250 :15改めトーゴー:2014/01/08(水) 21:05:52
13様とややこしいので改名しました。(某所で使っているペンネームをいじったものです)
ユフィルートしげちーSSの続編を5分後に投下いたします。
やっぱりソフィーのキャラクターがどんどん私の中の奥様イメージから離れていっている気がする・・・
でも私にはこういうキャラが書きやすいんだから仕方ないよね!
251 :トーゴー:2014/01/08(水) 21:10:59
では投下します。
しかし、半分寝ぼけた頭で考えたシナリオだからか出来がイマイチだなぁ・・・
252 :トーゴー:2014/01/08(水) 21:11:25
「・・・というわけで、この案件は予定を変更してボワギルベール侯爵家に任せることになりました」
「なるほどね。しかし、外されたアルスキー子爵家は不満に思うだろう。それはどうするんだい?」
「はい。この案件の代わりにアルスキー子爵家には・・・」
「・・・なので、エル家にもこの計画に賛同していただきたいのです」
「・・・確かに成功すればかなりの利益を得られる。それは認めるけど、リ家とエル家だけでは実現は困難では?」
「既にラ家とネ家に賛同をいただいております」
「ほぅ、手回しがいいね。では詳細を詰めるとしようか」
「大したものだね、カズシゲ君。その歳でこれだけできる人材はなかなかいない」
「ありがとうございます、伯父上」
シュナイゼルの称讃の言葉に、頭を下げるカズシゲ。
午後の帝都ペンドラゴン、エル家の離宮。カズシゲはティータイムを楽しんでいた。
リ家の人間としてエル家当主シュナイゼル・エル・ブリタニアと交渉・打ち合わせ等を行い帰ろうとしたカズシゲは、
シュナイゼルから時間があるようならと午後のティータイムに誘われたのだ。
もっとも、ただ紅茶とお茶菓子をいただいているというわけではない。
「・・・最後に提案してきた案件だけど、ラ家やネ家との交渉をしたのは君かい?」
「いえ、ギルバート伯父上がクロヴィス伯父上とカリーヌ叔母上との交渉を纏めたと聞いています」
「そうか・・・では君がギルバートの立場だったらどう交渉したかな?『既に他家の賛同を得ている』という説得方法は使えないよ」
「それは・・・」
「・・・というわけさ。この説得方法はかなり有効だけど、時と場合を選ぶからそれに注意するべきだね」
「なるほど・・・勉強になります」
宰相として様々な経験を積んできたシュナイゼルとの会話はカズシゲにとってはとても勉強になるものであり、
後学のためにこのような機会はできる限り逃さないようにしているのである。
「ソフィーも覚えたね?カズシゲ君がこれを忘れるようなら、きちんとアドバイスをしてあげるんだよ」
「・・・はい、お父様」
- 許嫁のソフィーと午後のひとときを過ごしたいという下心も無くはなかったが。
253 :トーゴー:2014/01/08(水) 21:12:23
「ところで、伯父上たちはお時間大丈夫なんですか?」
「私は次の会議までまだ時間があるからね。部下が呼びに来るまでは大丈夫のはずさ」
笑って答えるシュナイゼル。
カズシゲやソフィーが産まれた頃や幼い頃は過労の危機と戦い続ける日々を送っていたシュナイゼルであったが、
勤務態度が良いとは言い難いシャルルが退位したこと、己の嫡子を含む後進が育ってきたこと、
そして何より年々弟ルルーシュに回す仕事を増やしていることで、
ここ数年はかなり人間らしい生活を送ることができるようになっていた。
そんなことをしてはルルーシュに恨まれるのではと諫言されたこともあったが、シュナイゼル曰く
『ルルーシュは私が一番忙しい時期に日本に逃げたからね。いや、ルルーシュが日本に逃げたせいで仕事が増えたと言うべきかな?いずれにせよ、かつての私に比べればはるかに少ない仕事量だ。苦情を言うのは72時間労働くらいこなしてからにしてもらいたいものだね』
とのことである。
「私も次の予定は夕方なので問題はないわよ」
シュナイゼルの隣に座っている女性が続けて答える。
クローディア・エル・ブリタニア。シュナイゼル・エル・ブリタニアの妻である。
エル家の有力後援貴族の一つである名門公爵家の出身で、
かなり高い事務処理能力を持つ上に『心が読める』と噂されるほどに人の心を察するのが上手く、
故に気配りの達人であることからエル家後援貴族から高い支持を集めているお茶目な腹黒系貴婦人である。
「ソフィーも大丈夫よね?」
