921 :名無しさん:2013/10/28(月) 01:20:29
―――ニューヨーク
それは、ウォール街を代表するように資金の中心地であった。
そして、港にはニューヨーク造船所があり、そこでは数多くの海軍艦艇が建造されていた
港には燃料を運ぶタンカーや資材を運ぶ輸送船がひっきりなしに入っていた
この日もいつものような日常を過ごせると思われていた
突如、タンカーが大爆発と共に燃え上がった。
それを見た周囲は事故が起きたと考えられたが、近くに完成したばかりのインディペンデンスが爆発し
同時にあちこちで爆発が起きたことで、ついに気付いた。攻撃を受けていると
「うふふふ・・・・・慌てているわね。一万トンタンカーがたくさん。海軍艦艇も多いわね。よりどりみどりね
魚雷装填急ぎなさい。もうすぐ反撃がきます」
「「「「了解です!」」」」
騒然となっている発令所
千早達が乗る呂―72は敵を避けながら、ニューヨークに到着することができた。
そこで、港内に侵入して魚雷戦を行っていた
「むっ、駆逐艦が3隻来ますね。ただ、慌てているせいか最大速度で単縦陣で来ますね
音響魚雷を用意してちょうだい。先頭の駆逐艦に当てます。取り舵12」
「はい!」
ゆっくりと動き、そしてタイミングを計った千早が素早く命令を出す
「発射!」
発射された音響魚雷は、相対的に速くなった速度で、方位0度の角度で先頭の駆逐艦に直撃した。
爆発を起こした駆逐艦はそのまま水圧で、艦体の針路が90度曲がってしまう
これには慌てたのは後続艦だ。
慌てて避けようとするも最大速度で移動していたのが裏目に出て、そのままぶつかってしまい
3隻目は辛うじてかわすもそこに新たな音響魚雷がやってきて艦尾を吹き飛ばしてしまう
「よし!3隻喰いました!次の目標は陸地に接している一万トンタンカーです!魚雷が無くなるまでやります!
休んでいるやつを見つけたら発射管に詰めるわよ!」
「「「「イエス!マム!」」」」
こうして、千早達は暴れに暴れまわり、帰った後に残されたニューヨークは無数の屍をさらして、火の海となっていた。
一万トンタンカーや輸送船にはガソリンや弾薬を運んだ船があったらしく大爆発を起こし撃沈された船から漏れた重油に引火して大火災を起こしたのだ。
こうして、造船所で新造中の船にも大被害が及び、ニューヨーク港は数カ月使用不能に陥ったのであった。
ワシントンDCの足元で起きた出来事なだけにロングは顔を真っ赤にしながら、全軍に追撃命令を出した。
陸軍も海軍も
アメリカ本土近くで起きたなだけに失態を注ぐ為に全軍上げて追撃されたが
呂―72はその重大な警戒網をあざ笑うかのようにすり抜けてしまった。
むしろ、近くを航行中だった友軍潜水艦を数隻、同士討ちをしてしまうという恥に恥を上書きされた状態となった。
こうして、カナリア諸島に戻った千早だが、日本本土では独断専行した千早をどうするかを会議が行われた
処罰するべしという声が多かったが、アメリカ本土を攻撃し、大戦果を上げた英雄なので下手に処罰すると問題があったため
表向きには呂―72には秘密命令で行われたとして、不問としたのであった。
ただし、千早は本土で潜水艦教官として呼び戻された為、しばらく前線から離されることになった。
これが後に伝わる、ニューヨークの悲劇の顛末であった。
最終更新:2014年03月23日 16:15