327 :第三帝国:2013/12/03(火) 23:27:59
衝号ぬきの太平洋戦争~第13章「終結、MI作戦」
海戦が終結した翌日、損害が集結された結果。
戦艦『長門』『霧島』『伊吹』の3隻が大破。
戦艦『陸奥』『扶桑』『山城』『榛名』の中破。
など一枚看板の戦艦しか保有しない日本側にとって無視できない損害であった。
しかし、アメリカ戦艦群を壊滅、合計14隻の戦艦を沈めてこの程度の損害で済んだのは僥倖であると判断した。
むしろジェットラント沖海戦以来の大海戦で勝利を収め、自分たちの主力艦の損失はなし。
ということを考慮すると歴史的大勝利であることに疑いはなく興奮と充実感に満たされていた。
特に今まで活躍の場が存在せず、無駄飯食らい扱いをされた水雷屋に鉄砲屋は意気揚々であり、
『紅茶が飲みたいネー』『まったく駆逐艦は最高だな!』『憲兵さん、この人です』等などと騒いだが。
40代駆逐艦艦長「沈んだ敵も、できれば助けたいのです」
と言う意見と、戦艦を中心に損害が大きい艦があったためしばらく同海域にとどまり応急修理と敵兵の救助に当たった。
最後に水雷戦隊が至近距離から一斉に雷撃を敢行して戦艦の轟沈が相次いだため
アメリカ側の生存者は少なかった。
なお指揮官であったキンメル提督の遺体は発見されず、日本側は黙祷と弔砲を以てその武勇と霊を慰めた。
そして移動を開始した刹那、『霧島』から水柱が3本上がった。
突然の事態にしばらく呆気にとられたが、潜水艦の仕業と判明した瞬間、
血相を変えた駆逐艦がこの不届き者を狩るべくモヒ艦化した駆逐艦は結果として2隻の潜水艦を狩った。
が、『霧島』は米潜水艦の魚雷のクセに不調でなかった魚雷が見事に直撃し、
再度電気系統、さらに排水ポンプを損傷させ必死の排水作業にも関わらず転覆の危険が迫ったため、
止むえず総員退艦を命令、乗員が艦から降りてしばらくして転覆、日本側が最初に失った戦艦となった。
そして、今後の展開については前世でひたすら艦隊を突撃させた男である神重徳などは、
さらなる追撃を主張したが、損害が大きいことと既に逃げられている上にMI作戦はミッドウェー攻略であることを理由に却下された。
こうした思わぬアクシデントがあったが、以後対潜警戒を厳と為すことになり。
水上機や対潜哨戒機による濃密な警戒網の庇護下の元でいよいよミッドウェー攻略へと取りかかった。
328 :第三帝国:2013/12/03(火) 23:29:03
山本五十六大将率いる
軽空母『大鷹』『雲鷹』『神鷹』『海鷹』
の4隻の空母を中心とした上陸部隊と合流すると既に航空戦力が存在しないミッドウェーに合計4次の空襲を実施。
更に昼夜に渡って戦艦、重巡洋艦による艦砲射撃を加えてミッドウェーをさながら月面の大地のようにクレーターに変えた。
翌朝、史実でも縦深性のない島嶼でもそれなりの準備を整えれば戦力が保持されたように、上陸してきた第一波と水際で激しい戦闘が繰り広げれられた。
駆逐艦の砲撃に火力支援船、水陸両用戦車など強襲上陸を支援する兵器と組織の助けがあったが、海岸を一木支隊の兵士の血でオレンジ色に染める。
何せ相手は戦意が高い海兵隊であり、歩兵小隊当たりの火力が史実日本軍など比べようにないほど高いゆえの結果である。
しかし、一木支隊指揮官にして転生者の一木清直の負傷があっても、
所詮攻める側が圧倒的で最終的に1日で陥落、万歳三唱の下ミッドウェーに日章旗が翻った。
ミッドウェー陥落!アメリカ太平洋、大西洋艦隊壊滅!
