919 :名無しさん:2013/10/28(月) 01:19:52
大三帝国様支援ss
大西洋に展開する日本海軍潜水艦呂―72は女性軍人として初めて艦長となった如月千早が座乗した潜水艦であった。
千早はこれまでに多くの輸送船・軍艦を撃沈させており、撃沈総トン数はトップエースの海江田には及ばなかったものの
トップ5に入るサイレントキラーを代表するまでとなった。
彼女はこの日も通商破壊任務をしていた・・・・
「なかなか、船が出会わないですね」
「しょうがないかと。我々が喰い過ぎたので、船が足りてないかと」
「そうね。食べ過ぎては太ってしまうものね」
そう言うと、ドッと笑いが出た。
そして、一人の水兵が声をかけてきた。
「艦長。すいませんがラジオを掛けてもよろしいでしょうか?」
「許可します。他の作業員が邪魔にならない程度の音量なら構いません」
「もちろんです」
そういって、ラジオを付けに行く
その様子を見た副官が尋ねる
「よろしいのですか?」
「ええ。ここで流れる
アメリカ大本営発表は皆の娯楽になるもの。
私もひそかに楽しみにしているの」
アメリカ大本営発表というのは負け続きで厭戦気分が漂っている、国民の政治不満を反らす為に
発表された放送であるが、その成果発表がデタラメである為に笑いの種として提供させていたのである
事実、発表成果が、我が潜水艦が空母や戦艦を沈めただの、潜水艦を撃沈に成功しただの
航空機を何百機撃墜しただのという内容ばっかりであった。
「今日も面白い内容ね」
「そうですな」
千早と副官がのんびりとお茶を飲みながら会話する
やがて、ラジオからは司会者が大統領に質問する内容に入っていた
『大西洋には日本の潜水艦が暴れまわっていますが、この問題はどう考えているのですか?』
『なーに我がアメリカン海軍ボーイがまもなく一掃してくれます。安全な海を提供するのが私の義務です』
『さすが、心強い言葉です』
『大西洋にはチハヤという胸が気の毒な男が潜水艦長を務めて暴れているので、真っ先に撃沈さして見せましょう』
『男ですか?』
『おっと女性でしたな。胸が気の毒すぎて男と勘違いしたよ。HAHAHAHA!』
「・・・・・・」
その内容を聞いた副官は振り返るのが怖かった。冷たい空気と殺気が流れているからだ。
しかし、振り返らなければなかった。
恐る恐る振り返ってみると、千早は笑顔だった。
ただし、手に持った湯のみがバキバキと嫌な音たてていたが
「あ・・・・あのー・・・・か・・・・艦長?」
「何でしょう?」
「あ・・・あれはアメリカンジョークですから、冷静になさってください」
「ええ。分かっています。非常にわ・か・っ・て・い・ま・す・と・も!」
バキーンと湯のみが破壊される。近くにいた水兵が「ひっ!」と悲鳴を上げる
千早はやおらに立ち上がると質問してきた
「魚雷は何本ある?」
「え?えっと・・・・・・20本ですが」
「よろしい。機関長、燃料はどれだけある?」
「こないだ補給したばかりで満タンに近いぜ」
「ありがとうございます。航海長いますか!」
「はっ!ここに」
隔壁の向こうから航海長がやってくる
「何でしょうか?」
「針路をニューヨークにとれ、最短距離でな」
「はっ!最短距離でニューヨ・・・・えっ?」
航海長は復唱しようとしたが、ありえない単語が聞こえたので止まってしまった
「聞こえなかったのか?針路をニューヨークにとれ、最短距離でな」
「ちょ!ちょ!待って下さい!艦長!陸地に近づくと言う事はただでさえ危険な事なのに
港に行くのは自殺行為です!ニューヨークはワシントンDCの近くですよ!」
「だからだよ。そこで大騒ぎすれば国民は大統領の信頼が揺らぐ。それにな」
千早はニヤァと哂うと
「失礼なことを言う男はお仕置きが必要でしょ?」
それを見た男たちはコクコクと頷くと同時に思った
))))
最終更新:2014年03月23日 16:14