680 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情:2013/08/31(土) 22:58:46
憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情
設定:休日世界
独自設定・独自解釈有
トゥ!ヘァ!様製作の設定を、多少変えて使用しております。



注意事項
MTF・・・Muscle Tracing Frame.【マッスル・トレース・フレーム】
この機種はサクラダイト技術を使わない、既存の技術のみで制作された機構機械の総称である。
このロボット兵器はKMFの台頭により生まれたモノで、サクラダイト技術が発展していない、もしくはサクラダイト鉱脈が無いなどの事情により生まれた機械。

681 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情:2013/08/31(土) 22:59:21
クレマンインダストリー。
この会社は古くからEU国内にあり。常に優良企業10位以内に入りながらも首位には一度もならなかったという企業である。
しかし堅実で何気に実用的なモノを作り続けた実績は高く、政界にも広く浅く干渉する程度ではあったが「低くても安定して支持が得られる」とも知られていた。
これは腐敗が進んでいたEU国内において、下手に政界に乗り出したり首位を独走すると必ず妨害が入って業績が落ちたりマイナスイメージが付いてしまうため、身についた処世術でもあった。(※01)

そんな会社ではあるが、一応兵器関連も取り扱っていた。
と言ってもメインではなく、細々とした部品関連ではあったが・・・
そんな会社を運営する社長の一人娘、アンナ・クレマン女史は最近立ち上げたロボット部門の開発メンバーで期待の星だ。

彼女は幼少時から、女の子にもかかわらず虫が大好きでよく手にとっては観察し、スケッチを取ったり飼育したりしていた。(※02)
更に機械いじりも好きと言う、一風変わった子供であった。
娘の趣味に、社長は当初「もう少し普通になってほしい・・・」などと考えていたが、KMFが世界に登場したことで変わっていくことになる。

クレマン社長は国に呼び出され、訝しみながらも向かうとそこは軍事施設であった。
そこの格納庫に入ってみると、そこには見たこともない人型兵器・・・KMFが格納されていた。(※03)
軍の高官が言うには、この機体はブリタニアで制作された兵器で戦車に変わる代物だという。
その発言に主に陸軍装備を扱っている企業が、懐疑的な声を上げて証拠を見せろとわめいた。
軍の高官は表情を動かさずに(内心イラついていただろう)、ある記録映像を見せる。
それはどう見ても隠し撮りされたものなのだが・・・映像の中で人型兵器が戦車を易々と屠っていくのが映されていた。

その能力に呻いた各企業の社長達は改めてKMFを見る。
これに対抗できる兵器を作れと言うのが、軍部からの依頼であった。
実物はここに格納されている三機のみ。軍で解析したデーターを貰いつつ、各企業は共同で調査して制作していくことになった。

クレマン社も他の企業と共同で一機貰い、自社の研究所に搬入して調べていくことにした。
この時、偶然にもまだ小さかったアンナ・クレマン女史が遊びにきて道に迷い、KMFが格納されている場所に来てしまう。
そして未知の機械を見た彼女の眼はランランに光り輝き、近くのドライバーを手に取った。

娘のアンナが遊びに来ていると知った社長は慌てて探しに出かけ、途中いきなり館内放送で呼び出された。
内容は娘が見つかった事と、研究ラボで大変なことが起きているというものだ。
開け足でラボに向かい、扉を開くと・・・そこにいたのは嬉々としてKMFを解体している娘と、困り果てた研究員の姿であった。

何が起きたか説明を受けた社長は、とんでもない事をした娘を叱りつけた。
が、アンナ嬢は「わかった。なおす」と言うと、時間を掛けながらも一つの部品も余らせずに組み上げてしまった。
これにはそこにいた大人達は呆然とした。
最初に意識を取り戻した社長は恐る恐る彼女に聞いてみた。

「全部わかるのか?」
「どれがどういうものなのかはわかならない。でも、こうぞうはだいたいわかる」
「そうか・・・」

682 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情:2013/08/31(土) 22:59:55
アンナ・クレマン女史の人生はこの時決まった。
社長は思い切って機械工学関連の書物を娘に与え、苦痛にならないように配慮しながら教育する事にした。
この子は将来科学者になる。いや、して見せよう!!(※04)
こうしてアンナ・クレマン女史は機械工学の道を驀進する事になる。