この報告に本土では文字通りお祭り騒ぎとなり、国民は将来へ明るい予感を抱かせた。
何せ今回の海戦で
戦艦14
空母7
を沈め開戦以来の数を合わせれば、
戦艦18
空母9
であり、普通の国なら降伏しても可笑しくもない戦果を上げたからだ。
山本五十六は「これで講和の足がかりになる」と呟いたが無理もない話である。
他にも巡洋艦をカウントすれば連合艦隊以上の戦力が1年も経過しない間に失われたからだ。
この戦果に外務省、特にロンドンにいた吉田茂などは早速意気揚々とイギリスを通じて講和を匂わせた。
329 :第三帝国:2013/12/03(火) 23:29:46
が、そんな期待は
夢幻会が恐れていたように脆くも崩れた。
ロング大統領は記者団の前で今日の戦争は英米戦争以来の危機であることを強調し、
講和など論外で我々はジャップが無条件降伏するその日まで屈しないと高らかに宣言した。
加えて講和を叫ぶ議員はシャップのロビー活動で骨抜きにされた売国奴であると罵り、FBIによる大規模な捜査を実施すると明言。
夢幻会が史実を反省しルーズベルトに切手を送ったりとしたロビー活動が裏目に出てしまった。
これにより講和派議員は一気に逮捕されるか、萎縮するかの2択を選択させられた。
(※参考本編7話:「まぁ気が利く連中であるのはわかるがね」
彼は自分が大統領になる前に三菱や倉崎などの日本企業の関係者が持ってきた貴重な切手のことを思い出す。)
なお、日本側に戦艦『ヒラヌマ』を含む多数の艦を沈めたと大本営発表を行って、
転生者の苦笑を誘い、『キリシマ』を沈めた潜水艦アルバコアの勇気をたたえた出すと
『おのれ、アルバコア』『またアルバコアか』とT督達の間で思い思いに叫び、
艦娘を愛出るT督達に出回っている潜水艦抹殺リストの上位に載せられたがまあ、何時ものことだ。
ロング大統領がこうした強気の姿勢ができたのはアメリカを牛耳る財界の人間として、
もっと戦争を続けることを強く要望しており、彼に対して各種支援を約束していたからだ。
また、艦隊も2年すれば今以上の艦船が海に浮かぶことが予想されていたこともある。
(※参考本編22話:仮に太平洋艦隊が壊滅したとしても2年程度で再び今以上の艦隊を編成して日本に差し向けることが出来る。)
余談ながら、戦艦が軒並み沈んだせいで建造がスローペースになっていたモンタナ級戦艦の建造スピードが速まり、
さらなる建造のために大型船台を20基程追加で建築を開始し、それは嶋田が「300mクラスの船台を20基追加とかブルジョワ乙」と呟く程の勢いであった。
こうしたやり取りに夢幻会は「やはり、な」と頷き合い次の攻勢に向けて話し会ったが、問題があった。
先の海戦で戦艦2の大破、4の中破と使用可能な戦艦数が激減しており中破は3~4ヶ月。
大破艦は修理には流石に最低半年はかかるとの試算がでた。
期待の装甲空母『大鳳』、新鋭艦の富士型超甲巡『富士』『新高』
量産中の祥鳳型軽空母などが加わるとして、相手戦力が枯渇したとしてもハワイ攻略にはやや不安が残る。
特に相手のハワイにおける防備とその後の補給の問題、夏の間にアラスカへの侵攻スケジュールが間に合わないのでは?等と頭を悩ました。
(※本編44話:残念ながらハワイ攻略を短期間で攻略することは不可能です。
史実の米軍があれだけの圧倒的兵力をもってしても沖縄を攻略するのに80日は必要としたのです。
要塞化されたオアフ島、他の島嶼を制圧しようとするなら、さらに多くの時間と犠牲が必要です。
さらにハワイを制圧するには現状では最低で6個師団が必要と考えられます。
これを運ぶために必要な船舶は150万トン以上。長期戦になることを考慮すれば、必要となる重油も100万トンを超えます)
いっそ、原子爆弾をオアフ島に落とすべきか?
そんな意見が出されたが「逆に考えるんだ、別にハワイなんて包囲して無視してしまえばいいのだと」と近衛文麿が叫んだ。
唖然とする夢幻会一同を前に彼は言う、
「ハワイを包囲した上で、パナマ運河と西海岸を襲撃して兵力を西海岸へ誘因し、本命のアラスカ攻略を確固たるものにするのだ」
最終更新:2014年03月23日 14:07