116 :ぽち:2014/01/07(火) 03:14:10
憂鬱ギアス

壮烈  そのに


「うおおおおおおおお!」
死に物狂いで引き金を引き続けた
弾切れのブザーで我に返ると、眼前のブリタニアKMFは三機ともスクラップになっていた
慌てて弾装を交換する

死にたくない
先ほどまでその一心で引き金を引いていた
戦場に自ら出ておいて死にたくないというのもかなり自分勝手だ、と落ち着いた今そう思う

召集令状みたいなモンが来る前に軍に入ったほうが何かと有利だろう
少なくとも自分の意思でいろいろ選べるなどと考えて高校を中退し軍に入った
親父とお袋はまあ容認してくれたのだが・・・・・・・・・そういえば何か言葉をかけてくれるような
友人って俺ほとんどいなかったな、と自分の交際範囲の狭さと惨めさにちょっと涙が出る

暖かい?言葉をかけてくれたのはもっぱら妹の友人たちだった

「………あなたの生命と魂はすでにわたしのものという契約があるのだ から、勝手に死ぬなど許さないわ」 ンな契約した覚えないよ怖いよ
「お兄さんがわたしにしたセクハラ、許した覚えありませんからね 一日一回百万回謝るまで許しませんよ」 優しい言葉ほしいよマイスィートエンジェル
「加奈子みたいなイカス女が待ってるんだし死ぬなんてありえないっしょ常識的に考えて」         お前がいい女だったことがあるのか
「きょうちゃん、怪我しないでね」                                  その常識的な優しい言葉に涙が出そうだよ

などと空想世界に逃げ込んでいたら、警報が鳴った
背後に敵機?
振り向こうとした瞬間敵機は爆砕

「おう無事か相棒」
「さんきゅシゲ 褒美に今度の休みにウチに来て俺の妹×××していいぞ」
「嫌だよお前の妹ってアレだろそれなんて罰ゲームだよ!」

むう、そういえばコイツはもう一人の相棒と一緒にウチに来たことがあったんだったこれは失敗失敗
訓練学校では三人一組のチームを組まされ、成功も失敗も分かち合うという、仲間意識形成を狙ったであろうシステムがあり
コイツはそのチームの一人だ

名前を後藤一繁 本名は嶋田一繁で、首相の息子なのだがまあイジメとか色々そういうのを避けるために偽名を名乗ってる、のだが苗字だけ変えても無駄だろ
そしてコイツは座学でも運動でもその他ありとあらゆる科目において優れてるとはいえない、しかし劣ってはいないという成績を
全力で鍛錬した結果とり続けた  ある意味すっげ器用だ
ついたあだ名が「平均点算出機」

ボガァン!!

ふむ、作戦目標の一つである第二弾薬庫の爆破に俺たち以外の誰かが成功したようだ

「これ以上の戦闘は無意味だし、そろそろ撤退命令が出るだろうよ 港に行くぞ」
「ホイきた」





「ポイントM1796-0422にソナー感あり! αGQ-1175方面に移動中」
「わが軍の潜水艦はこのあたりには展開していない 間違いない!リヴァイアサンだ!
 ブリタニア海軍の名にかけてこれを逃がす手はないぞ!」
「海防艦ソルニア号およびメイビア号も追跡中!」
「……待て これまで発見できなかったのになぜいまさら簡単に見つかる?
 罠だ!三時の方向に出力最大!面舵だ!」
「り、了解!おもーかーじ!」
船が大きく揺らぎ、右へと向かい始める
「左舷より雷跡4!」
「かわせ!」
当艦を狙ったであろう一本はぎりぎりで逸れていく
しかしリヴァイアサンを追う事に気をとられた二隻の僚艦は、横腹に水柱をおっ立てられちまった
「クソッ!」
「リヴァイアサン、ロスト! 雷撃をかけてきた船は不明です」
「このまま回避行動を続けろ!ソナーも撃て!」
「ソルニアとメイビアが沈むせいで役に立ちません!」
「ファッキン!」

「千早艦長、敵艦二隻沈みます かわした一隻は回避行動のまま こちらを追うなんて無理ですわ」
「よし、進路MX1784-22 TDDの離脱に伴い本艦もこの海域を離脱する」

117 :ぽち:2014/01/07(火) 03:16:45
「問いたい」
「なんだ」
「一番艦の艦名がトゥアハー・デ・ダナンであり、搭載AI名がダーナである以上
 二番艦である本艦もケルト神話よりネーミングされるのが普通
 しかし艦長は本艦をイ401と命名しAIをイオナと呼ぶ
 何故?」
「何故といわれてもなぁ  理由は無いけど僕が指揮する船の名はイ401とイオナ、そう思ったからだよ
 気に入らないなら変更しようか?」
「変更は断固として拒絶する」
「そうかい」
彼は、軽く微笑みながらコーヒーメーカーから吐き出された濃いブラックのコーヒーをすすった