KMFの解析は順調に消化され、コピーながらも一部生産が始まった。(※05)
クレマン社もコピーを生産する事になったのだが、高度なサクラダイト加工技術が発展していなかったEUにおいてコピーとはいえKMF制作は骨が折れるものだった。
そこで軍は「KMFは高い。やすく、それでいて機動力のあるモノを作れ」と言う無茶ぶりを言った。
さすがのクレマン社長も、いきなりそんなことを言われても対応出来ない。
この時クレマンインダストリーは、コピー機から純正のKMFを作るべく研究していたし、娘の発案で山岳地帯や不整地で使用できる特殊車両の設計に入っていた。

アンナ・クレマン女史が中心となって開発していた特殊車両は普通の車両ではなく、虫のように歩くことが可能であった。
昆虫はどんな場所でも踏破できる足を持っており。それを模倣したモノを作っていた。
通常の車両が移動できない凸凹した場所や、踏ん張りが必要な斜面において、ただのタイヤよりも効率がいいと思っていた。
この特殊車両こそ、後にMTFの中で傑作と言われた【スピオトフォズ】の前身であった。

多脚式特殊車両・・・【アント・ワーカー】(※06)と言う名前で開発されていたが、元々作業用と災害救助用として開発されていたものであり。
間違っても戦闘などに使われるような代物ではなかった。
兵器に転用できないか?と聞いてみたが、アンナ女史は関節などの強度が足りないし、今の技術じゃ無理という回答だった。
社長は肩を落として軍からの要求を断るしかなかった。
もっとも、一番軍に卸している企業が【パンツァー・フンメル】を作って納入する事が決定したので、さほど問題にはならなかった。
多脚式特殊車両【アント・ワーカー】は極少数のみの生産が可能となり、主にEUロシア方面に向けて販売されていくことになる。

アンナ・クレマン女史は【アント・ワーカー】の生産が始まってすぐにKMF開発の方に入った。
軍部はこの時まだKMFの能力に懐疑的な部分が多く、【パンツァー・フンメル】程度でいいと思っていたので、必要な予算が張ってこなかったがそれでも開発を続けた。
彼女としては、虫の持つポテンシャルをKMFに付与したいと思っての開発だった。
社長も開発に成功しなくても、KMF開発は日進月歩であり、経験は生かされると考えていた。

そしてEUにとって運命の戦争・・・シベリア戦争が起きることで状況に変化が出た。

中華連邦から分離独立した大清連邦が、シベリアの地に眠る手付かずの資源を求めて進行を開始したのだ。
EU政府は大清連邦が進行してくるのは事前に察知していて、予算を多くしてKMF開発を進めさせていた。
主に【グラスゴー】のコピー機【ボーイ】の生産であったが、諜報部の活躍により入手した【オルレアン】の配備も開始していた。
そんなか、高性能な特殊機として注目されたのが、クレマン社が作成していたKMF【アレクサンダ】であった。

目を付けた軍部の高官と政治家が視察に訪れ、【アレクサンダ】を見たが・・・実機は装甲などが無い剥き出しの状態だった。
しかしそれでもインセクトモードなどの機構や、運動性を見せると彼等も頷くほどの出来だった。明らかに【オルレアン】よりも高性能だと分かったのだ。
すぐに装甲に関する手配を行ったが、【アレクサンダ】のあまりにも高性能な能力に危機感を覚えた他の企業の横やりのせいで、価格を下げるという名目で装甲の厚みが下げられるというあり得ない事態が発生した。
無論社長とアンナ女史は軍に猛抗議したが、妨害した企業と癒着していた軍高官の圧力に屈し、【アレクサンダType01】が完成し、納入されることになった。
この間にも【パンツァー・フンメル】の大移動が行われ、一部政治家から【パンツァー・フンメル】の改造依頼(※07)を受注するなど忙しい日々を送る事になる。

683 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情:2013/08/31(土) 23:00:27
そして戦争開始からしばらくした後。
アンナ・クレマン女史開発陣にある注文が入った。
多脚式特殊車両【アント・ワーカー】の改良と、その大量生産だった。

EUロシア方面に販売されていた【アント・ワーカー】が通常通れない場所を通って撤退を助けたり、軍需物資を知られないように運び込んだり、現地改造で偵察機に改造された機体が思いのほか活躍したことによる大量注文だった。
社長はこれ幸いと軍部と政界に対し【アレクサンダType01】の正式量産機【アレクサンダType02】の装甲増強を願い出て、これを勝ち取った。
もっとも“多少厚くなった”程度ではあったが・・・

