676 :四〇艦隊の人:2013/11/18(月) 00:51:11

・瑞穂
一九四四年八月、ユナイテッド・ステーツは艦名を瑞穂と改め、正式に日本海軍籍に編入された。
そして日本海軍第一機動戦隊に配備された彼女に与えられた最初の任務は、シアトル空襲だった。
彼女は早池峰、蒼龍と共に阿蘇、薬師そして巡洋艦五、駆逐艦二二の護衛を受けて出航、一度ハワイで補給を受けた後尚も東進した。
そして一九四四年十月二三日現地時間〇五三〇時、シアトル在泊の艦船と港湾施設を狙って早池峰、蒼龍、瑞穂の三空母から航空隊が発艦、そして現地時間〇七三〇時第一弾が停泊中の輸送船、ワートンフット号に命中した。

・姉妹
「シアトルが空襲されています!これは演習でも夢でもありません!たった今駆逐艦がまた一隻爆沈しました!もう一度いいます!これは演習でも夢でもありません!これは現実です!」
この放送はそれまで戦争とはどこか遠い世界の出来事だと思い込んでいた米国内陸部の州の住民にとっては寝耳に水の情報だった。
それまで、米内陸部の住民は「黄色い猿相手の戦争なんてどうせわが国の勝ちだろう」と言い大した興味も関心も持っていなかった。
しかし、この放送により彼らは思いっきり顔面をぶん殴られた。殴られた彼らは当然反撃を要求し、各州から選ばれた議員達もそれを要求し、そして大統領までもがそれを要求した。
熱狂、もしくは発狂した国民の前に軍部の冷静な意見は掻き消され、米海軍は泥縄ながらサンフランシスコに停泊していた空母二隻に戦艦ニュージャージー、ミズーリ、重巡洋艦二、駆逐艦一四の艦隊を急遽編成し早池峰以下の第一機動戦隊の追撃に繰り出した。
投入された空母はエンタープライズ、そしてユナイテッド・ステーツ級航空母艦の二番艦、アメリカだった。

・妹殺
「……嘘だろ、おい……ありゃあ……ユナイテッド・ステーツだ……なんでそこに居んだよ!?」
偵察機の寄越した報告にアメリカの艦橋はすさまじい怒りに包まれた。祖国の名を与えられた艦が祖国の敵になっている。
その報告は米海軍軍人の神経を思いっきり逆撫でした。
直ちに全力攻撃が発令され怒りに燃えるパイロットたちが飛び立っていく。
一方の日本側は偵察機の接触を受けて直ちに対空警戒を発令、またサンフランシスコへの空襲を行うべく東進していた第二機動戦隊に支援を要請した。
米艦隊は第一機動戦隊に第一波、第二波をぶつけ合い、どちらもが大した戦果を上げられずに引き上げた。
しかし米側が第二次攻撃隊を収容している最中に、日本第二機動戦隊から発進した攻撃隊が来襲したのである。
この攻撃でアメリカは魚雷二本を受け速力が低下、そこに第一機動戦隊の放った攻撃隊が来襲した。
爆弾五発魚雷六本を受けたアメリカは洋上でほぼ停止、そして瑞穂所属の流星の攻撃で止めを刺された。
一九四四年十月二四日現地時間一六三七時のことである。
 


677 :四〇艦隊の人:2013/11/18(月) 00:53:04

今回はここまで。
明日は平日なのでおやすみなさい。
 

最終更新:2014年01月14日 21:31