51 :二二三:2013/11/20(水) 18:24:41
16氏の夢ネタお借りします
486氏の貴族に自由など無いでサクラがモニカそっくりだというのがあったからそれを準拠に
次女はフライルーの人のSSでしたか?とらはの忍をモデルにしているという話から忍の容姿に準拠


例の飴


「この、辻おじさんから貰った飴を食べて寝ればいい夢が見られる・・・らしい」

カラフルな飴玉、通称夢見ドロップを姉二人に見せる一繁

「ほ、本当ですか?」

怪訝そうに黄色の飴を受け取ったのは、一繁が苦手としている母のクローンかと勘違いしそうなほど母と瓜二つな長女サクラ
声も髪型も背格好も母と寸分違わぬ彼女の唯一異なる点は黒真珠のような輝きを持つその瞳だけ

「何か胡散臭いわねぇ」

右に習えで受け取る次女も同じく疑いの眼差しを向けている
母譲りの金髪である姉とは違い、鴉の濡れ羽色といった髪の和風美人
少し年の離れた美貌の姉二人に父譲りの平凡な容姿(美人な母の血も入っている為、中の上はある)の中学生である一繁は仕切りに飴を勧めている
一人で口にするのが不安なのだ

「嘘かホントかはわかんないけど安眠は約束するって言ってたよ」

「嘘でしたらヒドいですけど、辻のおじ様が危ない物を渡すなんてことはあり得ませんので、大丈夫ではあるのでしょうね・・・おそらく」

「お姉様は簡単に信用しすぎ。顔や言葉遣いだけじゃなくて性格までお人好しなお母様に似てきたわね。それが原因で昔お母様が週刊誌に変なこと言っちゃって皇族会議に取り上げられる大問題に発展したことがあるらしいからお姉様も気をつけてよ」

「ええ~!サクラ姉さんまで将来的にはババアみたいに口うるさくなんの~?!イヤだよそんなの~!」

「わ、私は若い頃のお母様と違って対マスコミの情報弱者ではありませんし、週刊誌の記者に引っかけられたりもしません!それに口うるさくもなりません!」

「ね、姉様、さり気なく酷いこと言ってるわよ、」

一繁に釣られてしまったのかサクラも何気にヒドいことを口にする
大方の所、事実には相違なかったが、忘れてしまいたいと思っている失態をほじくり返す三人の会話を、もし本人が聴いていたら、姉弟揃って修練という名の折檻を受けさせられること間違いなしである

「とにかく二人ともこの飴食べて!今すぐ!」

「あ、あなた何で私たちに食べさせたいのよ?」

「ぶっちゃけると僕一人で食べるのが怖いから」

「情けないわね~。あなた男でしょ?」

「僕は姉さんたちみたいに強くないからいいんだよ」

「まったく――って、姉様もう食べてるし!」

ふと隣にいるサクラを見ると既に飴玉を口の中に放り込んでいた

「とっても甘いですね♪」

「ほらほらサクラ姉さんも食べたわけだし僕らも食べようよ」

「はぁ、仕方ない。つきあってあげるわ」

サクラに続いて次女と一繁が食べる

「ん~?うん、甘い」

「普通のドロップより砂糖菓子とかに近い甘さだね」



こうして夢見がよくなるという変な飴を食した三人は、その日の夜、まったく同じ夢をみた
見たいとも思っていなかったその夢を

52 :二二三:2013/11/20(水) 18:25:31
広いどこかのホール。そこで行われているアイドルのコンサート

「か、母さん…?」

「え…?お、おかあ、さま…??」

「嘘…、何やってんの…お母様…、」

三人が見た夢には、 ラウンズ時代に着ていた露出過多の白いパイロットスーツを改造して飾り付けた衣装に身を包んだ母モニカ・S・クルシェフスキーその人の姿が――

“大好きハニー、いちごみたいに純情なの~”

「いや、あんた純情じゃなくて熟女だろ…」

“もう待てない、約束したよねキスをちょうだい”

「あ、憧れで、目標で、強く勇敢な騎士であるお母様が、どうしてあの様な変わり果てたお姿に…」

“ハニー大好き”

「お母様……今日だけは言わせて」

三者三様の受け取り方をした姉弟は揃って吐き出した




「「「ババア無理すんなっ!!!」」」



翌朝



「うぇぇ…、エラいもんみた…」

珍しく朝早い時間に起床した一繁が寝起きに洗面所で顔を洗っていると

「おはよう…ございます…」

目の下に熊を作ったサクラが夢遊病患者のようにふら~っとやってきた
母と双子ではないのかと思うほどそっくりな姉の顔を見た一繁はそうであってほしいと聞く

「姉さん、昨日僕の夢で姉さんとそっくりなアイドルがステージで歌ってる夢をみたんだけど」

「……… 奇遇ですね、私もみましたよ…その夢」

「―――姉さん、だよねアレ?姉さんが歌ってたって言ってよ…」

「―――瞳の色が……答えです……、聞きたくありませんので、その方の瞳の色を言わないでください……」

「……… う、うんわかった、」


知らぬ存ぜぬアレが誰であったかなど知りたくもないので無かったことにしよう
と決めた二人の下へ
「おはよ…」

やってくる次女

「おはよう…」

「おはようございます…」

無かったことにしようとした一繁とサクラに対し――――次女は言った


「昨日、夢で蒼い瞳の姉様が、すごい格好で歌を歌っていたのだけど……」




この日、嶋田とモニカは子供たちの様子がおかしかったと辻相手に語っていた

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最終更新:2013年11月20日 21:00