この報告に気をよくしたアンナ・クレマン女史は、鼻歌交じりで改修に乗り出した。
色々と変更し、以前よりも経験を積んだ技術でクレマン社初のMTFが完成した。

量産型多脚MTF:【スピオトフォズ】
分類:多脚型MTF 所属:EU各州軍※ 外見モデル:攻殻機動隊のタチコマ似※
全高:3.22m 全幅:4.07m 全備重量5.9t
推進機関:多脚による高速移動・ホバー移動
武装:リニアアサルトライフル リニアレールキャノン 二連ミサイルランチャー
搭乗人数:1人

EUロシア州と北欧各州が中心となり開発した多脚型MTF。
かつてよりロシアなどの氷の大地は、春の雪解けなどになるとそこら中が泥沼になり、通常の兵器では移動が困難だった。
そこで考案されたのが泥沼や湿地帯、不整地でも問題なく移動できる【アント・ワーカー】を改良したMTFの開発であった。

【アント・ワーカー】の秀でた能力は、従来の戦力と違い沼地や湿地帯に即座に展開可能な能力で、不整地でも安定する機動性と走破性である。
しかしロシア州だけでは改良と開発が困難だったため、この機体の開発には製作元のクレマンインダストリーが関わることとなった。
改修には【アント・ワーカー】を基本設計・開発した天才科学者アンナ・クレマン女史が中心となり、多岐にわたって行われた。

最初に始めたのは足を六脚にすることだった。
【アント・ワーカー】は作業用という事もあり、足が遅く装甲もない、足も安定性を得るために八脚と言う多さであった。
一対減らすだけでも制作費用は安くなるし、幸い四脚で這い回る事が可能だった【アレクサンダ】の経験が生かされ、ついでに追加機能としてホバー機構を取り入れてみた。
湿地帯や沼地の移動の際にはふくらはぎ部分に合成強化ゴム製のエアクッションが設置し、推進装置として大型の可動式プロペラが胴体側面に設置した。
これにより沼地や湿地での走破性だけではなく、川や湾岸地帯などでも限定的ながら水上戦闘が可能となった。
しかしホバー移動時には通常よりも多くのエナジーを消費してしまう欠点が出来てしまったが、基本地上兵器で長時間水上移動するわけではないのでたいした問題ではない。軍部としては移動の幅が広がったのは、朗報であった。

追加された頭部は、アリの様な形状で、ここに一部センサー類が搭載した。分散したのは被弾破損を考慮したためである。
足を六脚に改修した事により大改修した胴体部分は、側面のプロペラと接触しない形で上部に可動式のアタッチメントがある。
これは軍部の強い要望で付け加えられた機構で、パンツァー系統の武装腕装備やKMF装備であるアサルトライフルなどが装備できる。
この結果MTFとしては高いコストが武装面で下がり、丁度フンメル一機に近いコストになったという。(それでもフンメル一機よりは多少高い)。

稼働時間延長を考え、胴体内部には稼働に必要なエナジータンクやエンジンも内蔵してあり、この周りの装甲はより固く厚めに設計してある。
しかしその影響で、他部分は機体の軽量化の為にある程度薄めになった。(コストダウンとホバー形態での高機動化のために。)
次に前部にあった【アント・ワーカー】を操縦席は、大改修の際に完全に撤去して【ボーイ】のコクピットを尻尾に当たる部分に持ってきて脱出可能にした。(※08)
完成した機体を見たEUロシア関係者はスペック等を聞いて、早速【スピオトフォズ】と名付けて発注した。(※09)
ちなみに【スピオトフォズ】は露語でアルコール運搬機の意味であり、これは胴体内部のエナジータンクに由来していると思われる。

生産ラインを増やし、一部部品は【パンツァー・フンメル】と共用しているので整備もしやすい。
現場からの声はだいぶ好評であった。
その間にも正式量産機【アレクサンダType02】の生産は少ないながらも順調に行われて、エースが操れば【ジェンシー】を五機連続で撃破も可能であった。
EUの大反抗作戦時には【アレクサンダ】は敵軍の虚を突き、【スピオトフォズ】は縁の下の力持ちとしてEU軍を支えた。(※10)