「というより、ソフィーにとってカズシゲ君と会う以上に重要な案件なんてないだろうさ」
「お父様!」
からかうような発言をするシュナイゼルと、怒ったような声を上げるソフィー。
にぎやかな家族。シュナイゼルが多忙な頃のエル家を知っているだけに、
カズシゲには今のエル家がとても素晴らしいものに思えた。
254 :トーゴー:2014/01/08(水) 21:13:26
「カズシゲ君、ソフィー、見せたいものがあるんだけど、いいかな?」
しばらく歓談していたが、不意にシュナイゼルが携帯電話を取り出しながら言う。
「何ですか?」
「先日ユフィが送って来た写真なんだけど・・・」
「「・・・っ!」」
身を固くする二人。
シュナイゼルの携帯電話に写しだされていたのは、自分たちが仲良く同じベッドで眠る姿。
――身に覚えがあり過ぎる光景であった。
「こ、これを母上が?」
「うん。君たちが眠っている間に撮ったそうだよ」
「母上ぇ・・・!」
なんて恥ずかしいものを記録しておくのだ、とうめくカズシゲ。
「それにしてもこの写真・・・過ちを犯した後みたいに見えるわよね」
写真をしげしげと眺めていたクローディアの一言に、カズシゲとソフィーは同時に顔を真っ赤にする。
「そ、そんなお二人の信頼を裏切るようなことはしませんよ!」
「そ、そうです!カズシゲさんはしっかりした人ですから。それにそういうのは、その・・・色々と問題になるでしょう!?」
全力で否定する二人。
「・・・つまみ食いくらいなら問題ないと思うけど?ねえ、シュナイゼル様?」
「まあ、孫ができるのが早いか遅いかの差だね」
さらっと問題発言をするシュナイゼル。
二人としては冗談だと信じたいが、彼が常人とはズレたところがあるのを知っているだけに何とも言えない。
「でも婚礼前に手を出すわけには・・・!」
「でもソフィーって、我が娘ながら過ちを犯したくなるような娘(こ)だと思うけど?」
「ま、まあそれは否定しませんが・・・」
「か、カズシゲさん・・・」
華奢で儚げな美少女という容貌に反してたわわに実った巨乳は、そのギャップから惹きつかれるものがあるし、
初心で献身的なところはカズシゲの嗜虐心をひどくくすぐる。
いじめてくださいと言っているようにしか見えない姿を見せられたことも一度や二度ではない。
なお、ソフィー本人にはまったく自覚がなく、
よって結婚後に枷が外れたカズシゲにどのような目にあわされるかも全く予想できていないことを追記しておく。
「と、とにかく、そういうのは結婚してからです!」
「・・・冗談よ、じょ・う・だ・ん。うふふっ」
「からかわないでくださいよ・・・」
掴みどころのない性格の持ち主なので、カズシゲはクローディアが少し苦手だったりする。
「そういえば、カズシゲ君知ってる?・・・この子、また胸が大きくなったのよ」
「なっ、何故お母様が知っているんですか!?」
身を乗り出すようにして叫んだソフィーだったが、カズシゲの視線が自分の胸に向いたのを感じとり身を縮める。
「うふふっ。独り言を言うにしてもメイドの側でしちゃダメよ?そういうのはみんな私のところに集まるんだから」
人が悪そうに笑う離宮の支配者、クローディア・エル・ブリタニア。
「で、何cmになったの?93?それとも94かしら?」
「お、教えません!そんなこと・・・」
ソフィーはちらっとカズシゲの方を見る。カズシゲに知られるのが恥ずかしいのだろう。
「あら、残念ね。まあいいけど。そのうちまた大きくなるだろうし。目指すは100cm!」
「目指しませんし、いくらなんでもそこまで大きくはなりません!」
「そうかしら?・・・カズシゲ君にたっぷり揉んでもらえば届くかもしれないわよ?」
「へ、変なことを言わないでください!」
「カズシゲ君に揉まれるのは嫌なのかしら?」
「それはその・・・あの・・・!」
イジられ続けてオーバーヒート寸前なのか、うまく話すことができないソフィー。
「ふふっ、好きな男の子が絡むと本当に弱いのね」
「そういうところは母親譲りだね」
「シュ、シュナイゼル様!」
と、シュナイゼルがクローディアを一言で黙らせる。
「すまないねカズシゲ君。クローディアには今晩にでも教育的指導をたっぷりしておくから・・・」
そう言われて、カズシゲは自分が不機嫌そうな表情を浮かべていることに気付いた。
「あ、ありがとうございます、お父様」
「ああ、助け舟を出したわけじゃないからね?彼女がいつまでたっても本題に入らないから会話を打ち切らせただけさ」
