罪業     
ブリタニアの地名等は一部を除き史実アメリカと同一ということで

「ハリウッド付近に巨大な物体が上陸 詳しいことは不明です」

「クルシェフスキー卿 申し訳無いが迎撃に向かってくれ 部隊は好きなのをつれてってかまわないから」
「承知いたしました」
「ではブリタニア宰相としてナイト・オブ・トゥエルヴに命ずる ハリウッド近辺に上陸した人工物と思われる物体を調査ないし排除せよ」
「ヤルッチェ・ブラッキ・・・・・・・もとい、イエス、ユアハイネス」


「モニカ様、これは・・・・・・・・・・・巨大トラック?」
「いえ、地面から浮いているわ 技術部がフロートシステムというものを研究中だと聴いた覚えがあるわ
 メインメンバーが右腕たる助手連れて日本に亡命した挙句データ全部消しちゃったらしいけど」
「uh・・・・・・」
『そう、そのフロートシステムのデータの一部をある人が入手してね それを基に作った陸上戦艦(試作ver)よ』
身構えるブリタニア軍KMF

『おっと、攻撃なんかしないほうがいいわ コレにはね、各種超やべー毒物とか薬品とか満載されてるのよ
 下手につついたりしたらタンクから漏れて辺り一体百年は草も生えない汚染地域になってカリーが騒いだりしちゃうわよ
 あとあたしもうっかり自爆ボタンとか押しちゃうかもしれないの』

眼前の陸上戦艦とやらからの通信に攻撃が止まるブリタニア軍
(モニカ卿、操縦席は判ってるんだし狙撃で)
(駄目 通信途絶が爆破装置の起動キーになってる可能性もあるわ)
陸上戦艦の各所に取り付けられた銃座が射撃を開始する
「総員回避!」
『うふふ、思い出しますねぇ』
「何をだ!」
『二ヶ月前のメキシコシティですよ
 あの街をあなたたちが、いえあなたが焼き払った時の事ですよ、モニカ・クルシェフスキー』
「!」
『スラムに反政府主義者、というか作戦に失敗したテロリストがボロボロになって逃げ込んできた
 そしてブリタニア正規軍が下した解決策は、テロリストどもを一人残さず殲滅する、というもの』
「・・・・・・・・・・・・」
『あなたの本意ではなかったかもしれない 上からの指示だったかもしれない
 でもあなたと部下たちはメキシコシティのスラムを焼き払った
 逃げ出す人々を[完全に公平に]殺し尽くした』
「その報復というなら、いつその中身をブチ蒔けるんだ?」
モニカは問いかける
とにかく会話をして時間を稼ぐしかない 稼いでどうにかなるとは思えないが

『ブリタニアのド真ん中で、だわね 土も水も空気もしっかり汚染させたいですし
 出来ればブリタニアの誇りとやらも』
「そんな事をしてどうなるというの ブリタニアのとはいえ幾万もの子供たちを殺すことになるのよ、あなたが
 ブリタニアだけじゃない その汚染はきっと世界中に広まって、ひょっとしたら世界すべての未来を殺すことになるのかも
『未来など』
「おまたっせ!」

そこに飛来したのはナイトオブスリー、ジノ・ヴァインベルグ
かれのサザーランドはフライングボードという、試作型のフライトシステムに乗ってやってきた
「でもコスト悪いし取り回しも最悪だし、ボツだな」

即座に陸上戦艦に取り付き、操縦席を打ち抜こうとする
「悪いけど死んでもらうよ」
「やめろ、ジノ!」
モニカの叫びに引き金にかけた指が止まり、防御砲火に追いやられて彼のサザーランドも距離をとらざるを得なくなる
「何があったんですか、クルシェフスキー卿」
「すまんヴァインベルグ卿 じつはかくかくしかじかまるまるくまぐまという状況なんだ」
「わかりました」
「『わかったのかよ!』」


「しかし、そうなると困りましたね 引き伸ばしは無効の勝利ってコトですし」
『未来など        なくていい』
「?」


『夫も、娘も息子も殺された あなたに、ブリタニアに、人間に』
「!」
『あのひとにも子供たちにもあった筈の未来は奪われた。あの時全ては終わった。
 あの子達にもう無い未来が、他の奴らにあってなどたまるか!
 この世界に未来などあってたまるか!!』

プシュウン

「はい、ここまでよぉ」
「その声は、ナイトオブファイブ、レモン卿?」
「さっきジノちゃんが取り付いた時乗り移らせてもらったわ
 あなたの船、タンクと爆破装置の配線全部切らせてもらったわよ」
その言葉に『彼女』が振り向き、また向き直ったときその視界を埋めていたのは
モニカのサザーランドが構える銃口だった

「あなたの気持ちはわからない きっと全部はわかってあげられない… 
 ひょっとしたら正義があるのもあなたの方かもしれない
 それでも…それでもやっぱり あなたのやり方は間違ってるんだッ」
『うるさい黙れラウンズ!!あなたたちの手は人の血で塗られているんだ!
 マークやエメリアの血で塗られているんだ! 返せ血を! わたしのマークとエメリアの血を返せぇェェッ!!」

狂ったように、おそらく自爆装置のであろうスイッチを押し続ける女性に哀しみの目を向けながらモニカはつぶやく
「それでも、それでもあなたの行いは認めるわけにはいかないし、私も立ち止まれない・・・・・・・・・・
 背負った罪の重さが、それを許さないの」
そして彼女は引き金を引く


「許して・・・・・・・・欲しい   そんな考えが、たぶん許しがたいほどの傲慢なんでしょうね
 でもわたしは進み続ける・・・・・・・・無垢な子供らを、罪無き人々を殺し続ける
 いつかこの罪の重さが私を押しつぶすまで、わたしは止まる事もそれを疑問に思うことも許されない
 ブリタニア・・・・・・・・貴族だから」




はいここまでです

あー、漫画「スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター- Record of ATX」を読んだら
こんな場面が浮かんできて・・・・・・・・・

ちなみにナイトオブファイブは当然オリキャラ 彼女とその相方については後日


失礼
フロートシステムの試作型、ということで
地上から数メートルの所を浮いてる、と思ってください
彼女は「ブリタニアを憎む者」からの支援を受けて決起しました
捨て駒であることは十分承知の上ですが「まあそれでもいいか これ以上生きてる理由ないし」とこれを了承

とりあえず「細身のビッグトレー」をイメージしてください

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最終更新:2014年08月17日 18:50