857 :名無しさん:2013/11/18(月) 18:20:00
しげちーの日常的小ネタ


久々に取れた一家全員の休暇
旅行に行くという選択もあったが、折角だからブリタニアの祖父母に顔を見せに行こうと家族で訪れた城と見紛う大きなお屋敷で、

彼、嶋田・K・一繁は窓の外を見遣りながら呟く。


「見たまえ。この雲一つ無い青空を」

「・・・」


外は見事なまでの快晴。
雲の欠片も見ることができないほど澄み渡った青空が、どこまでもどこまでも広がっている。


「緑溢れる豊かな大地を」

「・・・」


その大空の下に広がる大地は、都心部から離れた場所に立つお屋敷の周囲を緑一色に彩っている。


「この大空と、そして緑豊かな大自然の前では、人間など実にちっぽけな存在だよ」

「・・」


彼の言うとおりだ。
所詮人間など、自然を内包する地球、果ては宇宙にまで至る世界の前では微生物よりも尚小さき存在でしかない。

そう。

例えるならば細胞よりも小さな分子。分子よりも小さな原子。
そして、あるかも分からぬ原子よりも小さいとされる幽子のような物だ。


「この雄大な景色を前にすれば、ちっぽけな存在である人間が日々行い、そして苦悩する問題の数々など実に些末な事よ・・・ そうは思わんかね?」

「思いません」


“ごっち~んッ!”


蕩々と大自然の素晴らしさと広さ、そして人間のちっぽけさを語っていた彼は、
唐突に始められた言い訳を黙って聞いていた母モニカによって、頭蓋骨が割れてしまいそうなほどの強烈な拳骨をお見舞いされてしまった。


「訳の分からないことを言って赤点ギリギリの成績を誤魔化す暇があるのならば部屋で勉強なさいッ!」

「ご・・・ごめんなひゃい・・・」

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最終更新:2013年11月20日 10:38