16 :New ◆QTlJyklQpI:2013/10/14(月) 19:59:32
※ゲート 自衛隊とのクロスです。

ネタSS ~大日本帝国は特地に転移しました 原作開始~



20XX年、東京銀座に出現した巨大な門(ゲート)。そこから現れた中世風の装いをした軍勢により民間人が殺傷される
”銀座事件”が発生。激戦の末に謎の軍勢を撃退し門を確保した日本政府は門の向こうの特別地域、通称”特地”に
自衛隊を派遣することを決定。各国の様々な思惑が交錯する中、日本国は未知の世界へ歩を進めることになった。

「ん?」
「どうかしたんスか二尉?」

二重橋攻防戦で大活躍した自他ともに認めるオタク自衛官、伊丹耀司は異変に気付いた。

「なんかあのワイバーン、人乗っけてないか?」
「あ、ホントだ。斥候っスかね?」

アルヌスの丘に築いた陣地の上空を遠巻きに旋回するワイバーン。
その背には小さくが確かに人影があった。

「ん~、でもあの恰好どっかで見た気が・・・・」

今まで戦った竜騎士は恐ろしく長いロングランスを装備し派手な装飾を施した鎧に身を固めていたが
双眼鏡で見る限り乗っている人はワイバーンに溶け込むような地味な服装をしていて見えづらい。
結局記憶を探っても答えが見つからず”武装勢力の斥候”ということで思考は完結した。
だが伊丹がヲタクはヲタクでも軍ヲタであればその恰好が嘗ての大日本帝国航空隊の飛行服に酷似しているの
を見て驚いたことだろう。

「いよいよ来たか・・・・」

特設した飛竜による偵察部隊と電波傍受や数年がかりで構築した帝国内の諜報網からアルヌスの丘に出現した門
と異世界の軍隊の出現の報はすぐさまファルマート大陸東部に浮かぶ日本列島に届いていた。

「原作通り門を中心に六芒星状の防衛陣地を形成してるみたいです」
「帝国の方はどうなっている?」
「見事に議会は紛糾してますね。元々戦力がようやく再編した直後での出兵ですので反対も多く、しかも
捕虜が日本語を話していることから我々の国を間違って攻撃してしまったのではと
パニックになっている方も多いようです」
「原作では偵察員が望月紀子らを拉致していたのでは?」
「拉致はしていたようですが、どうやら日本語を話すなどの情報は握り潰されていたようで」
「日本語を話す人間を捕えていたのに征服を?」
「同じ世界の別の国と思ったか、あるいは危険を承知でやったのか・・・」
「それほど内政で行き詰っているのでしょう。最近はこちらの勢力圏にヒトや金が流出してますし」

その言葉を聞いてメンバー全員が苦笑を浮かべる。

17 :New ◆QTlJyklQpI:2013/10/14(月) 20:00:28
帝国と講和して数年、日本帝国を中心とするファルマート大陸東部は凄まじい勢いで発展しつつあった。
資源地帯を中心に開拓され、道路などインフラが整備され始めると噂を聞きつけた帝国の
商人や傭兵が集まり始め、ヒト・亜人問わない雇用があると知られると軍の再編・拡大のため重税を課し始めた
帝国から下級階層や迫害されフォルマル伯爵家では抱えきれない亜人を中心に東方へ流れていき、
わずかの間に帝国から人材・資本・物資が日本の勢力圏に大量に流出、近代文明の強大な経済に帝国は圧倒されつつあった。
加えて帝都では今回の日本との衝突の原因とされたゾルザル派の権威は衰退、これを見て次期皇帝としてディアボを
擁立する派閥が台頭し後継者争いに発展、ガタガタの内政が更に滞り、益々国力衰退に拍車が掛かった。

この内憂外患な状況を打破するため、現皇帝であるモルトは再び外征を行うことを決意。
長期的には日本帝国との再戦も視野に入れつつ、手始めに異世界へ再編した軍の経験稼ぎと収奪による膨大な
軍事費の補填を狙っての侵攻を行った。誤算があったとすれば拉致した人が日本語を話しているのを隠した(
というより拉致を担当した人員に日本語がわかる者がいなかった)事、相手が日本帝国よりずっと上の軍事力を
持つ国であった事だろう。

