295 :名無しさん:2014/01/10(金) 00:36:13
太平洋戦争でのトラック諸島における戦いを描いてみた
トラック大空襲
トラック島要塞
それは、中部太平洋に位置する諸島であり、大日本帝国の絶対防衛圏と設定された島である
その島には、ブリタニアを迎え撃つ為に要塞化しており、多くの航空機が展開していた。
東洋のジブラルタルと恥じない陣容であった
更には、トラックには多くの海軍艦艇が配備しており、開戦初頭のウェーク海戦で損傷したり、任務があったものを除く戦艦が勢ぞろいしていた
扶桑型戦艦の山城・扶桑、日本海軍初の41cm砲を搭載した陸奥、長門型を強化した土佐がいたのである
それらの艦艇は中部太平洋でブリタニアに睨みを利かせる存在として配備していたのである
他にも軽空母として祥鳳・瑞鳳・紅鳳・天鳳の4隻に多数の巡洋艦・駆逐艦が配備されていたのであった。
彼らは、対策は万全で、開戦初頭のように再びブリタニアに勝てると信じていたのであった・・・・・
艦橋は修羅場となっていた。
間断なく入ってくる報告・命令・攻撃音が入れ混じっているのである
「敵機!急降下!」
「面舵一杯!」
彼らが乗っている駆逐艦は敏捷な動きで攻撃をかわすことに成功した
しかし、周りは地獄絵図だった・・・・
いつものように、訓練のために蒸気を上げていたところ、突如、低空からブリタニアの艦載機集団が襲撃してきたのである
各艦艇は急いで速度を上げて対空戦闘の準備を行い、飛行場から緊急迎撃機を発進しようとするも全てが遅かった
飛行場が真っ先に襲撃させられて、多くの戦闘機が地上で撃破されてしまった
次に目標となったのは、係留して動けなかった輸送船やたまたま航空機を輸送中だった
大鷹と沖鷹で、たちまち炎上させてしまった
そして、我々海軍の戦闘艦にも目標となったのである
戦艦・巡洋艦・駆逐艦などは必死に弾幕を張ったが、敵はあざ笑うかのようにすり抜けて
爆弾・魚雷を落としていったのである
最初に破滅が訪れたのは、戦艦陸奥である。
急降下爆撃機から投下された大型爆弾が装甲を貫通して、弾薬庫に飛び出し、そこで爆発を起こし、
主砲弾の誘爆を起こしてしまった。船体の後半が大爆発を起こしながら千切れ飛び、たちまち沈んでしまった
山城も多数の至近弾・魚雷を食って、多大な浸水を招き、もはや艦は救えぬと判断して
陸上に乗り上げて座礁してしまった
扶桑は急降下爆撃で砲塔が1基潰されてしまい、魚雷も1本喰うも速度が低下した以外は健在であった
最も酷かったのは土佐であろう
多くの艦載機が土佐を目標に攻撃してきたからだ。
多数の爆弾・魚雷が投下してきて、艦上はみるも無残な姿となった
それでも、沈まなかったのである。まるで、過去に連合艦隊旗艦に選ばれたことに対する意地であるかのように沈まなかったのである。
空母も狙われた。祥鳳が多数の爆撃を受けて、ガソリン庫に引火してしまい、炎上しながら横転してしまった
瑞鳳・紅鳳・天鳳も攻撃を受けたが、飛行甲板に損傷を負っただけで、船体にダメージは無かった
296 :名無しさん:2014/01/10(金) 00:36:47
嵐の様な艦載機の攻撃が通り過ぎた後は、火の海であった
最後まで攻撃を受け付けなかった駆逐艦は生存者を救助していったが、それも途中で打ち切られた
なぜなら、トラックが再び目標として攻撃されるのは自明であり、そのために艦隊を脱出するためであった
太陽が沈む中で、戦艦土佐を中心に空母・巡洋艦・駆逐艦達が一斉に移動を始める
先頭に立った、駆逐艦が水道から真っ先に出ると潜水艦を探し始める
予想通り、何隻かが網を張っていたようで、これらを爆雷・山嵐で撃沈させる
戦艦土佐が出し得る最大速度12ノットでノロノロとマリアナ諸島へと目指す
夜闇が包まれる中、何事もなかったことにホッとしていた空気が流れそうになった途端
航行していた艦隊の周りに水柱が立つ
みれば、水平線の奥の方から、ブリタニアの戦艦部隊が追撃にやって来たのである
最初に目標になったのは紅鳳で、水柱が包まれたかと思うと、火柱が上がり、船体が、真っ二つになって沈められたのである
次に狙われたのは、重巡洋艦で前半分がもぎ取られ、たちまち行き足を止めてしまう
もう駄目だ・・・・・
という空気が流れだした、その時
戦艦土佐と扶桑が反転しだしたのである。そして、最後の命令が届く
「我、殿を務める。戦艦2隻でブリタニア戦艦を撃滅せんとす。残るは全速でマリアナへ行け」
そう言うや否や、砲撃を始める。ブリタニアの艦隊も土佐と扶桑に砲撃を集中させる
速度が上がらない土佐と扶桑は撤退戦においては足手纏いである。ならば、可能な限り邪魔をして、他の艦を救おうと行動に出たのである
その行動を意味することが分かった将兵達は涙を流しながら、敬礼を行うと同時に最大速度を上げて離脱していった
その艦隊砲撃戦は夜明けまで止むことは無かった・・・・・
土佐と扶桑の自己犠牲のお陰で他の艦隊は無事にパラオに辿り着き、そこで工作艦からの応急修理を施し
復讐戦としてマリアナ沖海戦に参加して、大半が撃沈してしまったのである・・・・・
夜が明けるとともに、トラックは再び艦載機集団が襲撃してきて、トラックに設置された砲台・陣地を破壊していく
そして、土佐と扶桑を沈めた戦艦部隊はトラック諸島に近づき、艦砲射撃を見舞う
その時に残された、山城と砲撃戦となったが、たちまちに鉄屑と化してしまった
こうして、無力化されたトラック諸島であった。
残された将兵は上陸戦を覚悟したが、ブリタニアは上陸戦をすることなく引き揚げてしまった
彼らは最大の目標である、トラック諸島の無力化に成功した為、これ以上の攻撃は不要と考えていたのである
彼らが、再び戦場に現れるのは北マリアナ諸島を巡る戦いの事であった・・・・
297 :名無しさん:2014/01/10(金) 00:39:09
終わり
ウェーク沖海戦で損傷した戦艦が、長門・加賀・伊勢・日向を想定して書きました。これらの戦艦は本土で修理中でした
また、大和はこの時別の任務・北の海域にいたことを想定しています
正規空母は・・・・たまたまいなかっただけです。そういうことにしてください
最終更新:2014年02月22日 17:30