684 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情:2013/08/31(土) 23:00:59
大清連邦との戦争が終わり、一息つけるぐらいまでになったときにクレマン社長は軍部に徹底的な回収をした【アレクサンダType03】の制作を持ちかけた。
だが、軍部はそのまま【アレクサンダType02】の生産を望んだ。
EUは大反抗ですでに虫の息に近くなっており、予算確保が出来ないでいたのだ。
流石にそれでは無理を言えないと悟り、おとなしく引き下がった。

実はおとなしく引き下がったのには理由があった。
極秘に入国したユーロブリタニアの使者が接触していたのだ。
その時どういう会話がなされ、どういう密約をしたのかはわからない。
しかしクレマンインダストリー社が、どちらが勝っても負けてもいいように準備を整えたのは間違いなかった

そして始まった電撃シーランド王国占領作戦・・・失敗・・・それに続く欧州解放戦争が立て続けにヨーロッパ地方を覆った。
しかし密約のお蔭で深く癒着していた企業が消えていく中、生き残る事に成功していた。
その戦争の最中にクレマンインダストリー社が作った【アレクサンダ】と【スピオトフォズ】は、ユーロブリタニアに驚きと能力の高さ見せつけて瞠目させた。
【アレクサンダType02】はエース級の腕前と運用さえよければ【ジンクスⅢ】を撃墜できたし、MTFと侮っていた【スピオトフォズ】による不整地移動攻撃と、隠密偵察には手を焼かされた。(※11)

ユーロブリタニアはクレマンインダストリー社を接収したが、それほど縛らずに運営を行わせた。
その際に【アレクサンダ】の改修を要望し、ユーロブリタニは親ユーロブリタニア各国に売れるかもしれないと思い許可を出した
許可を得たクレマンインダストリー社は、さっそく改修を行った。

アレクサンダ改修機【ユーロ・アレクサンダ】
分類:第七世代相当KMF 所属:ユーロブリタニア 親ユーロブリタニア各国
全高:4.41m 重量:6.97t
固定武装:スラッシュハーケン ウルナエッジ
椀部装備武装:大型ライフル【ジャッジメント】 アサルトライフル MEナイフ トンファー
背部装備武装:小型ミサイルランチャー【ザッテルバッフェ】 ケイオス爆雷 etc

【アレクサンダType02】を欧州解放戦役後にユーロブリタニアから許可を得て独自に強化改良した機体である。
生産性を上げるために曲線が多かった前機体構成を改めて、全体的に角張ったデザインとした。

【アレクサンダType02】は【アレクサンダType01】共に満足できるほどの装甲が無く、特に正面装甲が脆すぎた。
なので、まず前々から考えられていた全体的な防御能力の強化をすることとなった。
ブリタニア経由で新素材の装甲が手に入り、総合防御能力が30%アップしたと計算されている。

そして各関節の強化。(※12)これはインセクトモードや近接格闘戦でも十分耐えられるようにするための改装である。
この改装のお蔭で、前よりも重い武器が所持できるようになった。
お粗末なレーダーしかなかった頭部に、ファクトスフィアを搭載して索敵能力を強化した。
背中部分のアタッチメント部分も、ユーロブリタニアのKMF兵装と互換性が利くように改修し直した。

開発がうまくいっていなかったルミナスコアも、輸入により従来のものよりも出力が向上している。
そのため装甲の強化により上がった重量も物ともせず元以上の機動性の確保に成功している。

685 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情:2013/08/31(土) 23:01:34
思っていたよりも出来が良くなった本機を、ユーロブリタニアは特殊作戦部隊に配備する事を決定し、主に敵後方の攪乱や破壊工作に運用され好成績を収めた。
もちろん親ユーロブリタニア各国にも輸出されており、各国独自のアタッチメントパーツが作られるほどよくできた機体となっていた。

【スピオトフォズ】も戦闘用から作業用に用途を変更した改修機が改めて出てきたり。
最前線の部隊から要望のあった索敵強化型も製作した。

【スピオトフォズ】索敵強化タイプ【タランチュラ】
分類:多脚型MTF 索敵強化型 所属:スカンジナヴィア王国軍 親ユーロブリタニア諸国各軍
全高:3.32m 全幅:4.07m 全備重量6.3t
武装:12.7mm機関砲。 煙幕各種 ジャミング
推進機関:多脚による高速移動・ホバー移動
登場人数:2人

