼働時間の延長改善に成功。
しかし従来の固定型のルミナスよりは疑似物質の強度が下がってしまった。
だがハドロン砲やヴァリス、大口径大型砲などの大威力の武装以外は大抵防げるレベルでの強度は保持されている(元々小口径対応として考えられていた)。
機体性能その物も機動性と近接戦闘能力を高い水準で保持。【ストライク・トアイアル】や【ランスロット・トライアル】に劣らない高性能機に仕上がっていると自負している。
コクピットのモニターは全天式ではなく、従来型の最新バージョンで落ち着いている(※7)。
【ストライク・トライアル】の紹介が終わり、最後に自分達『スメラギ・コンツェル』の番となったのだが・・・
どうも訝しげな表所が消えない。機体説明をするが、疑問が絶えず飛び出してどうにも勝手が違う。
確かにKMF部門では実績などない。しかしそれでも開国以来続いてきた製造部門の中心的存在としてのプライドはあった。
だからこそ耐えた。これさえ乗り切って、実物さえ見せれば・・・
しかし無情な一言が堪忍袋の尾を切れさせた。
「実績のない貴社よりも、まだ『倉崎重工』の方がいいのではないかね?」
379 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 スメラギ・コンツェルの事情:2013/08/14(水) 10:07:26
この発言をしたユーロ貴族をヴェランス大公が怒鳴り、謝罪しようと振り返ったとき何かがへし折れる音が聞こえた。
それは説明をしていた社員の指示棒がおれた音であった。
「いいでしょう・・・そこまで言うならば【陣羽】の実力をお見せしましょう」
低く怒りを抑えているようで滲み出ている声が室内に響き渡る。
倉崎に負け続けだったスメラギの担当者が、怒りを抑えながら提案を挙げた。
【ストライク・トアイアル】と【ランスロット・トライアル】を、それぞれ相手にして完勝するというものだった。
流石に無茶だと思ったヴェランス大公は、前に出て冷静になるよう言おうとしたが・・・顔をあげた担当者の形相にその場にいた全員が気圧された。
「スメラギを・・・舐めるなよ!」
自社の新機種第7世代KMF『ジンクス・シリーズ』の性能を疑問視していたヴェランス大公と、四大騎士団長の前で啖呵を切った担当者はすぐに電話を取って連絡を取った。
あまりに無謀と言える提案に【ランスロット・トライアル】を制作した側も落ち着くように言ったが、もう撤回できないと判断しているスメラギの担当者に頭を下げられ、渋々同意する事にした。
最初に【ランスロット・トライアル】と戦い、次に【ストライク・トアイアル】となったわけだが・・・結果は圧勝だった。
【ランスロット・トライアル】との戦闘は、最初は射撃戦だったが徐々に【ランスロット・トライアル】の分が悪くなっていった。
【アドヴァンスド・ジンクス】の携行式ブレイズルミナス発生装置との差が出てきたのだ。
エネルギーを直接消費してしまうのと、電池を消費してから直接消費できるのと違いであった。
一気に接近戦でケリをつける事選択した【ランスロット・トライアル】だったが、【アドヴァンスド・ジンクス】はそれに付き合わず、そのまま射撃をして撃破してしまった。
次に【ストライク・トアイアル】との戦闘だったが、こちらは最初から接近戦で始まった。
お互いにMVSを叩きつけ合うのだが・・・【アドヴァンスド・ジンクス】独自の機動に戸惑いなかなか決定打を出せない、対して【アドヴァンスド・ジンクス】のテストパイロットは落ち着いて攻撃を捌き、一瞬の隙をついて攻勢に出て撃破した。
この結果に撃破された両機の関係者、ユーロブリタニア関係者全員が唖然とした。
ついでに【サザーランド】12機VS【アドヴァンスド・ジンクス】も試されたが、これも完勝してしまった。
担当者は内心「やっちまった」と思っていたが、結果を見て「どやぁ・・・」とばかりに胸を張った。
