848 :休日:2013/12/05(木) 21:04:11

それでは投下させて頂きます。
色々と甘いところが多いと思われますが御容赦くださいませ。


849 :落日の新大陸 新人類:2013/12/05(木) 21:05:36

前回投下させて頂きました落日の新大陸におけます総統閣下の妄想ネタです。


850 :落日の新大陸 新人類:2013/12/05(木) 21:06:19

落日の新大陸 新人類

この世界の人類には大別して2種の突然変異種が存在している。
一つは地上の支配者たれとして神に選ばれ創造されし人間、白人種。その中で永き時の果てに新たなる段階へと進化を遂げた人種たるアーリア人が該当していた。
高き知能と各種に秀でた自らの能力を遺憾なく発揮したアーリア人の優秀さを鑑みれば、他の人種とは明らかに異なる別種の人類(便宜上【新人類】とする)であるというのは周知の事実であることがわかる。
アーリア人は白人世界の中で頭ひとつ抜きん出ており、バラバラであった欧州を一つに纏め、短期間の内に世界に冠たる第三帝国を築き上げつつあった。
第三帝国というユートピアは劣等種の一種であるスラブ人を駆逐し、ウラル山脈以西の全ヨーロッパを統一することで完成される。正に今、その為に必要な努力を重ね劣等民族スラブ人を東へ東へと追いやっている最中だ。
しかし、碌な能力を持たないながらも数だけで持ち堪えようと悪足掻きを続けるスラブ人は意外にも粘り強く、ウクライナを取った所で一進一退の攻防が続けられていた。
といっても、それも所詮は時間の問題であると言えるのだが、一つだけ非常に厄介な事があった。それは劣等種スラブ人を玩具にして遊んでいる東の果てに住まうもう一つの突然変異種の存在だ。
カテゴリーとして当て嵌めるのならば、その突然変異種もまた間違いなく【新人類】に該当する。それも、その新人類はよりにもよって劣等種とされる有色人の一つ、黄色人種から変異・進化を遂げていたのだから白人の突然変異種であるアーリア人にとっては脅威以外の何物でもない。

【日本人】

それこそがアーリア人以外で唯一、次のステップへと到達した黄色人種の突然変異種である新人類の名。
白人であるアーリア人と黄色人の日本人は相容れない間柄ではあったが、同時に互いに直接手は出さないという暗黙の了解が成立するのもまた進化した人類ならではの物と言えよう。
進化した過程や土壌こそ違えど、そこは共に同じ頂に立った新人類。物理的手段を持って相争うような愚かな行動は取らない。
アーリア人が支配するドイツ第三帝国と、日本人が支配する極東の黄金大陸、大日本帝国は共に人類の支配者として緩やかな対立を続けていかなければならないのだ。
新人類である互いが万に一つも物理的に争うようなことがあれば、世界は、人類は破滅の道を辿ることになる。それについてドイツは元より日本としても本意ではないであろう。

世界を主導すべきはドイツ、そして業腹だが日本の2国のみであって、その他の国や旧人類が立ち入ってはならない領域なのだ。
そこを勘違いして思い上がったが最後、旧人類には破滅が訪れる。

「失礼します」

そう、今こうして上がってきた報告が物語っているように。

「大日本帝国陸海軍の主力がアメリカ西海岸に上陸。カリフォルニアを攻め落とし、次いでオレゴン、ワシントン、ネヴァダへの侵攻を開始しました。
対するアメリカ側も奮戦しているようですが、圧倒的技術格差とアメリカと同等以上の物量を誇る日本軍の前に持ち堪えることが出来ず、各地で防衛線が突破されている模様です」
「ふん、無知蒙昧にして思い上がった劣等人種ユダヤ人と植民地人共が己の分を弁えずに新人類である日本人に手を出した結果だな。奴らと対等に渡り合えるのは奴らと同じ新人類たる我々にしかできんというのに何を勘違いしているのやら」

