653 :第三帝国:2013/11/19(火) 21:07:28
衝号ぬきの太平洋戦争~第9章「ミッドウェー海戦Ⅰ」
日本海軍は潜水艦の第6艦隊、
さらにはありったけの偵察機を出して米艦隊を探索していたが先に艦隊を見つけたのは米軍の方であった。
ガトー級潜水艦5番艦『グラニオン』がミッドウェー島北西250浬(約470Km)で進撃する小沢艦隊を補足。
そして、夜明け前にミッドウェーの航空隊、約100機が即座に出撃。
また太平洋、回航された大西洋の両艦隊は日本艦隊がミッドウェーに集中しているすきに、
痛打を与えるべくミッドウェーの航空隊が出撃してから間を空けて、空母8隻からの全力攻撃に打って出た。
正規空母
「エンタープライズ」
「ワスプ」
「レンジャー」
軽空母
「インディペンデンス」
「プリンストン」
護衛空母
「アンツィオ」
「コレヒドール」
「ミッション・ベイ」
から1次、2次と五月雨式に出撃した合計350機近くの攻撃とミッドウェーの戦力を合わせれば450機を数え、
さらに戦艦数では遥かに優るため日本の空母を叩いて、エアカバーを排除した後に水上戦を仕掛けるべく両艦隊は日本艦隊に接近。
いささか、蛮勇すぎな点があったが航空機の攻撃で、
最低でも空母の半分は使用不能とさせることが可能であると判断したからである。
ハワイの航空隊は航続距離と時間の問題上、参加できなかったがこれまで負け込んでいたのは、兵力が分散している隙を突かれ、
各個撃破されたためであり、一度にこれだけの兵力を叩きつければあの恐るべきオザワ・タクスフォースの魔力もなくなるだろう。
確かに練度では特に軽空母2隻に至っては、船も搭載している航空隊もかなり怪しい所があったが、一種の飽和攻撃をもってすればそれなりに戦果をあげる。
そして、全ての機が発艦した直後に日本軍の偵察機に見つかったがまだ勝機はこちらにあると確信していた。
そう考えたのは無理もない、何せこれほどの規模の航空攻撃なら普通ならばただでは済まない。
が、異分子たる
夢幻会はがそうした物量攻勢に対して万全の構えを整えていた。
654 :第三帝国:2013/11/19(火) 21:08:00
第1、第2、第3艦隊は偵察機の報告により米艦隊を補足。
大西洋艦隊まで持ち込んできたのがこの時点で判明し、先手を打たれたのと想定外の戦力もあり攻撃か防御で迷いが生じた。
神参謀、角田中将などはこちらも攻撃機を出して全力で殴り合うべきと主張したが、
VT信管に速射砲といった新機軸の防空装備が更新されているので、ここはむしろ防空に徹して、
逆に
アメリカ側の航空戦力をここで消耗させてしまおう、といった意見が通り全力で防衛することに決定。
各空母から予備機を含めたありったけの『烈風』、
さらには雷撃機や爆撃機相手ならばそこそこ戦えると判断して『流星』に空対空ミサイルを搭載させて出撃。
艦隊より100浬先に派遣されていた電探哨戒艦(レーダーピケット艦)からの報告にしたがい直衛機は直ちに配置についた。
米軍の第1波であるミッドウェー航空隊の構成は、『B25』や『TBFアベンジャー』などと陸軍と海兵隊の混成部隊であった。
護衛は『F4Uコルセア』と最新鋭の機体が揃っていたが、太陽を背にして逆さ落としに突っこんできた『烈風』に一気に数を削られる。
奇襲もあって真っ先に護衛の戦闘機が食われ、おまけに自分たちより多い数の戦闘機が殴りかかってきたため、
ミッドウェー航空隊は自分の身を守るために逃げるか、日本側にスコアを献上うるかの二択を選ぶことになった。
数の暴力もあって、戦闘開始から30分以内に空は日の丸の翼がしか見なれなくなった。
がすぐさま第2派、第3派と長蛇の列を作って空母攻撃隊が続々と突入してきた。
ここで『F6F』と『烈風』と史実ではついに実現されなかった夢の対決が勃発、激しい航空戦が展開された。
『烈風』と比較して『F6F』は同じ2000馬力クラスの戦闘機としてやや重すぎで動きが鈍く、
電探と戦闘指揮所から誘導された『烈風』による高高度からの一撃を再度受けたため日本側に押され気味であった。
雷撃機や爆撃機も密集した編隊に空対空ミサイルを放つ『流星』に削られ、
少し前の戦闘機並みの速度と武装をしていたのでそのまま戦闘に突入していいようにやられた。
それでも、とにかく数が多いのと味方の戦闘機が血路を開いたお陰で次々と日本艦隊に辿りつき、
いよいよ各機が腹に抱えた爆弾や魚雷をたらふくジャップの艦隊に食わせてやろうしたが、彼らはこれまでにない砲火の歓迎を受ける。
元々夢幻会派にして転生者の嶋田繁太郎主導の下、対空防御にダメージコントロールに注意を払っていたが、
MI作戦でようやく史実で散々特攻機を落とした『VT信管』、『7.6cm速射砲』などのハードが揃い。
これにボ式20ミリ機関砲、ボ式40ミリ機関砲、12.7センチ高角砲と近中遠の各距離をカバーしてしまい。
電探で正確な距離、速度、高度を割り出してCIC(戦闘指揮所)の管制で火力を一点に集中させることが可能であった。
駄目押しに編隊が崩されてバラバラに攻撃してきたため、
航空機の集中してこそ攻撃力を発揮する法則が崩され、艦隊は次々と飛来する目標に集中砲火を浴びせた。
直援機の戦果も含めると結果として後世に『ミッドウェーの鴨打ち』と揶揄される損害、300機以上の撃墜に成功。
日本側の損害は
空母『隼鷹』:中破、飛行甲板は応急修理で使用可能。
空母『天城』:小破、飛行甲板は応急修理で使用可能。
戦艦『霧島』:小破
戦艦『金剛』:小破
巡洋『愛宕』:小破
巡洋『妙高』:小破
航空機:未帰還29機
と極めて軽微で逆行者の草鹿少将は思わず自身が体験したマリアナ沖海戦を連想した。
そして、直衛機を収容すると直ぐに攻撃隊を編成、一連の防空戦のせいで既に昼は過ぎており、
帰還時には夕方~夜になってしまい、燃料切れなどが心配されたため攻撃隊を出しつつ米艦隊へ直進。
今度はアメリカが耐える番になった。
最終更新:2014年03月23日 14:02