元々開発はEU時代から行われており、通信・索敵能力を特化させた改修機である。北欧も積極的に参加して開発は勧められた。
レドームを背負ったような見た目であり、頭部には強化された各種センサーが搭載されている。
エナジーフィラーも搭載量が改善され、稼働時間の延長にも繋がっている。
これは高性能なセンサーを装備しているためエナジーを通常より消費しやすいためである。
ステルス性も各関節部などの縮音性を上げるなどして幾分強化されている。

武装は最低限の自衛用に装備された機関砲だけ。偵察専用なのでこの程度でよかった。
レドームなどを外せば索敵能力が下がる代わりに、通常のスピオトフォズと同じ様に各兵器からの武装の流用が出来る。(しかしそれでも通常型よりは通信や索敵能力が高い)
アタッチメント装備の中にはジャミングタイプの装備も存在している。
因みに通信や索敵に用いるレドームや装備のせいで全重量と全高が少し上がってしまった。しかしながら、機動性はそのまま高い水準を保持する事は出来た。

独立戦争時には特殊部隊ネームレスや、その他の北欧・スカンジナヴィア王国や親ユーロブリタニア諸国で運用されている。
戦後はその使い勝手の良さから、親ユーロブリタニア各国に同じモデルの機体が沢山生産されてベストセラー機になった。
通称「毒蜘蛛」だったがこれは敵の情報を盗み取り、不幸と言う毒を相手に送りつけるためにつけられた名称だった。

【タランチュラ】の開発に関わった北欧は、【アレクサンダ】の改修も行っていた。

686 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情:2013/08/31(土) 23:02:10
北欧版【ユーロ・アレクサンダ】改修機【アレクサンダS(スカンジナヴィア)】
分類:第七世代相当 所属:スカンジナヴィア王国軍 
全高:4.41m 重量:6.97t
固定武装:スラッシュハーケン ウルナエッジ
椀部装備武装:大型ライフル【ジャッジメント】 アサルトライフル MEナイフ トンファー
背部装備武装:小型ミサイルランチャー【ザッテルバッフェ】
狙撃用アタッチメントユニット「モシン・ナガン」
近接戦闘用アタッチメントユニット「スコーピオン」
重爆支援用アタッチメントユニット「B&K(ボフォース&カールグスタフ)

【ユーロ・アレクサンダ】の北欧使用機。基本的なメインカラーは白である。
主な改修は、北欧の環境でも稼働率を上げる為に耐寒使用に改修したこと。
そしても独自の装備も扱えるようにアタッチメント部分を少し弄っただけである。

その独自の武装システムと言うのが「アタッチメントユニット」である。
これは従来のKMFが武器を運用する際に必要な装備を一纏めにした装置である。

狙撃用アタッチメントユニット「モシン・ナガン」
これは文字通りの狙撃に必要な装備を一纏めにした装備である。
大型狙撃銃「モシン・ナガン」がメイン武装である。
右肩には索敵・ロックオンに必要な大型センサーを装備。
左肩に敵機の詳細な映像を得るための高性能光学三点カメラが装備。
背部(この際コックピットの両側)には専用のバッテリーが装備されている。
なおバッテリーは耐衝撃・爆発対応されておりちょっとやそっとでは誘爆したりなどしない。

近接戦闘用アタッチメントユニット「スコーピオン」
これは少し変わった装備である。
背部に変形時に問題にならない形でハサミの付いた尻尾のようなパーツが付いている。
これが自在に動かせる近接攻撃尾「スコーピオン」である。
強力な膂力で敵の関節部や腕・足などを断ち切ることが可能。鈍器としても運用可能である。
扱い切れば三本目の腕となりえる武装だ。
左右の肩にはこれを補助する意味で、センサーユニットが増設されて取り付けられる。
ただとても扱いにくい武装であり、使用するパイロットを選ぶ代物である。
しかし慣れてしまえば接近戦で不意をつける為、熟練パイロットには好まれた模様だ。