報告に訪れた親衛隊員の言を耳にしたゲーリングが大きく膨らんだ腹をさすりながら愚かな劣等人種の無謀な行いを口にして蔑む。
続くのはヒムラー。

「分っていたことですよこうなるのは。問題はこのまま手を拱いていてはあの肥沃な大地を東洋の新人類に奪われてしまいかねないと言う事です」

こちらも白人の劣等人種であるアメリカ人を嘲笑うかの如き態度だ。


851 :落日の新大陸 新人類:2013/12/05(木) 21:06:55

正直、あの様なエボリューション(進化)とは真逆のデボリューション(退化)へと自ら進み続ける愚劣な人間擬きにあの肥沃な大地は宝の持ち腐れとしか言えない。

「総統、如何なさいますか?」

皆の視線が集まる。何を期待しているのかは分っているが正直なところを言うならまだだ。

「白人――と口にするのも汚らわしい人間擬きのアメリカ人共はいま己が所行の報いを受けているところだが、奴らが日本人に滅ぼされようが奴隷にされようがそんなことはどうでもいい。
諸君が気にしているのはそこではなく、ヒムラーくんが述べたようにあの新大陸が日本人に奪われてしまわないかということだろう? それを阻止する為に我が第三帝国とその同盟国の戦力を掻き集めて北米大陸へ送り込むべきだと。
成程。確かに、このまま手を拱いていては豊穣なるあの土地は日本人の物となってしまうやも知れんと諸君が危惧を抱くのも分かる。だが、まだその時ではない」
「しかし総統。このまま放置して置いては――」
「無論、各国へ呼び掛けて準備はさせる。東部戦線もウクライナ全土を確保したいま事を急く必要はなく、占領地の防衛に要する充分な戦力さえ貼り付けて置けば更なる攻勢に出なくとも良い。
どうせロシアの熊共にはウクライナを奪還することも出来まいて。おまけに奴らは腹の中まで日本人にしゃぶりつくされ良いように遊ばれている」

日本を良いように利用していると勘違いしながら、その実は日本の手の平の上で猿回しのように弄ばれているのが今のロシア熊だった。
言い値で武器を買わされ、売って貰えたと有り難がっているその武器が実は全て2線級であるというのが現実なのだからな。
問題があるとすれば、その2線級の武器が曲がりなりにも我が方へ通用しているという所か。
恐るべきは日本人である。どんなに目を逸らしたくとも奴らの進化は我々よりも速く、現状追い掛けているような状態だ。
奴らの進化速度は明らかに常軌を逸している。おそらくは東洋に伝わる魔法を体得し、使用しているのであろう。
新人類へと進化した人間が魔法を体得すれば、かくも進化速度が上昇するものとは思いも寄らなかった。
常に先々を考え的確な手を打っては見事に花開かせている日本人を見ていれば、嫌でも奴らが特別な力を持っているのがわかるというもの。

それとも……。
それともあれは魔法ではない別種の能力だとでも言うのだろうか?

未来見その物と言える奴らの能力が魔法でないとすれば進化の過程で目覚めた新しい能力となるのだが、もしそうだとするならば、あの異常進化の説明もある程度は付けられる。
2種しか存在しない新人類は特別な何かに目覚めたとしても何ら不思議なことではないからだ。寧ろそれでこそ新人類の証であるとも言えるのではないだろうか。
それならば我々の中にも必ずや表れるはずだ。だが、何処で差が付いた? 我々には無く日本にはある物………。

(……………豊穣なる大地、日本大陸か)

日本人がいち早く能力に目覚めたのは、あの全てに於いて恵まれている世界一豊かな大地、日本大陸と何か関係があるのかも知れない。
我々が奴らの後塵を拝する形になっているのはこれこそが原因なのやも。
とすれば、同じ条件を満たせば我々アーリア人も次のステージへと進めるようになるということか。


852 :落日の新大陸 新人類:2013/12/05(木) 21:07:28

更なる進化のために豊饒の地が必要だというのならば、何としてでも新大陸を手中に収める必要が出てくる。
いつまでも日本人の背中を追っている現状にはいい加減飽き飽きしているからな。
だが――。

「だが北米侵攻についてはまだ早い。少なくともオレゴン、ワシントン、の2地域が落ちてからだ。そこまで行けば西からの侵攻に対する防衛の為に東部の戦力が西寄りに張り付き東海岸が手薄になってくる。
この時点で準備万端整えて置いた我ら第三帝国を中核とした欧州枢軸の全戦力をアメリカ東海岸に叩き付けるのだ」

劣等種というものは野蛮人宜しく力だけは強い。頭の悪さを補おうとしてひたすらに数と力だけを求めるのが野蛮人の性質だ。
実に不愉快なことだが腕力だけで言えば新人類であるアーリア人よりも、劣等中の劣等種であるユダヤ要する植民地人の方が強い。
要するにそれすらをも上回っている東洋の新人類が異常なだけなのだ。
新人類へと進化したばかりの我々には日本人が持つ程の能力はまだ無い。故に劣等種とはいえ、あれだけの大軍と国力を持つ相手に正面から馬鹿正直に突っ込んでいくのは愚かな選択と言えよう。
だからこそ今はまだ待たなければならん。急いては事をし損じるという物だ。

