- 775. earth 2011/12/21(水) 01:06:11
- 平成ネタ兼TSネタで少々真面目にしたものを投下。
あくまでネタであり、本編とは関係ありませんので……。
史実では64年で終わった昭和の世は、敗戦を免れたこの世界では65年が経っても尚続いていた。
日本帝国は太平洋全域に加え、インド洋をもその勢力圏に組み込み、加えて7年前に起きた北米事変で
枢軸海軍に大打撃を与えたことで海洋の覇者として君臨していた。
そしてその帝国の政治と軍事の大権を握るのは……見た目は17歳の黒セイバー、中身が110歳に迫ろうと
する嶋田『茉莉』だった。
「やってられるかぁああ!」
首相官邸に少女らしい、実に可愛らしい声が響く。
重要書類が机から落ちて散らかるが彼女は一向に気にしない。
「くそ、あの暗殺者のせいで全てがパァだ」
嶋田繁太郎は90歳のときに起きた暗殺未遂事件で撃ち込まれた摩訶不思議な毒薬のせいで性別反転と若返り
おまけに不老長寿化という「漫画かよ」、「厨二病乙」と夢幻会の人間達から突っ込まれる体験を強要された上に
嶋田茉莉と改名する破目になったのだ。
仕事を終えて後はお迎えが来るのを待つだけと思っていた男は再び現場へ呼び戻されることになった。
さらに先の北米事変において戦艦『大和』で艦隊の指揮を取り活躍したことで、アドミラル・シマダが健在である
ことを世界に示してしまったので益々隠棲できなくなっていた。
「私に休みはないのか……」
机の上に突っ伏して嘆く嶋田に、応接用の椅子に座って暢気に茶を飲んでいた一人の老人が突っ込む。
「休んでも良いですけど、その分、後で働いてもらいますよ?」
「……私のように毒薬を撃たれたわけでもないのに、何で20年くらい前から姿が変わらないんです、辻さん?」
帝国の元老、帝国政界最大のフィクサー、大蔵省の魔王などと言われる男、辻政信はニヤリと笑って答える。
「気合と根性と萌えがなせる業です」
「出来るか! とくに一番最後の台詞、医者に喧嘩を売っているぞ!!」
「ははは。まぁ『戦女神』なんて格好良い(笑)二つ名を得たんですから、それを励みに嶋田さんも頑張ってください」
「ふん。技術も練度もこちらが勝っていたんだ。負ける訳が無いだろうに」
日本帝国の軍事技術は史実世界の同年代(1990年)に比べて、15年〜20年ほど先行していた。
ただ宇宙兵器の開発と配備は積極的に進められており、その分野では史実を遥かに凌駕していた。
北米での形振り構わぬ技術の収奪、北欧諸国との連携、教育制度の充実による優れた人材の確保、さらに人体実験によって
限定的ながらも未来情報を入手できる方法を確立したこと、そしてアメリカが滅んだことで列強同士の争いが頻発したことが
日本の技術の進歩を加速させたのだ。
「人は誰しも偶像を求めるものですよ」
「ふん。その果てにこれか……」
ふて腐れるような態度をする嶋田。辻はその態度に苦笑する。
- 776. earth 2011/12/21(水) 01:06:54
- 或る意味で暢気な会話をしていた2人だったが、突然齎された緊急報告が、だらけていた空気を吹き飛ばす。
「日本海に巨大な壁が現れた?」
「はい。しかもその壁は水中にも続いているようでして」
あまりにイレギュラーな事態に誰もが慌てた。そしてその壁から突如として1隻の船が出現し、帝国軍とコンタクトを
取ってきたことがさらに混乱に拍車を掛ける。
「日本国海上保安庁?」
「何だ、その組織は?」
多くの閣僚達が頭を捻る中、嶋田を筆頭に史実を知る者たちは彼らがどこから来たのかを理解した。
(平成世界か! ということは、まさかあれは壁ではなく、時空を跳躍する門とでも言うのか?!)
最終的に大日本帝国政府は向こうの世界とのコンタクトを決意した。
だがそれからは問題の連続であった。平成世界は、こちらの昭和世界とは全く異なる歴史を辿っていた世界であった。
このため昭和世界の存在は彼らにとって大きな混乱を齎したのだ。
(向こうの帝国首相が美少女だということは世界中を驚愕させ、日本の一部のマニアを喜ばせたのは言うまでもない)
中でも過剰反応したのは……韓国政府であった。反日を国是とする彼らは、並行世界とはいえ大日本帝国という存在を
認めるはずがなかった。
「ゲートは我々の領海付近にある。管理権は我々のものだ!」
「並行世界の同胞を虐げる日帝は謝罪と賠償を行うべきだ!」
「日帝の非人道的行為を調査するために調査団を送るべきだ!」
共産中国や北朝鮮も、向こうの日本帝国の実力を知るために韓国を煽り立てた。そしてアメリカも半ばそれを黙認した。
そして向こうの世界が自分達より約20年ほど昔であることが彼らをより強気にさせた。
「世界が我々の味方だ! 時代遅れの軍備しかもたない奴らだ下手をしても、我々の勝利は揺るがない!」
彼らは自慢(笑)の艦隊をゲートの近辺に遊弋させ、威圧さえ加える。
これに帝国政府首脳部も激怒するが、宰相である嶋田は冷静だった。
- 777. earth 2011/12/21(水) 01:07:28
- 「捨て置け。奴らが騒いだとしても我々に害はない」
「しかし……」
「ゲート周辺の守りを固めておけ。奴らが土足で上がってくるのなら殲滅するだけだ。それに何時消えるか判らない品物を
利用して軍を派遣するのはリスクが大きい。積極的なアクションを起こすのは調査が終わってからでも良い」
帝国政府は韓国の要求を無視した。
加えて国交を開くことに不満があるなら、別に国交を開く必要はないと告げて交渉団を引き上げた。
しかしこれを見てさらに勢いづいた韓国政府は、日本帝国を平成世界の諸外国の圧力を利用して屈服させ、並行世界の利権を
獲得しようと動き出した。
「帝国を名乗っても、所詮は日本。押せば引く!」
尤もさすがの米中露の三ヶ国も核保有国の日本帝国と喧嘩をするつもりはなかった。
いくら20年昔とはいえ、核を持った国と戦うのはリスクがありすぎた。それに出入り口はあのゲートしかないのだ。
出入りしているときに集中攻撃を受けたら堪らない。
「……この際、やらせてみるか?」
「そうだな」
「異論はない」
かくして韓国海軍はゲートを乗り越えて帝国本土へ侵攻を開始する。
だがそれは彼らにとって終わりの始まりであった。
「馬鹿が……」
意気揚々と韓国艦隊が現れたことを告げられた嶋田はそうはき棄てた。そして表情を引き締めるとすぐに厳命した。
「殲滅せよ。帝国の領土に土足で上がりこんだ者たちを1隻たりとも生かして帰すな」
戦艦大和を中心にした水上打撃部隊と、原子力空母蒼龍を中心とした空母部隊、さらに西日本に展開した基地航空隊が
哀れな艦隊に殺到したのは間もなくのことだった。
- 778. earth 2011/12/21(水) 01:08:54
- あとがき
少し真面目にしてみたネタ話です。
このあと韓国がどうなったかは……ご想像にお任せします(笑)。
最終更新:2025年03月05日 23:03