重爆支援用アタッチメントユニット「B&K」
文字通り重爆装による支援を目的とした装備である。
Bはガトリングガン「ボフォースM8」のB。
Kは無反動キャノン砲「カールグスタフM3」のK。
右肩にガトリングガンの為の供給ベルトとドラムマガジンが装備されており、
左肩には射撃補助のためのセンサーユニットが装備されている。
なおこの装備では機動力が下がるので注意が必要である。

これらのアタッチメントユニットはどれも全パージ、部分パージ可能であり、【アレクサンダS】以外のKMFでも運用可能な装備である。
アタッチメントユニットはEU時代から設計・開発されていたが、予算もそう多くなく技術的問題もあり成果は芳しくなかった。
そして多数の州が成果の上がらない研究に見切りを付け、次々に離脱していった。

しかしながら独立計画発足時に政府高官の一人がこれに目を付け、予算を追加して研究を推し進めていった。
途中から秘密裏に日本からの情報・技術支援なども受け装備の開発に成功するに至った。
着込み式KGFなどよりもコンパクトで、機体機動の邪魔にならない設置位置と大きさなのが特徴だ。
なにより武装のパーツは大抵が既存のパーツの流用品なので費用が安いのが特徴である。
勿論、武装も個々で装備可能である。

687 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情:2013/08/31(土) 23:02:43
後にこれらを元に親ユーロブリタニア諸国やシーランドでは各国ごとの装備が幾つか開発された。
ここまでいろんなタイプと装備が開発された【アレクサンダ】であったが、その可変機構によりどうしても特殊任務寄りな機体であった為に価格も高く、少数生産であることには変わりなかった。
そこでアンナ・クレマン女史は新設計で、持てる技術を全て使い、新しいKMF開発に乗り出した。
もちろん可変機構は取り入れない。
しかし能力は下げないのを目標に取り組んだ。

同じ時期、北欧は独自にKMFを開発しようと計画していたが、予算や技術の問題に悩まされていた。
ブリタニアや日本から提供された技術があると言ってもそれも所詮第五世代止まりで、KMF開発も【ユーロ・アレクサンダ】を独自に改良したくらいしか実績がない。
予算も元からの国土の復興、開発や第二次欧州解放戦役により新たに得た領土の開発。
そして新たに主力となるグロースターなどを購入するために資金を使っており、そこまで余裕があるわけではない。
ぶっちゃけ「予算&技術不足」であった。

しかし、そこで声をかけてきたのがフランスに本社を置くクレマンインダストリーである。
曰く「ウチと一緒に共同開発しません?」だった。
【アレクサンダ】を独自に開発、生産した実績を持つので信頼はできる。
予算も共同開発となれば幾らかは安くなる・・・ので共同開発案に即答した。
一応は新主力KMFを開発したい北欧と、新たに市場とお得様が欲しいクレマン社の思いが一つになった瞬間である。
もっとも開発を行っている女史には思惑はわかっても気にしなかった。
予算がちゃんとに下りるなら、別に良かった。

【ボーイ】を作り続けた経験と、【アレクサンダ】から学んだ各部の関節強度、たまたま触る機会に恵まれた【ジンクス】から得た情報を元にKMF制作は順調に進んだ。
流石に第七世代機はまだ作れない。しかし第七世代に相当の機体ならば作れる。
そして将来は独自の第七世代機を作れることを目指して、北欧と協力してこの機体は制作された。

688 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情:2013/08/31(土) 23:03:17
北欧次世代主力KMF【ラファール】
分類:第七世代相当KMF 所属:スカンジナヴィア王国 トルコ シーランド王国
製造:クレマンインダストリー 外見モデル:スパロボOGの「量産型ヒュッケバインMk-II」
全高:4.57m 重量:7.02t 
推進機関:ランドスピナー
固定武装:スラッシュハーケン×2 スタン・トンファー
椀部装備武装:アサルトライフル 大型アサルトラフル【ジャッジメント】 リニアライフル(見た目OGのフォトンライフル似) MEランス MEソード
背部装備武装:大型キャノン 肩装備型ミサイルランチャー各種 各種ユニットセット

索敵は、頭部に装備したファクトスフィアにより高い水準に保たれている。
近接戦闘能力は各種武装とハーケン、トンファーにより落とさずに済んだ。
射撃能力も各種武装の充実により高い能力値に。
武装面は新型の武装に加え、従来の武装も流用出来る。
整備性も流通している従来の機種と幾分かの互換性を持たせて現場の苦労をなるべく減らした。
【ジンクス】から教訓得た整備箇所の共通性を持たせることも、達成された。
操縦性も従来機とそこまで変わっているわけではなく、癖もない素直な機体であった。(※13)
KMFらしい高機動性を誇りながらも日本やブリタニアの技術も反映し、防御能力も十分なものになった。