「日本の勢力圏がロッキーを越えて東部にまで広がってくると危惧している者も居ようがそれは杞憂に過ぎんよ。考えてもみたまえ。日本は自ら戦争を仕掛けたことがあるかね?」

ない。
歴史上日本が自分から対外戦争を起こしたことは物の見事に一度たりともない。
では何故戦争をしないのかとなるが、これについてはたった一つにして唯一の要因――日本は戦争をする必要がないからの一点に尽きる。

極東の大陸日本には、ありとあらゆる資源が眠っており、古来より自国でのみ完結することが出来ていたのだ。
その豊饒な土地を奪おうとして外の国から戦争を仕掛けるというのが日本が戦う戦争の主要因となっている。
今回も同じだ。人間擬きであるアメリカ人が日本大陸の資源に目を付け、奪おうと試みた結果による戦争。


853 :落日の新大陸 新人類:2013/12/05(木) 21:08:02

アメリカの劣等種が愚かだったのは、万に一つにでも日本に勝てると考えていたところであろう。
自らよりも格下の相手と戦えば勝てるであろうが、アメリカと同じだけ豊かな国であり、且つ認めたくはないが、
アーリア人に先んじて10万tにも達する巨大空母。20万tに迫る巨大戦艦。更にジェットエンジンを搭載した新型戦闘機や巨人爆撃機を開発してしまうような新人類日本人が相手となれば、所詮は人間擬きの劣等人種には勝つ術など無いのだ。
現にアメリカは太平洋全域から叩き出された上に、カリフォルニアまで占領されてしまった。それどころか日本の攻勢からして西海岸全土が落ちるのも最早時間の問題となっている。
日本人に対抗できるのは世界広しと言えど、同じ新人類である我らアーリア人が率いる第三帝国以外に有り得ない。
それを勘違いした劣等人種共が腕力を自慢して喧嘩を売ったりするからこうなる。
己が分というものを弁えてさえいれば何れ完全なる進化を遂げた我らの手足として使ってやったものを……。

所詮は劣等種でしかないと言う事か。

「日本人は自分たちが持つ元々の土地で全てが完結しているのだ。今更新大陸への版図拡大など考えてもいないであろう。故に、彼らが要らないというのならば我々西側の新人類が頂くのみ」

アメリカが滅び、所有者の居なくなった新大陸を奴らが要らないというのならば、我らが頂くだけだ。
欲のない日本人共のこと、何も言わないであろうというのは簡単に想像が付くのだから争いの種となったりすることもない。

「では、ライバルとなるのは……」

ゲーリングが口を開く。日の落ちた新大陸を巡る相手が日本人でない以上一つしかないのだが、敢えてこちらに答えを言わせようとする辺り彼も空気が読めている。

「決まっているだろう」

――真っ黒な腹をした新人類のなり損ない、日本人の盟友だ――

新人類のなり損ない共には注意しておかなければならない。何せ奴らは日本を裏切らなかった。
日英同盟を締結した当時はまだ日本人が新人類であるとの確証が得られていなかったのにも拘わらず、同盟を組んで以降一度たりとも黄色人種日本人を裏切っていないのだ。
それだけで先見の明があり、なり損ないと言えど油断の出来ない相手であると言えよう。

「日本には遅れを取ったが、新人類ではないジョンブル共に遅れを取るようなことだけは断じてあってはならない!」


854 :落日の新大陸 新人類:2013/12/05(木) 21:09:34

終わりです。
大陸日本が凄いのも日本人が驚異の技術力を持っているのも【新人類】が持つ【特殊な能力】故にという、総統閣下以下ナチス幹部の妄想です。
あまりにも隔絶した大陸日本を見てしまった結果、少なくとも自分を納得させるために彼らは理由が欲しかったというところですね。

前回のお話しの御意見・御感想、真に有り難う御座いました。
大変励みになっております。

それでは失礼いたします。


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修正回:0(アップロード)
修正者:Call50
備考:誤字・空欄等を修正。

修正回:1
修正者:
修正内容:
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最終更新:2014年05月27日 00:31