293 :New ◆QTlJyklQpI:2013/10/18(金) 22:20:22
※マブラヴオルタネイティブとのクロスです。
※オリジナル設定なども多分に入っております。
1973年に地球に降下したBETAは瞬く間にソ連領土を席巻、各地にハイヴが建設された。
そして76年にモスクワ街道の中心であるミンスクにハイヴが建設され欧州が直接的な脅威に晒されるようになると
北大西洋条約機構(NATO)、ワルシャワ条約機構(WTO)は共同してのミンスクハイヴ攻略を決定。
78年、秘匿名称「パレオロゴス」として初の東西両陣営による一大反攻作戦が開始された。
作戦は2カ月以上に及び戦力の3割を損失しながらもハイヴを包囲することに成功するが
ハイヴ内への突入は悉く失敗、そしてハイヴ内より新手のBETA群が出現したことで包囲は瓦解、
最終的に全戦力の8割近くを失う大敗を喫し、パレオロゴス作戦は失敗することとなった。
ネタSS ~日本帝国はBETA大戦を戦います その2~
「作戦は”予定通り”失敗したようだな」
「言っても聞かない以上手がありません。フランス、北欧、ユーゴスラビアなどに戦力を温存させただけで良しとしましょう」
「ヴォールクデータなどこの作戦で得られるものもあるが、やはり失ったものが大きすぎる・・・・」
「精鋭の東西兵力の8割。欧州の失陥は免れないだろう」
BETAが降下して早5年、まだ戦火から離れている日本でも徐々に軍事優先の風潮が肌で感じられるようになった
年に
夢幻会メンバーは欧州から送られてくる作戦の情報を見つつ、会合を進めていた。
今回の作戦に、日本帝国はハイヴ内の構造やBETAの総数などが不明な点から
圧迫されつつある北欧、ポーランドの防衛線充実に兵力を充てるか、ハイヴ周辺のBETA数漸減(間引き)に作戦目的を変更
することを欧州各国に働きかけていた。結果、元々ハイヴ攻略に否定的だったフランスや※日本との交流がある北欧諸国、
ユーゴスラビアなどに戦力温存策を取らせることに成功したものの作戦の実施自体は変えられず、結局作戦は決行された。
「あれだけ杜撰な作戦が成功はずないだろJK」
最後までハイヴ攻略かBETAの漸減かでNATOの主戦力である西独とフランスの戦略目的は統一できず、
更にハイヴ内への突入も歩兵や空挺を使うなど試行錯誤の状態、しかも突入失敗の想定をしておらず、
戦術核でハイヴを破壊するかでG元素奪取を狙うソ連と揉めるなど「高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処」
な状態を杉山ら陸軍所属のメンバーを中心にそう酷評していた。
「しかし、G元素奪取を狙うソ連はともかく何故西側諸国もあれほど攻勢を支持したんだ?」
「確かに、このまま守勢を取り続けてもBETAの物量に押し負けるだけと考えたのか・・・」
「それもあるだろうが、防衛戦で核兵器を使用することも要因だろう」
「※核アレルギーですか・・・・」
「自分たちでやらずとも米ソの都合で落とされかねないしな」
原作での日米安保を一方的に破棄や事前通告なしのG弾投下、クーデターの誘発・介入等々、
その大国本位な所業の数々を知っているので近衛が発した言葉に納得するメンバーたち。
「問題はこれからだ。戦力を消耗し過ぎた東欧にBETAのなだれ込んでくる」
294 :New ◆QTlJyklQpI:2013/10/18(金) 22:21:23
実際ミンスクハイヴを監視している静止衛星からもBETAの活動の活発化が観測されており、
近々ハイヴを襲った”重大災害”への対処にBETAが乗り出すことは明白であった。
「原作ではこのまま79年にはポーランドが蹂躙、83年にはベルリンも陥落。東欧諸国は纏まった対応が出来ずに
終わるわけだが・・・・・・”花火”の方は?」
「シュトラハヴィッツ中将は既に動いてます。幸いパレオロゴスに目が向いてるので国家保安省(シュタージ)の
介入もなく決起するかと・・・・・」
「それに”彼”も協力してくれてますし」
「・・・・大丈夫なのかね?どうみても危険分子でしかないぞ、あの獣は」
「確かに原作ではそうでした。しかし、今は我々MMJの共産圏での数少ない同志です」
「・・・どこまで浸透してるんだMMJは」