総じて高い水準に能力が纏まった量産機である。
超大国三国以外の国のKMFとしては開発時点では最高の性能と言っても過言ではない仕上がりだった。
開発後は北欧のハイを占める機体として順次配備され、未来において第七世代機が配備されるまで前線にあり続け、完全退役するまで高等練習機として現役をはり続けた。

名前の由来はフランス語で疾風と言う意味で、試験起動を見た関係者が「まるで風を裂いて動いているようだ」と言うコメントからきている。
ライバルがいなくなり、伸び伸びと会社を育てられるようになったクレマンインダストリー社は、まさに勝ち組と言ってよかった。

689 :憂鬱×ギアスにおけるKMF関連 クレマンインダストリーの事情:2013/08/31(土) 23:04:02
※解説
下手に政界に乗り出したり首位を独走すると必ず妨害が入って業績が落ちたりマイナスイメージが付いてしまうため、身についた処世術でもあった。(※01)
  • 当時のEU社会では普通にあった事。下手をすると倒産まで追いつめられることがあった。

スケッチを取ったり飼育したりしていた。(※02)
  • この時の観察眼が、後の【アレクサンダ】開発につながっていく。

そこには見たこともない人型兵器・・・KMFが格納されていた。(※03)
  • 社長令嬢だったが、ラボまで侵入されるとは思っていなかった。ばれない様に警報装置や監視カメラをいじった形跡が見られ、この時から高い水準の腕前であったとわかる。

この子は将来科学者になる。いや、して見せよう!!(※04)
  • 普通に親馬鹿www

コピーながらも一部生産が始まった。(※05)
  • 極秘生産だったためにそれほど生産はされなかった。生産はかなりユックリだったという。

多脚式特殊車両・・・【アント・ワーカー】(※06)
  • 八脚の脚を持つ作業用機械。その為アントではなくスパイダーと言われてもいた。スピードは無いが抜群の安定性を誇り、積載量もあった。
 山岳救助には急な斜面でもしっかり上り、不整地の調査にも活躍した。しかし使われる場面が限定的であったため、それほど沢山生産はされなかった。
【スピオトフォズ】が生産されてからは完全にこちらに移行されて、消えてしまった。

【パンツァー・フンメル】の改造依頼(※07)
  • 火砲腕の他に、マシンガン腕・接近戦用質量刀腕などの開発生産だった。

【ボーイ】のコクピットを持ってきて脱出可能にする。(※08)
  • これも大量生産による価格低下を狙ったもの。むしろ脱出装置つきであることが現場には喜ばれた。

【スピオトフォズ】と名付けて発注した。(※09)
  • アンナ・クレマン女史は【drone beetle】・・・ドゥロン・ビートル和名【カナブン】と名付けたかったようだ。

【スピオトフォズ】は縁の下の力持ちとしてEU軍を支えた。(※10)
  • 大清連邦の『高亥の賭け』により損害を被った部隊を、人員のみ鈴なりで機体に乗せて撤退支援した時もあった。
 他にもクレーンの代わりに、穴に嵌まって擱座した戦車を数機がかりで引っ張り上げたりしていた。

MTFと侮っていた【スピオトフォズ】による不整地移動攻撃と、隠密偵察には手を焼かされた。(※11)
  • 嘘か真かわからないが、ユーロブリタニア軍も鹵獲した【スピオトフォズ】を偵察機として運用していた部隊もあったようだ。

各関節の強化。(※12)
  • 【アレクサンダ】のインセクトモードから通常モード素早い変形、激しい機動戦にも耐えられるように研究して言った結果。世界でも有数の間接機構最優会社になった。

癖もない素直な機体であった。(※13)
  • 第七世代機相当の機体は大抵癖が強いのだが、この【ラファール】だけはそんな事は無く。高い評価を受けた。
 ユーロブリタニア関係者も「もし、技術レベルがブリタニア・日本レベルであったならEUは早々に第七世代機を手に入れていただろう」と言うほどクレマンインダストリー社は高い評価を受けている。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年09月20日 14:53