338 :名無し三流 ◆Mo8CE2SZ.6:2013/08/21(水) 19:51:11
ていうかどう言い訳すればこの時代にいちサイドがモビルスーツ、巡洋艦クラスの独自戦力持てるんじゃろ……
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宇宙世紀0079、1月15日。
地球連邦、ジオン公国がその最大の戦力を投入して始まったサイド5『ルウム』での戦いは、
モビルスーツに対し未だ有効な兵器を持たない連邦側が記録的な大敗を喫した。これにより連邦軍は宇宙の支配権を失い、
残存艦艇はルナ2に引きこもる事になる。また戦闘における連邦側の指揮官レビル将軍はジオンに捕縛され、
連邦の戦意もその宇宙艦隊同様壊滅状態となっていた。このチャンスにジオンは連邦へ講和(事実上の降伏)を勧告する。
しかし、事はジオンの思う通りには運ばなかった。
「陰謀説が囁かれてもおかしくない脱出劇ですね、これは」
サイド6の中心的人物達がテレビで見ているのは、ジオン本国から奇跡の生還を果たしたレビル将軍の演説だ。
後に『ジオンに兵なし』演説と呼ばれるこの演説が、死に体だった地球連邦の戦意を見事なまでに復活させた。
「それにしても予想はしていましたが、エグゾセ改だけではあまり役に立ちませんでしたね……」
「ただ全く効果が無かった訳ではないぞ。ルウムの残存艦艇は史実より少し多いし、
この分ではジオン側も相応の出血を強いられているだろう」
サイド6駐留艦隊とサイド6固有防衛隊(エグゾセ改戦闘ポッド)に関して言えば、
彼らはルウム戦役の結末を変える事はできなかった。しかし地味ながら効果を挙げているのも確かだった。
まずサラミス級巡洋艦が史実より6隻多くこの戦役を生き延びている。
史実になかった艦艇や戦闘ポッドの参戦でジオン側の攻撃目標が分散したのが理由だ。
さらにこれはサイド6高官は知らなかったが、ジオンのMS隊がレビル将軍を捕獲する際、
ザクが1機エグゾセ改の砲撃に被弾、パイロットが左腕を失う大怪我を負っていた。
後に本国へ後送されたそのパイロットの名前をオルテガという。黒い三連星は早々に二連星となってしまったわけだ。
339 :名無し三流 ◆Mo8CE2SZ.6:2013/08/21(水) 19:51:57
さらに史実より少し強化されていた弾幕に邪魔され、シャアの戦果が戦闘艦5隻から4隻に減るなどしている。
その代わりとして、腹いせかは分からないが戦闘ポッド部隊のうち10機がシャアの手で撃墜されているのだが……
「ともあれ、これでジオンは地球降下作戦へ、連邦はモビルスーツ開発へ動くだろう。
連邦の総力を考えればまず膠着が発生する事は間違いない。そこでサイド6の方針だが……」
「今のところは極秘の独自モビルスーツ開発を進めつつ、連邦とジオンの間を上手く渡り歩きましょう。
独自艦艇についてはまだ時期尚早なので浮きドックは両軍や民間の艦艇のため使用します。
この辺りはつ……ペルガミノさんに任せればまず間違いは無いでしょう。」
「できれば大筋は史実通りに進んでくれるのが望ましいが、サイド6の解体まで史実通りではまずい。
サイド6の発言力を連邦が横暴に振舞えない程度にまで高めつつ、なんとか戦乱の芽が摘まれるようにしなくては……」
高官の一人の言葉に皆が頷く。
画面の中で見れば劇的なコロニー落としも、される側になってみればたまったものではない。
「人間だけを殺す機械かよ!」と言うのを聞くのはともかく、誰も言う側になどなりたくはないだろう。
サイド6の上層部も、将来サイド6が解体されると知っているからこそそれを守ろうとしているのだ。
彼らの困難な戦いは、まだ始まったばかりである。
~誰か適当に続き書いといてくれ、いや割と本気で~
340 :名無し三流 ◆Mo8CE2SZ.6:2013/08/21(水) 19:52:28
338-339投下終了です。
最終更新:2013年10月21日 17:38