「うわあああああ」
「死ねぇ!」
突き出されたランスを、手に持ったソードでぎりぎり弾く
「よくここまで耐えたな 誉めてあげるよ
 この『ナイトオブトゥエルヴ』モニカ・クルシェフスキーを相手にしてまだ死んでないとはね
 名前を聞かせてもらおうか」
「大日本帝国、第五師団所属、織斑一夏少尉」
「その名、三日くらいは覚えておいてあげるよオリムラ!」
繰り出される連続突きを、かろうじてかわす がもう限界だ
「あんたらにひとつ聞きたい あの巻き舌おっさんのいう『弱肉強食』をあんたらは本気で信じてるのか」
「当然だ!特に戦場なら強いものは生き残り弱いものは死ぬ!当たり前のことじゃないか!」
「その言葉を、あんたらが焼き払った街で、母親を呼び泣く子に向かって言えるのか!
 くずれた瓦礫に押しつぶされた赤子に向かって『お前は弱いから死ぬのが当然』と!
 俺らの反撃にあってあんたの故郷が燃えることになっても領民に向かって『弱いから死ね』といえるのか!」
「……当然だよ  その言葉に従って私たちは戦い、殺し続けてきたんだ!今更立ち止まるなど出来はしない!」
怒気をこめて突き出されるランスに「ああこれはかわせない」と悟る
その、己の死を受け入れた瞬間に敵機は後ろへ飛びずさる
背後から降り注いだ銃弾がその相手を追いかける
「無事かイチ!」
「おお相棒たち!」

「この場は引かせてもらう
 だがオリムラ、次は必ずお前を殺してやる!」
そんな捨て台詞とともに去っていくナイトオブトゥエルブ

118 :ぽち:2014/01/07(火) 03:20:27

ガタガタのボロボロになった、もう一人の相棒織斑一夏の機体を見やる
コイツも難儀な人生送ってるよなぁ
大日本帝国がこの世界に転移してきた際、ブリタニアに追い詰められつつあったE.Uや中華は特使という名の人質を幾人か送りつけてきた
その中の貴族やら落ち目の軍需産業の社長やら軍人やら、そして中華からは権力争いに負けつつある勢力に属する貴族やらがやってきた
そしてそれらの娘たちと出会い、仲良くなったのだそうな

おかげで幼馴染の女の子とやらが七人だか八人だかという環境で育ったらしい

まあそんなことどうでもいいか
「おいシゲ、イチ、撤退命令が出たんでとっとと逃げるぞ」




「ルルーシュさま、上陸部隊は全作戦目標の破壊に成功 撤退を指示します」
「たのむ」
出されたコーヒーを飲みながら周りにいる者達を、頼もしげに見つめるルルーシュ
これでブリタニアの侵攻は三ヶ月は遅らせることが出来るだろう
自分が思考という方面で他人を頼りにするなど、考えもしなかった
彼らはこの戦争の行く末を思考するべく構成された頭脳集団「チーム・オモイカネ」
日本神話の知恵の神の名を持った彼らは、その名にふさわしい切れ者揃いであった

レーダースクリーンを見つめているのは天才と名高い高嶺清麿
秘密にしているが全世界にその名をとどろかす女優、大海恵と交際している  死ね
マイクに向かって撤退命令を出しているのは思考速度に定評のある皆本光一
女子中学生三人に女子大生に以前勤めていた会社の同僚二人に、女子中学生の母親と姉にまで手を出してるという噂だ 死ね
「しかし、今回の作戦はやはりキミの功績が一番だろう」
もう一人、眼鏡をかけた気弱っぽい男性に話しかける
しかしそれは見た目だけであり分析能力に長け、実は自分も含めたここにいる者の中でもっともヤバい男だ
「まったくキミの策は守りに入れば頑強で、攻めに入ればこれほどエゲツないとは正直詳しく説明されるまで思わなかったよ クロエくん」
「シロエです」
このまま、ブリタニアという国家が進む方向と皇帝シャルルが目指す
方向のスレを大きくしていく、その狭間にこそ付け込む隙が生まれるだろう
「それにしても」
この一室にちんまりと佇む少女に目をやる
「本当に良いのかい?アーニャ・アールストレイム」
「父も兄も了承済み  日本のこの本を読んだ」
抑揚の無い喋りをしながら彼女がかばんから出したのは「真田十勇士?」
「ブリタニアが勝利すれば父と兄がアールストレイム家を押し立てる
 日本が勝利し父と兄が死亡した時にはわたしがアールストレイムの血を守る
 『その際は出来ればルルーシュ殿下の子を生んでくれ』と父言ってた」
「こんな年の子に何吹き込んでんだァ!」

119 :ぽち:2014/01/07(火) 03:24:53
はいここまでです

冒頭に出てきた兵士は結局名乗ってません

そしてぽちの憂鬱ギアスではモニカさんは弱肉強食という考えには疑問を持ってるものの
ブリタニア貴族としての義務を怠るわけにも行かず
「これまでブリタニアの兵として散々殺してきたのだからいまさら止まれない 止まってしまえばむしろ殺してきた人たちに非礼」
と考え誰かに殺してもらいたがってる、そんなキャラクターです

123 :名無しさん:2014/01/07(火) 05:12:05
追加

篠ノ之 箒
セシリア・オルコット
凰 鈴音
シャルロット・デュノア
ラウラ・ボーデヴィッヒ
更識姉妹
五反田 蘭

全員一夏の幼馴染というポジションになりました(むりやりしました)
束は「フツーの天才科学者」として夢幻会が引き抜いたラクシャータやロイドと一緒に
ケタケタ笑いながら研究続けてます

124 :ぽち:2014/01/07(火) 05:12:43
失礼>>123はわたしです

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最終更新:2014年02月22日 17:26