317 :スレ7・708:2013/12/08(日) 17:16:47

それでは投下します。なお完結予定は未定のもよう

【ネタ】大陸日本1999 ②【捏造】

※このSSは【ネタ】大陸日本1999【捏造】の続編です。
※このSSは作者があくまでネタとして自由に妄想の翼を広げた作品です。
※このSSには憂鬱本編に関わる捏造設定が含まれます。その点どうかご注意ください。

夢幻会が密かに「HOSの発表阻止」を決定してから数ヶ月。この日、帝都某所では再び〈会合〉が開かれていた。

「さて皆さん、ここに『いい報せ』と『大変悪い報せ』があるわけですが……どちらから先にお聞きになりたいですか?」

この大陸世界で警視総監を務めている “村中” (無論【外の人】には別の名前があるが、『津波ルート』からの転生者たちの間では『お互いに当時の名前で呼び合う』という習慣が出来上がっていた)の言葉に、一同が「ならいい報せからで」「いやいや、そこは悪い報せからだろjk」「いや、ここはいい報せが」「いいや、悪い報せだ」「じゃあもう悪い報せからでいいよ」「「どうぞどうぞ!」」「それ使い方違う!」「おうどっちでもいいからあくしろよ、勿体つけんなよ」などと口々に応ずる。
ああ俺が崇拝してたのはこんな人々じゃなかったはずなのに……とでも言いたげにこめかみを押さえつつも「では、私の独断と偏見に基づき『いい報せ』からとします」と自棄のように宣言して、村中は話を進める。

「『先日の篠原重工に対する立ち入り検査の結果』『致命的な欠陥が発見された』ため、予定されていたHOSの発表は中止されました。篠原に残っていたデータもこちら側で物理的に回収、または破棄してあります」

「おおやったじゃないか」「これで惨劇は回避されたな」「いやちょっと待て、『残っていた』ってどういうことよ」とざわめくメンバーを前に、村中はもう一つの重大な事実を提示する。

「次に、『大変悪い報せ』の方ですが……申し訳ありません。帆場暎一を、取り逃がしました」

え"?

そんな擬声語が画面の上に浮かびそうに思えるほど、全員がその一言で綺麗に硬直した。

「家に踏み込んだ時には既にもぬけの殻でした。しかも電子化されていたデータは、侵入した何者かの手でことごとく消去されています。事前に気取られないよう、できる限り努力はしたはずだったのですが……」

完全にしてやられた。そんな表現が似合う状況だったという。

「その上、挑発のつもりかテーブルの上にこのような走り書きが」

村中が「写しです」とコピー用紙を卓上に置く。
どうにか凍結状態から回復してそれを取ろうと手を伸ばす神崎。だが、それよりわずかに早く横から白い手が割り込み、細い指先で紙片をかっさらった。

「ふむ……『いざ我らくだり、かしこにて彼らの言葉を乱し、互いに言葉を通ずることを得ざらしめん。』ですか」

帆場の筆跡で記された文面を睨み、静かだがよく通る声で辻が読み上げる。

「旧約聖書の一節だな。いかにも奴らしい……宣戦布告、ということか?」

脇からのぞき込む神崎の鼻先に、辻こと「高橋 瑞希(たかはし みずき)」がつけている香水がほのかに香る。
妙に “女” を意識させられて少々戸惑っている彼をよそに、他の面々は「あいつは計画を邪魔されて諦めるようなタマじゃないもんな」「ああ、絶対になにかしら仕掛けてくるぞ」と頷きあう。

結局その日は「以後捜索と警戒を厳にする」という結論でお開きとなったものの、帰り道の夜空に各々は早くも嵐の予感を感じ取っていた。


同時刻。湾岸某所の居酒屋にて、壁際の席でそわそわと人を待つ男が一人。彼は自分の横に人が座るのに気づいて顔を上げ、それが待ち人であることを察して期待と不審が相半ばする表情を浮かべた。
意を決して、隣の怪しげな痩せぎすの男に話しかける。

「ええと、今日はいったい何のご用件でしょうか?それから、そちらさんのお名前は……」

相貌に儀礼的な笑みを貼り付け、相手は答える。

「少々やっていただきたい事があるのですよ。もちろん、そちらの利益にもなるお話です。ああそれから、私のことは……そうですねえ、」

笑みが仄暗く塗り変わる。

「エホバ、とでも」

―――歯車が、回りだす。

318 :スレ7・708:2013/12/08(日) 17:18:04 投下終了です。
wiki掲載はおkということで。
 

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修正回:0(アップロード)
修正者:Call50
備考:誤字・空欄等を修正。

修正回:1
修正者:
修正内容:
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最終更新:2014年05月28日 21:37