419 :ぽち:2013/12/21(土) 12:58:24
憂鬱ギアス   壮烈 そのいち


「くそっ!」
「はしたのうございます、シュナイゼルさま」
「五月蠅い!とっとと状況を報告しろ」
「またこのパターンですか」
「楽なんだ!」
「誰がでしょう」

おれがだ

「そのネタも使用済みですが」
「いいからはやく状況を報告しろ!ありえない!ありえないんだこんなことは!!」


「ひと月ほど前からパナマ近辺で各種艦船が雷撃により沈められる、という事態が多発し始めました
 例の、謎の超高性能潜水艦、通称「リヴァイアサン」による通商破壊、あるいはパナマへの攻撃の前準備とも推測されていました
 ちなみに暗号解読により日本は「リヴァイアサン」を「TDD」なる暗号名で呼んでいることがわかっております」 

「ふむ、日本は『リヴァイアサン』の量産に成功した、とみるべきだろうな」

「御意 
 これが本気の攻撃なのか前準備なのか、あるいはどこか余所への攻撃のための陽動なのかがわからず、わが軍はパナマ破壊、オーストラリア攻撃の
 どちらかと判断
 双方への迎撃準備を整えるとともに第六次ハワイ奪還作戦用の戦力をカリフォルニアのM667329基地に集積しておりました
 しかし本日02:55、日本の潜水強襲揚陸艦五隻がM667329基地に襲撃をかけてきました
 まったくの予想外であり現地在住部隊で、稼働に成功した者のみが抵抗を行っておりますが
 統制がとれておらず、おそらく基地と集結していた兵力ないし物資を軒並み破壊されて離脱されることとなるでしょう」


「そうだ!日本がブリタニア本土に攻撃を仕掛けてくるなどまったくの予想外!
 あり得ない!日本にとってそれはあってはならないことなんだ!
 日本がブリタニアに勝利するなどまず不可能であり、負けないようにするにはいわばブリタニア人の死体を積み重ね
 国内に厭戦気分を起こす、ただそれ以外ありえない!
 だが遠く離れた小島であるハワイならともかく本土に攻撃をかけられてはそれは不可能だ
 ブリタニア人は『自分が殴るのは当然』だが『自分が殴られるのは絶対許さない』
 絶対的に、強烈に苛烈に壮烈に、そして無駄に無意味に戦乱が拡大するぞ!
 日本を支援しているEUや中華への攻撃意見も湧き出す………おそらくそれは私にも抑えられない」

「現実を「俗事」と言い切る陛下は猶の事でしょうね」

420 :名無しさん:2013/12/21(土) 13:00:14
「その通りだ このままではブリタニアはブレーキの利かない特急列車となってしまうぞ
 日本もそれは分かっているはず 日本で戦略の指揮を執っているルルーシュが分かっていないはずがない!
 それなのに何故!」

「………ルルーシュ殿下とは異なる人間が戦略の指揮を執っているのではないしょうか」

「それはありうるな
 少なくとも『コレ』にはあの子の匂いが感じられない
 これまでの日本の戦略には少なからずあの子の匂いが感じられたから、ある程度先が読めた
 だが!あの子がこんな戦略に反対しないなんて!
 こんな、こんな不合理すぎる作戦をあの子が了承するはずがない! 
 もし他の誰かが立てたのだとすれば………
 そいつは思考能力か思考の方向性かであの子を納得させられるほどの存在だということになる
 あの子一人だけならわたしの手のひらの上にあるだろうに、そんな存在がいるとしたら………私はこの戦争の先を読むことができない!」

「能力や方向性だけではない、かもしれません」

「どういうことだ?」

「あえていうとすれば………我々の知らない「何か」を彼らやルルーシュ殿下がご存知なのかも」

「我々の知らないことだと?」

「御意
 正しい結論へは正しい情報と正しい推測でのみたどり着けます
 ならば彼らは情報を手にしてるのやも   私たちが知らない「何か」を」

「ふむ、だとすれば………皇帝陛下もそれをご存じなのかもしれないな
 我々が知らない何かをご存じ故この戦争の終着点を、我等とは異なるところに設定されておるのやも
 その推測が正しければこの戦争が、全世界を対象に、しかも時折戦略政略的に明らかにおかしい事を陛下が指示される理由もわかる」

「問題はそれが何なのか、そして日本がそれを知っているのかですね」

「もしそうなら我々は陛下に導かれて、いや陛下に引き摺られて自分がどこを目指して走っているのかを理解していない」

「危険ですね」

「何を考えておいでなのだ陛下………そして何を知っているのだルルーシュ、そして………夢幻会

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最終更新:2014年02月22日 15:59