原作では肥大化した国家保安省に兵器や権限を抑えられる中でBETAと戦った東独。
そんな中でも3年近くも耐えた人民軍の精強さは侮れず、メンバーは原作崩壊覚悟でアルフレート・シュトラハヴィッツ中将
を中心とするクーデター計画の支援に全力を注いでいた。
「ポーランドの方はどうなっている?」
「一応自主規制で余っていた民間の車両を中心に叩き売っておりますが時間が足りません。
輸送力不足による避難の遅れは緩和されるでしょうが原作通りかと」
「ポーランドの美術品・・・・また手に入れて来たんですか」
「正当な対価というものですよ。BETAに食われるよりは遥かに健全でしょうし」
「「「(日本に財産を毟られるか、BETAに蹂躙されるか・・・・・究極の選択だな)」」」
怨むなら辻を怨めよ、と一同はポーランド政府に内心同情する。
「後、ポーランドに兵力を派遣したいのですが」
「嶋田さんたちを?」
「ええ、彼も入れた戦術機を中心とする部隊を」
「確かに※曙計画によってある程度性能向上してるといってもこの時代の戦術機の生存率では死の8分どころでは
- それにBETAが侵攻してる最中とは言え共産圏です。何に巻き込まれるか分かったものではありません」
「危険は承知してます。しかし、原作の日本本土侵攻を見るに政府も軍部もBETA戦への理解が深いとは言えません。
ここで実戦を積ませれば、将来的に嶋田さんが首相になった時に軍も協力的になるはずです」
「・・・・・また彼に首相を?」
「勿論。榊さんを首相にしたら何をすることやら」
「「「(嶋田・・・・・)」」」
数日後、嶋田は地獄への片道切符を手に入れたことを知るのだった。
―ほぼ同時期、ドイツ民主共和国
「Haa-tschi!!」
「Gesundheit・・・風邪かね同志ハインツ?」
「お気になさらず・・・それよりも計画はまもなく?」
「ああ、遺憾だが君のお蔭でシュタージの目は逸れた。今こそだろう」
「それはそれは・・・極東の方々も喜ぶでしょうな」
”褐色の獣のアクスマン”と言われた男ハインツ・アクスマンはシュトラハヴィッツ中将らの
嫌悪の視線もものともせず東ドイツに吹き荒れるだろう嵐に備え計略を練りつつあった。
295 :New ◆QTlJyklQpI:2013/10/18(金) 22:21:53
※日本との交流がある北欧諸国、ユーゴスラビア
北欧諸国とは冬戦争時から交流があり、BETAに備えて北欧3国の軍事同盟の締結の支援や73式戦術機をSAAG社で改修した
J-35ドラケン開発にも関わるなど密接な関係を維持している。ユーゴスラビアは東側陣営ながらもソ連とは違う独自路線を
歩んでおり戦後に同じく独自性の高かった西側の日本に接近、鉄のカーテンに遮断されがちな東欧諸国の情報
と交換に交易の仲介など一定の関係を維持している。
※核アレルギー
1944年、日本の奮戦や米ソ対立の顕在化などの要因により強大な兵力を維持したままであったドイツ第三帝国のベルリンに
核兵器が投下されドイツは無条件降伏、すぐに米ソのイデオロギー対立から東西に分割された。
日本帝国は直前に核実験、及び核兵器の保有宣言していたことで難を逃れ(当初は日本が核投下目標であったが
この宣言により急遽ドイツに変更したという情報もある)、日米が核兵器の応酬で共倒れ=共産圏の膨張を恐れた英国の仲介
で講和が成立した。同じ白人国家にも容赦なく核攻撃を行ったことや日米で危うく核戦争に成りかかったことなどから、
特に欧州では核兵器への忌避感が強く、後退の一途をたどる防衛線で核による焦土戦術を取る事が政治的に困難であり、
そのためにパレオロゴス作戦を実施したという説もある。
※曙計画
原作でもあった
アメリカへの軍民合わせた戦術機開発・運用技術研修プロジェクト。
原作ではF-4供給順位の降格に対米不信を募らせた帝国が独自の戦術機開発のために
派遣したが、こちらでは73式戦術機を配備しているため跳躍ユニットやアビオニクスなどの面で進んでいる
米国の技術を欲する日本側と73式の運用データ・設計思想を欲するアメリカ側による技術交換の側面が強くなっている。
無論夢幻会メンバーもハイネマンや米国企業とのコネクションの設置、何よりTEへのフラグを立てるため積極的に動いた。
最終更新:2013年10月20日 20:02