165. ひゅうが 2011/12/06(火) 01:40:14
{
→111
earth閣下の方針への支援ですw

――西暦197X年 日本帝国 某所

「なんだ。もうバテたのか?情けない。フシミンのとこでは3日栄養ドリンクで完徹やったぞ?」

「し・・・嶋田総帥、さすがっす!」

「さすがは同人業界草創期からの鉄人!まさかトーンがないからといってそのまま原稿に直にペンで点を書くとは!!」

漫画研究会の部室の前には、人だかりができていた。
年末のコミケ向けに書かれていた合同誌の追い込み――いわゆる修羅場で、会長が原稿もろとも川に落ちるというアクシデントを受けて招集された漫研部員は、嶋田の神業に圧倒されていた。
そうこうしているうちに野次馬が集まり、日曜の朝からぶっ通しで9時間原稿にペンを入れ続ける嶋田にいちいち「おお〜っ。」と驚いていたのだった。


「まったく・・・世話が焼ける。」

「ねぇ。嶋田さんって、やっぱり大宰相じゃない?」

「本当本当。転校してきたときは本物か怪しんだけど。」

「だって真面目だし。」

「独裁者じゃないもんなぁ。」

「さすがは嶋田さん。」

「伊達に総理経験者じゃないなぁ・・・」

「おこぼれを狙った漫研を一喝しても、こうして手伝いに来てるし・・・。」

「俺、選挙権もらったら嶋田さんに投票するんだ――」

そう。
17歳にされてしまった嶋田は、ある地方都市の高校に通っていた。
最初は戦々恐々としていた教師陣も、嶋田の人当たりの良さや教師という中間管理職の悲哀を理解する人生経験にすっかりほだされ、生徒たちは若返って以来茶目っ気が増し、学業はもとよりスポーツ万能(腐っても海軍軍人である)な嶋田をおおむね受け入れていたのだった。
とりわけ、男子や女子の半分程度を占める漫画やアニメが好きな者たちにとり嶋田はコ○ケの生みの親にして同人業界草創期を知る「神」である。

ちなみに、嶋田の財力や政治力を露骨に狙ってきた漫画研究会は、嶋田に「それで満足できるのか?同人作家なら己のペンで覇を唱えないか!!」との一喝を受けて以来「師匠」だの「総帥」だのと呼ぶ信者と化している。

「さて・・・脱稿だ。」

「「「おおおおおおっ!!」」」

嶋田はいい笑みを浮かべた。

「お疲れ様でした!これで『機動戦艦「大和」』完成です!」

「提督のおかげでメカ考証も捗りました。にしても、いい笑顔ですね!」

「いや・・・こうして趣味に思い切り汗を流せるのは久しぶりでね。本当に――」

嶋田の目に光るものがあった。
過去に逝った英傑たちを思い浮かべているのだろうと周囲は思い、嶋田のカリスマは知らないうちに増していく。
・・・実際は、辻をはじめとする夢幻会の面々にてこずらされ、仕事に追われた過去に思わず目から汗が出ただけであるとは、誰も気がつかなかった。


【あとがき】――とりあえず、書いてみました。
すかっと爽やか青春もの(笑)。この世界の70年代末はたぶん1990年代中盤以降の技術・文化レベルになっているだろうなぁ・・・夢幻会がいろいろやってるだろうしw
}

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年01月02日 07:23