359 :四〇艦隊の人:2013/11/08(金) 00:57:05

ユナイテッド・ステーツ級航空母艦

・誕生前史
ジュネーブとロンドン、二つの軍縮条約によりアメリカ海軍はきわめて重たい足枷を科される事となった。
一部は自業自得とも言えるのだが、とにかくアメリカ海軍は今後の軍事バランスの維持に頭を悩ませる事となる。

ニューメキシコ級戦艦 32000t 四隻 132000t 14インチ砲三連装四基 21ノット
テネシー級戦艦   35000t 四隻 140000t 14インチ砲三連装四基  21ノット 
コロラド級戦艦   32600t 二隻 65300t 14インチ砲三連装四基  21ノット
サウスダコタ級戦艦   45000t 三隻 135000t 16インチ砲三連装四基  23ノット
レキシントン級巡洋戦艦 43500t 一隻 43500t 16インチ砲連装四基  33.3ノット
残り建造枠、84200t

以上十四隻+84200tがアメリカ海軍がジュネーブ、ロンドン両軍縮会議の結果保有を許された戦艦である。
これに対し当時アメリカが主敵とみなしていた大日本帝国海軍連合艦隊の保有する戦艦は次の通りである。

扶桑型戦艦 34500t 二隻 69000t 35.6センチ砲三連装四基 25ノット
長門型戦艦 40000t 二隻 80000t 41センチ砲三連装三基  28ノット
加賀型戦艦 45000t 二隻 90000t 41センチ砲三連装四基  28ノット
紀伊型戦艦 68500t 二隻 137000t 46センチ砲三連装三基  28ノット
金剛型巡洋戦艦 30000t 二隻 60000t 35.6センチ砲連装二基  29ノット
天城型巡洋戦艦 41000t 四隻 164000t 41センチ砲三連装三基  32ノット

砲門比にすると次のようになる。

米国:14インチ砲120門・16インチ砲44門・18インチ砲0門
日本:14インチ砲40門・16インチ砲78門・18インチ砲18門

……もはや笑うしかない戦力差である。
しかし、笑っていられない米海軍軍人は何とか対抗する術を編み出すため日夜検討会議を行っていた。
そんな中一人の疲れきった中佐の喚いた戯言が、太平洋戦争前夜のアメリカ海軍空母機動艦隊を世界最強の地位に立たせる原動力となるのである。


360 :四〇艦隊の人:2013/11/08(金) 01:00:10

・誕生
その中佐の喚いた戯言は「空母で戦艦を沈められればいいのに!」だった。
ジュネーブ条約で保有を許されたアメリカの航空母艦枠は30万t。
だがそのときのアメリカは航空母艦を11000tのラングレーただ一隻しか保有していなかった。
その中佐は当時は補助戦力としての価値しかないと思われていた航空母艦の保有枠のことを嘲って言ったのだろうが、そうはとらなかった人物がいた。
彼は海軍各所に精力的に働きかけ、標的艦として沈められる予定だったネヴァダ級戦艦ネヴァダを使った航空機による対艦攻撃実験を行わせる事に成功したのである。
そして実験当日、アメリカ海軍航空隊の航空機十二機が投下した改造魚雷のうち六発が命中、命中後三十分ほどであっさりと浅瀬に擱座してしまったのである。
こうしてアメリカ海軍の方針は固まった。
20000t級のレンジャー級航空母艦二隻、35000t級のヨークタウン級航空母艦三隻、そして日本の早池峰型を上回る70000t級の巨大空母ユナイテッド・ステーツ級航空母艦二隻の建造が決定されたのである。

・完成
一九二六年の完成後、それまでの世界最大であり、また世界最長の軍艦であった日本の早池峰型航空母艦を凌ぎ、世界最大の座へとのし上がった。
主な性能は次の通り。

ユナイテッド・ステーツ級航空母艦 72000t 艦載機120機搭載 34ノット

合計七隻の航空母艦による打撃力は戦艦の五隻や六隻、まとめて海底に葬れるレベルであり、日本海軍はこれを警戒、後に電探と近接信管、そしてジェット艦上戦闘機による凶悪な防空網を構築、アメリカ海軍に張り合うことになる。

・転落
しかし、彼女の栄光は長くは続かなかった。
一九四二年の終わりに始まった太平洋戦争、その中で両国艦隊主力が最初にぶつかり合ったトラック諸島沖海戦で彼女の率いた空母機動艦隊はわずか二回の航空攻撃で戦力価値を完全に喪失した。
艦載機帰還率7%。言いかえれば未帰還率93%。
この瞬間彼女たちは長槍も盾も失った巨大な鉄の箱へと成り下がった。一発の機銃弾すら受けていないにもかかわらず。
空母部隊による航空攻撃が失敗したため、米戦艦部隊は日本戦艦部隊に対し圧倒的な劣勢下での戦闘を余儀無くされ、新鋭戦艦モンタナ級二隻を含む八隻を喪失。トラック攻略も失敗に終わる。
しかしこの敗北は彼女の味わう屈辱のほんのはじまりに過ぎなかったのである。


361 :四〇艦隊の人:2013/11/08(金) 01:02:21

ここで力尽きた……。
あとはまた思いついたら書く。
明日も早いのでお休みなさい。


395 :四〇艦隊の人:2013/11/08(金) 11:55:09

>>362
>>363
今回はアメリカ側というかU.S.からの視点しか描写してないので書いてないのですが、実は日本空母もそれなり以上の損害を被っています。
投入した正規空母四隻(早池峰、白根、飛龍、蒼龍)、軽空母二隻(翔鳳、瑞鳳)の内、
飛龍、翔鳳が沈没、白根、蒼龍が艦載機発艦不能、瑞鳳が舵機損傷により戦線離脱、他に阿蘇型重巡男体が早池峰をかばって魚雷四本を受け轟沈、駆逐艦六隻が沈没。 
史実日本海軍が見たら卒倒するような被害を受けています。
逆に言うならU.S.とその機動部隊は日本海軍の航空攻撃を完全に阻止したともいえます。
……まあ93%の未帰還に見合う戦果か?といわれると評価が分かれるでしょうが。

最終更新:2014年01月14日 21:32