すぐにヴェランス大公と四大騎士団長は、すぐさま詳しい内容をもう一度読み始めた。
そして気が付いた。量産する【ジンクスⅡ】は【アドヴァンスド・ジンクス】よりも能力は低いが、充分納得できる範囲に収まっており。
何よりも『グラスゴー・シリーズ』と整備の仕方が似通っていることが分かった。
『ダガー・シリーズ』と『ランスロット・シリーズ』は、『グラスゴー・シリーズ』とは機体構成が違うために整備士をもう一度習熟しなければならないのだが、『ジンクス・シリーズ』はほぼ変わらない位置に主要部品と機器があるため、習熟が短くて済むという利点があったのだ。
生産体制は整っていることも聞き、ユーロブリタニはスメラギと契約を結び発注を掛けた。(※8)
ここで、ようやく『スメラギ・コンツェル』の復興が約束されることが決定となった。
もっとも『ジンクス・シリーズ』はユーロブリタニア向けの機体であるため、日本帝国用の機体はまた別に制作していくことになる。
しかしこの経験は生かされていくだろう。
早くも搦め手として、拠点防衛用KMF【ヴァーチェ】がすでに試作機制作が終了しており。
海中用KMF制作も進められている。
「なめるなよ。倉崎重工!!」
この言葉を合言葉に『スメラギ・コンツェル』は会長・社長・上層部も社員も含め、一致団結して危機を乗り越えていく。
380 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 スメラギ・コンツェルの事情:2013/08/14(水) 10:08:12
※解説
第一次・聖ブリタニア帝国太平洋戦争で引き分け(※1)
原作で詳しく書かれていないので、勝手に命名。
何とか引き分けに持ち込んだが、事実は日本の敗退で終わった戦争。
時代が進んでいたおかげで(※2)
それでもサクラダイト技術などの、知らない技術に合わせるのが大変だったという。
軍上層部(※3)
この頃にはすでに『夢幻会』がだいぶ浸透しており、政財界にも影響が及ぶようになっていた。
又、精神論を掲げる害のある連中の粛清も進められ、政界でも選定を急いでいる時期であった。
【紅蓮・弐式】(※4)
アニメで出てきたような輻射波動を装備していない。
外見上は【紅蓮・壱式】になっている。能力的には【サザーランド】相当【グロースター】未満である。
EUの向上した軍備力(※5)
『倉崎重工』で変態技術者たちが頑張ったせいで、世界的に起きた技術ブーストの所為。
この所為で想定していた戦力の見積もりが波状した。
スパイ活動により【アレクサンダ】【オルレアン】【ボーイ】などのコピーを含めた純正KMFの存在と、数を増したMTF兵器の対応に揃えようとして兵器では被害が以前よりも増すことが判明した。
なにせ同じ距離で、同じ銃器を【サザーランド】VS【オルレアン】で射撃させると、【オルレアン】は耐えるが【サザーランド】は撃破されてしまう。
接近戦においては【サザーランド】の方に分がある。それでも、撃破しにくいKMFとして評価されている。
本国部隊に配備してからと言う無しの礫であった(※6)
実は、技術供用の全天モニターが一機当たりの価格を引き上げる結果を生み出している為、回してあげる余裕がない。
コクピットのモニターは全天式ではなく、従来型の最新バージョンで落ち着いている(※7)
この措置も整備性を意識して作られている。全天式モニターよりも揃えやすく、日本技術者のお蔭で見やすい場所などに配慮してあるため特に問題はない。
ユーロブリタニア貴族が、全天モニターの強度に不安を覚えていたのもリサーチで分かっていた為である。
ユーロブリタニはスメラギと契約を結び発注を掛けた。(※8)
一部のユーロ貴族に【アドヴァンスド・ジンクス】を売ってもらえないかと言う打診があったため、少数の限定生産で売却が決定した。
最終更新:2013年09月15日 17:54