691 :二二三:2013/12/12(木) 19:06:47
ちょっと書いてみたブリタニアinの話~

あるかもしれない反シマダデモ


日本含む民主主義国家には抗議デモというものがある

反中

反EU

反政府

様々な形態で反対の声を上げ街中を練り歩く抗議活動だ

それは民主的な国の国民が持つ権利の一つであり、ブリタニアとのある交渉が進展中の最中ではデモを禁止しようとすれば余計火に油を注ぐことにもなりかねず、日本政府としては黙認せざるを得なかった
所謂不満の捌け口がほしい一部の国民のガス抜きの為には多少多目にみてもらうしかないと、ブリタニア側にも〔反乱の意志無し〕を明確にした上で、過激な方向に走ったりしないのであればという前提で認めてもらっていた
ただし、皇族批判や侮辱はこれを認めないと徹底されており、万一にでもこれに抵触する行為・言動在らば徹底弾圧するようにとの要望……命令が届いていた

唯デモが認められているといったところで万人単位は愚か千人単位すら集まらない
自由な意志表現を行うデモで、たったの百人ちょっとしか集まらないというのは、心中ではどう考えているのかはともかくとして表立って反対する意味が無いと国民が諦めている証拠でもあった

デモなど行ったところで現状はなにも変わらない
そんな意思表示を続けて万一不興を買えば国家としての主権も日本人としての名も奪われてしまう
彼の国が進める積極的侵略戦争に敗れた国々の状況を知っているが故に皆理解しているのだ
これには政府が緻密に計算して出した日本と彼の国の差を表すあらゆる分野のデータが国会に提出され、報道機関を通じて日本全国に流布されていたのも一役買っていた

諸々のデータや話を総合した結果、デモ隊が主張するようなことを実行しようとすれば全てを喪うことになると諦め醒めた目で見る国民が大半であった中、そのデモは行われた


「日本をブリタニアに売ろうと画策する売国奴近衛を倒せ~!」

「穏健派の皮を被った侵略者シマダを許さないぞ~!」


彼らが主張しているのは今政府が進めている交渉。対ブリタニア融和政策、別称属国化政策と呼ばれている交渉への反対
他国の属国になるとなれば普通国民は大反対して世論が盛り上がるものだが、前述のように細かくデータ化された国力の差を発表され、現実にエリア化され名前を奪われた国々の存在を前にすれば「無念だがやむなし…」と考える者が多く、デモ隊の主張に賛同しようという声がまったくと言っていいほど上がらない

それでも声を大にして叫ぶ彼らの意志は近衛の耳にも届いていた

692 :二二三:2013/12/12(木) 19:09:07
「徹底抗戦か………口で言うだけなら容易いな」

近衛は一部の国民の叫びが日本国民全体が心の奥底で考えている真実の声であると見抜いていた
誰であろうと戦わずして膝を屈するのは納得がいかないものだ
自身とて昭和世界で衝号が失敗していたとしても戦わずしての降伏には反対していた筈だ
あの時はアメリカが相手であり、技術力は日本が上で国力3倍のアメリカとの差を穴埋めできていたし、まだ戦えない相手ではなかった

だが今回は違う。国力も技術力もブリタニアが上
それも3倍などと生易しいものではなく、20倍・30倍の圧倒的な開きがあった
〔コードギアス~反逆のルルーシュ~〕を知っている者としてはブリタニアとの戦争だけは絶対に回避しなければならないのだ
全世界に同時展開して戦争が可能な国と戦えるわけがない。日本の総力を上げても一月持つかどうか
それどころかシマダ公爵家と西海岸諸侯だけで日本に数倍する国力があるというのに

「シマダ公爵家か」

神聖ブリタニア帝国シマダ公爵家
このブリタニアで5指に入る大貴族にして西海岸全域をまとめているシマダ公爵家の現当主が誰だか知っている身としては非常に心強く感じていた
彼を通じてブリタニアの皇族リ家も対日本強硬政策反対の声を上げ、ブリタニア10指には入るであろう名家クルシェフスキー侯爵家も「日本とは対話で事を運ぶべきである」と日本融和に動いている
彼らがブリタニア国内の強硬派を抑えてくれているお陰で原作のような亡国へと至る悲惨な侵略戦争を回避する道が拓けているのだから
彼らだけではない。ヤマモト辺境伯やツジ、ユーロブリタニアのナグモらの存在も大きな味方となって、ブリタニア内部で一大勢力を築いている

「シマダさんも苦労しているだろう」

そのシマダ公爵は前世昭和世界時代の同志、嶋田繁太郎その人
ヤマモト辺境伯は山本五十六
ツジ卿は辻政信
ナグモ卿は南雲忠一

皆昭和世界時代で夢幻会の同志であった者達だ
彼らと連携を図りながら原作で起こる第二次太平洋戦争回避の道筋が付いてきた
エリア11化阻止が見えてきたのだ

自分たちが日本国内の対ブリタニア強硬派や徹底抗戦派の力を削いできたのもあったが、間違い無くブリタニアに転生した仲間達の弛まない努力の成果でもある
現世ではブリタニア人である彼らが平穏無事な一生を送るのに日本を助ける必要などない
だが彼らは日本を亡国の道から救う為にリスクを承知で動いてくれているのだ

そんな彼らの中心人物であるシマダ公爵を「戦わずして日本に降伏を迫る卑劣な侵略者」と呼ぶ一部の者達には憤りを感じる

「本当にこの世界は我々にとって生きづらい世の中だなシマダさん」


〔侵略者シマダを許さないぞ~!〕

〔売国近衛内閣は今すぐ総辞職しろ~!〕

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最終更新:2014年02月22日 15:07