627. earth 2011/12/26(月) 20:33:49
ネタということで久しぶりにぶっ飛んだネタを投下。
夢幻会が某トンデモ世界に逝きます(笑)。

  
  20世紀から21世紀初頭の科学者が見たら発狂しそうな日本列島の形をしたスペースコロニーにおいてある画期的な
ガンダムが完成しようとしていた。

「いよいよ完成ですな」
「ああ。これで地球環境の回復は進むだろう」

  大勢の研究者の前にあるのはアルティメットガンダム。『自己再生』『自己増殖』『自己進化』の三大理論を実現させた
地球環境再生用のMFだった。

「これだけ早く完成させることが出来たのは、皆さんの支援のおかげです。ありがとうございます」

  開発者であるライゾウ・カッシュ博士はそう言って一人の軍人の手を握った。
  半ば見捨てられた地球を再生するためのMFなど、当初は誰もが軽視すると思われていた。
  だがネオジャパンの財界や軍部は開発に協力を打診してきた。当初は疑ったカッシュ博士だったが、男達の真摯さに心を
打たれ彼らの支援を受け入れた。  

「いえ、我々も母なる地球の状況には危惧を抱いていました。これであの青い星が元通りになるなら本望です」

  そう答えたのはネオジャパン軍少佐のウルベ・イシカワだった。
  かつて天才ファイターと呼ばれた男であったが、先のガンダムファイトで敗れてから人が変わったように穏やかになっていた。

「それにアルティミットガンダムの技術は宇宙開発でも役に立ちますから」

  母なる地球を再生させるだけでなく、人類が宇宙に羽ばたいていくのにこの技術は必要になる。
  だからこそ財界も積極的に投資していたのだ。

「ですが軍事利用は……」
「確かに軍部ではこのガンダムを戦争に使おうとする者もいます。ですが下手に使えば大戦の二の舞です。
  それに他国も同様の兵器を開発し戦争に投入してくるかも知れない。そうなれば……」

  一旦、口を閉ざした後、ウルべは話を再開する。

「このような技術がある。そして戦争になればこれが軍事転用されるかも知れない……そう思わせることが出来れば十分に
  抑止力になります。博士にとっては面白くないでしょうが」
「いえ、それで十分です。技術というのは諸刃の刃であることは私もよく判っています」
    
  そんな彼らの会話を遮るように、カッシュ博士の妻ミキノ・カッシュが声を掛ける。

「皆さん、料理の準備が出来ましたよ」

  彼らはこれから完成を記念するパーティーを行う予定だった。

「それでは行きましょうか」

  そう言ってウルべ達はパーティーに向かった。そこで彼らはカッシュ博士の家族と共に一時の歓談を楽しんだ。
628. earth 2011/12/26(月) 20:34:33
  そのパーティーの後、研究施設を後にし、ある建物に集まった。

「カッシュ博士の信用は得た。これで今後も彼の協力を得られるだろう」

  薄暗い会議室の中で放たれたウルべの言葉に、出席者達は一様に満足げに頷いた。

「というか、まさにチートでしたな。さすが主人公の父親だ」
「ドモンは戦闘能力では人外ですが……父親のほうは頭脳のほうで規格外ですよ。さすがとしか」
「血は争えないといったところでしょうか」

  この集まりの名は『夢幻会』。かつて別の並行世界で暴れまわった一団だったが、今度はこの世界で暗躍していたのだ。

「ミカムラ博士の心理的ケアも進んでいます」
「ふむ。これであとは……」
「ガンダムファイトですね。これに勝てば我々は覇権国になれる」
「むしろアルティミットガンダムの技術を奪われないように、覇権国にならなければならないでしょう。
  デビルガンダムが他の国で生み出されては元も子もない」

  このウルべの言葉に出席者達は同意した。

「そこで嶋田さん、いえウルべ少佐。やはりパイロットには……」
「ええ。彼を、ドモン・カッシュを推薦しようと思います。多少不安はありますが……これがベストでしょう。
  それとマスターアジアとの接触も急ぎます。彼の協力が得られれば、非常に心強い」

  このあとも幾つかの議題を協議した後、彼らは解散した。
  出席者達が部屋から出て行った後も、ウルベは室内に留まっていた。
  そして彼は、いやかつて『嶋田』と呼ばれ、今はウルベと呼ばれる男はこぶしを握り締めて呟く。

「今回は『前』のようにはしない。絶対にだ。自らの手で悲劇を拡大してたまるか……そう、今度こそは」

  彼が目覚めたのは前回のガンダムファイトの後、そう『ウルベ』がマスターアジアに敗れた後であった。
  そして彼はここがGガンダムの世界であることを知ると、何かに取り付かれたかのように、悲劇を回避するために動いた。
  彼一人なら無理だったかもしれない運命の改変は、かつての同志達の協力もあって順調だった。
  しかし前回の失敗から、順調に思えても思わぬ落とし穴があることを彼は判っていた。故に彼は全力を尽くす。
  悲劇を回避するため、デビルガンダム誕生という死亡フラグを回避するために。
  運命の第13回ガンダムファイト開催は近い。
629. earth 2011/12/26(月) 20:36:17
あとがき
と言うわけで夢幻会inGガン世界です。
あれだけ濃い面子がいたら夢幻会の影もかなり薄くなるでしょう(笑)。
勿論、一発ネタですので色々とご勘弁を。

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最終更新:2012年01月03日 05:35