「しかし原作より門の奪還に時間が掛かってる気がするんだが」
「どうやら帝国軍は侵攻時に重装甲化したジャイアントオーガを投入したようです」
「あの”眼鏡犬”か。明らかに我々に備えていたものを使用したな」

原作でも登場した小銃弾程度では貫通できない重厚な鎧を着せたジャイアントオーガやオークは”怪異使い”
の統制の下に猛威を振るい、何とか戦闘ヘリによる航空支援で撃破できたものの、警察・自衛隊を相当に手古摺らせていた。

「連合諸王国軍も我々が潰してしまったし原作との乖離は避けられそうにないな」
「こちらにピニャ殿下がいる時点で既に乖離は確定してますがね」

ああ、と顔を引き攣らせる嶋田。講和締結後、人質の意味も込めて日本に留学に来たピニャ・コ・ラーダと
騎士団メンバーたち。初期にこそ日本の国情を探ろうとあちこち駆けずり回った面々であったが
801な人々の布教?により現在ではすっかり腐れ神の信仰者となっていた。

「誰ですか彼女らにその手のヒトを接触させたのは?」
「それは私にもさっぱり・・・とはいえ(文字通り)腐っても彼女は皇位継承権持ちです。
あまりにも帝国が混乱するようなら・・・」
「最悪の場合、彼女を前面に押し立ててに我々が介入か・・・・」

帝国の情勢不安定や自衛隊の苦戦により原作の流れから乖離したである以上
一定の軍事介入は覚悟していた。

「このまま帝国が崩壊して難民や武装勢力が押し寄せてきたら堪りませんしね。
中国やらアメリカの軍がやってくる可能性もありますし」
「こっちにはロシア帝国の血族もいる。向こうのロシアの介入も考慮しないと」
「自衛隊はともかく日本国政府は全く信用できないからな」

”帝国主義いいいイイeeeeee!!”と金切り声を上げて騒ぐ左翼とマスゴミ連中とそれに押されてしまう政府関係者
(何故か某宇宙人)を幻視し溜息を吐くメンバーたち。

「こっちは大陸の東の果て、できれば自衛隊の行動範囲外であることを利用して接触したくないんだが・・・」
「既にフォルマル伯爵領を通じてこちらの物品は出回ってますし、向こうから来ますよ」

果たして、その言葉は現実のものとなる。
炎龍の出現により原作に沿ってコダ村の避難民を護衛していた伊丹率いる第3偵察隊は
炎龍と遭遇、亜神ロゥリィの助けもあって撃退し、孤児や怪我人などは(伊丹の独断で)自衛隊が
預かりコダ村の避難民らと別れる際にせめてもの礼にと村長から渡された品物に驚愕していた。

「こ、これは!」
「ジエイタイの人は知らんのだな。これは”ソクセキメン”と言う東の国から・・・」

日本語でしっかりと表記された包装紙、そして某ヒヨコのインスタントラーメンに似た中身を見て
呆気にとられる伊丹。アルヌスに帰還した伊丹らの報告が日本国政府や各国政府を震撼させるのに
そう時間はかからなかった。

18 :New ◆QTlJyklQpI:2013/10/14(月) 20:01:11
余談

その頃、ピニャ殿下らは嶋田への誕生日祝いのプレゼントとして芸術の品定めをしていた。

「むむむ、やはり嶋田×辻もいいが意外に嶋田×山本も中々・・・・」
「殿下、これなんか宜しいのでは?」
「おお、嶋田×富永か。よしこれにしよう!」
「「(腐ってやがる・・・・早すぎたんだ(年齢的に))」」

殿下の護衛兼監視を任された面々は静かに誕生日祝いに卒倒するだろう嶋田首相への冥福を祈った。

更に余談

その頃アルヌスの丘に到着したレレイ&カトー

「お師匠、大丈夫?」
「うむ!肌身離さず持っていたからの!(薄い本をかざして)」

レレイは空気を固めて投げつけた。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年10月20日 19:50