718 :二二三:2013/12/12(木) 23:18:53
短いけどなんとか間に合わせた嶋田さんとモニカさんの話~
コードギアス一切関係なしでただ嶋田さんとモニカさんが出ているだけ~
聖夜の願いは唯あなたと
今日は大切な約束の日
世界一、宇宙一大切な彼女との約束の日
しかし自分を待っている世界中の子供たちの為に奔走し過ぎて遅れに遅れてしまった
彼女は怒っているだろうか?
帰ってしまっただろうか?
強く気丈に見えて実は誰よりも弱いと知っている
ひょっとしたら約束を忘れられたと泣いているかもしれない
もしそうなら謝っても謝りきれない
大切な彼女を泣かせてしまったのには変わりないのだから
どうやって挽回しようか?
自分にできること、それを持って誠心誠意彼女への愛を示すしかない
それが男としての責任であるし、自分を愛してくれる彼女へのたった一つの贈り物となるだろう
なにも難しいことではない
自分は子供たちの夢を叶える神秘の力を持っているのだから彼女一人への贈り物など簡単に取り出せるはずだ
そう考えて袋に手を入れてみた
だがなにも出て来ない
何故だ?子供たちへの贈り物なら幾らでも出せるというのに、どうしてたった一人の大切な人への贈り物が出て来ない?
若干混濁する思考の中で最も単純な理由に思い当たった
そうだ。彼女は大人であった
自分は子供たちの願いこそ幾らでも叶えることができたが、大人である彼女の願いを叶えることは出来ないのであった
なんという理不尽!なんという無力!
大切な人一人の願いもプレゼントも用意することが出来ない上に、約束の時間を大幅に遅れてしまうとは
暗い気分のまま全力で空を駆ける
この乗り物、自分専用のソリの速度をもってすれば彼女の下へは直ぐに飛べる
そうやって着いた待ち合わせの場所に彼女はいた
闇夜でも輝く綺麗な金の髪の頭に雪が積もっている
彼女が着ている黄緑色のマントも雪で濡れていた
寒い思いと寂しい思いをさせてしまった
遅れてしまって申し訳ない!
謝る自分に彼女はふるふると首を振り
子供たちの為ですから仕方がありませんよと微笑む
お詫びにプレゼントを渡したいと思い袋に手を入れたが子供ではない君へのプレゼントは出て来ない
本当に頼りなく、約束を破ってしまうような自分は君に顔向けできない
必死の思いでそう伝えると彼女はまたもや首を左右に振って否定する
その思いだけで充分
その愛だけで充分であると
〔それに願いは叶っています〕
〔私の願い……それは、この聖なる夜をアナタと2人で過ごすこと〕
〔それこそが私にとって最大のプレゼントです〕
心に響く言葉で抱きついてくる彼女の冷たくなった身体を抱きしめ髪に着いた雪を払ってやる
〔メリークリスマスシゲタロウさん〕
〔私の愛するサンタクロース……〕
頬をすりよせてくる彼女の温もりは、寒い聖夜を駆け抜けた自分にとって最高の贈り物であった
〔メリークリスマスモニカさん〕
最終更新:2014年02月22日 15:12