299 :ひゅうが:2013/10/18(金) 23:32:17

ちょっとしたネタをサルベージついでに思いついたので一本。


【嘘予告】


「君は、ジャパニーズエンペラーを知っているかね?」

ちょび髭の総統が何か得体のしれない、しかし崇高なものを語るかのようにそう切り出す。

「彼らは何をしようとしていたのだ?あのモザイク・マンチュリアで・・・」

重慶公使館から命からがら逃げだした駐在武官は眉をひそめる。

「時の輪、か。なるほど、ブッディズム(仏教)が多神教であるというのは絵空事だな。」

中央アジアを探検した宗教学者はチベット語資料にそう吐き捨て、

「宗教、あるいは呪術による戦争への寄与?そんな中世じゃあるまいに。」

「別に珍しいことでもないさ。あのイギリス人ですら魔女どもに命じてうちの伍長を呪っていたし、うちの親愛なる親衛隊全国指導者殿は某山城でアーリアの男性結社を気取っておられる。」

「人はみな、歴史の奴隷ですか。あの人工国家ですらその例外ではなかったと。」

カール・ハウスホーファーは我が意を得たりとほほ笑む。

「そう、そしてかの東洋の帝国も。いや彼らだからこそ『やっていなければおかしい』。」



――あの破滅的な戦争からいくらも経っていない頃…極東の一角で漏れ出した秘密は、当初は一笑に付された。
しかし、カリブ海の押し流された島国と疫病に沈んだ北米からもたらされた報告は世界の指導者を戦慄させる。

「北米において、1941年頃に大規模な呪術的儀式が行われた痕跡あり」

大量の人骨が見つかった「普通でない状況」。
そしてそれに相前後して日本帝国の「ある特定の宗教関係者が集結し、何らかの儀式が行われた」。

この二つの情報に、列強諸国の一部はこう結論付けた。
「日米間で呪術戦争が行われた」と。

あやふやな迷信と片づけるには、結果は破局的すぎた。
そして、漏れ出た情報――かつて日本列島を襲ったタタール人の軍勢を撃退した「尊勝仏頂陀羅尼法」が再び行われた――は疑念を深めるのは十分。

「日本人が知る、我々が知らない秘密を手に入れよ!!」

列強諸国は真実を探るべく、極東へ闇の密偵を放つ。
そしてそれを阻止せんとする帝国の夜の住人達も。

かくて、深い宵闇の中、幻想を舞台にした魔女の宴が始まる…



「話は聞かせてもらった!人類は絶滅する!!」(byトミー)

「あんたが原因だったのか!?」(by加藤さん)


――憂鬱帝都物語 第X巻 「頂の天」請うご期待!?

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最終更新:2013年10月20日 20:15