ソフィーの感謝の言葉に、人の悪そうな微笑で答えるシュナイゼル。
255 :トーゴー:2014/01/08(水) 21:15:20
「本題・・・ですか?」
「うん。・・・『はい、あ~ん』ってやつを見せて欲しいんだよ。この場で」
「「ええっ!?」」
わけの分からないお願いに驚く二人。
「この写真を見ていたら君たちの仲の良いところを直接見たくなってね」
ニコニコしながら理由を述べるシュナイゼル。
「つまり、その、お二人に見せつけるようにやれ、と?」
「そう」
「・・・拒否権は?」
「ないね」
顔こそ笑っているが、有無を言わせない声色である。
「・・・何故そのようなことを?」
「ストレス解消のためさ。君たち二人の仲睦まじい姿を見ていると心が洗われるような思いなんだよ」
「「・・・・・・」」
- 仕事量が減ったとはいえ、シュナイゼルが先帝シャルルの起こす騒動に度々胃を痛めていることは周知の事実であり、
そのような理由を挙げられると非常に断りにくい。
「・・・駄目かい?」
「・・・させていただきます」
結局折れたのはカズシゲたちの方だった。
256 :トーゴー:2014/01/08(水) 21:15:57
「な、なんだか緊張するね」
「そ、そうですね」
椅子の向きを変えて向かい合うように座っているカズシゲとソフィー。
ソフィーの動きを待つカズシゲもお茶請けのクッキーを摘まむソフィーも表情が硬い。
何度もしている行為なのだが、シュナイゼルとクローディアの視線が気になってなんだか落ち着かない。
「私たちのことはいないものと思ってくれ」
「そうそう。だからひょいっといっちゃいなさい。ソフィー」
せかす親二人。
「あの・・いきますね・・・」
「う、うん・・・あ、あーん・・・」
そろそろとソフィーがクッキーを差し出し、カズシゲが口を開け・・・
パクッ カシャツ
「「えっ!?」」
シャッター音に驚いてテーブルの向こうを見ると、そこには携帯電話を構えたクローディアがいた。
「作戦成功だね」
「ええ。良い写真が撮れたわ」
「お、お二人とも何やってるんですか!?」
「何って・・・写真を撮ったに決まっているじゃない」
まったく悪びれずに答えるクローディア。
「写真を撮るなんて聞いてませんよ!」
「カズシゲ君、これを憶えておきたまえ・・・謀略は、騙された方が悪いんだよ」
「ごまかさないでください!今の写真、消してくださいよ!」
「ふふっ、それはできない相談だね」
「ちょ、ちょっと・・・」
コンコン
「・・・殿下、お時間です」
と、ドアがノックされ向こうからカノンの声がする。
「おっと、もうそんな時間か。私はここで失礼させてもらうよ」
「私もそろそろ支度をしないと・・・」
何事もなかったかのように退室しようとするシュナイゼルとクローディア。
「ま、待ってくださいって・・・!」
カズシゲは二人を静止しようとするが・・・
「「ごゆっくり」」
バタン
二人はそれを無視して行ってしまった。
「ど、そうしよう・・・」
「その、多分もう手遅れでは・・・」
恐らく、既に写真はカズシゲの両親のもとに送信されてしまっているだろう。
「だよ・・・ね」
「「はぁ・・・」」
溜息をつく二人。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
その後二人はしばらく無言だったが・・・
「・・・ソフィー」
「・・・はい」
「その・・・さ、もう一回、してもらってもいいかな?」
「は・・・はい!」
結局、カズシゲは次の予定に間に合うギリギリの時間まで離宮に滞在したのだった。
257 :トーゴー:2014/01/08(水) 21:17:18
以上です。タイトルは「エル家の人々(前編)」みたいなかんじですかね?(次が後編かは分かりませんが)
ソフィーの母親が登場です。この調子でどんどんオリキャラを出していきますよー(というかしげちー世代のキャラが・・・)
それにしても・・・クローディアはおっとりした貴婦人のはずだったのに、なんでこんなノリの軽い人になってしまったんだろう・・・
こんな人ですが、シュナイゼルに対してはデレデレで極めて献身的で、
シャルルが皇帝の時代にはシュナイゼルの生きた精神安定剤としてエル家の命綱だったんです。
シュナイゼルの為に(自己判断で)密かに巫女服やシスター服を買っていたりする良き妻なんですよ?
あ、私の作品は支援SSまとめに掲載可です。
最終更新:2014年02月22日 17:29