末期EUにおける特殊な機体群について

末期のEUには数多くのキワモノ兵器が登場した。
どれもが戦況打開の決定打とはならなかった。
しかし当時のEU軍がいかに頭を捻り無いもの尽くしの中で工夫していたかわかる代物ばかりである。

ここではそんな面白くもあり、物悲しくもある機体を幾つか紹介していこう。



簡易改修機「アレクサンダ・ウォーリアー」
分類:第七世代相当 所属:EU
全高:4.40m 全備重量:7.17t
推進機関:ランドスピナー
搭乗人数:一人
固定武装:ウルナエッジ
装備武装:アサルトライフル(ジャッジメント) ミサイルランチャー
対KMFトンファー 対KMF近接戦闘刀 マークスマンライフル

ユーロブリタニアの攻勢により進退窮まったEUが送り出してきた機体の一つ。
これはまだまともである。

元々強襲用の可変形KMFであったアレクサンダから可変機能を無くし、生産性と整備性を特化させた機体。
まともなKMFを開発できなかったEU上層部が繰り出してきた急造の間に合わせ品である。

性能はアレクサンダのままではあるが特徴であったインセクトモードへの可変形機能が
排除されているので機動性に置いては従来のアレクサンダよりも低下しており、
インセクトモード含めてのトリッキーな動きもできなくなっていたので数少ない熟練兵や
エースパイロット達は従来のアレクサンダを使い続けた。

代わりに機動性を確保するために削っていた装甲を改めて追加。
幾らかは防御性能だけは向上していた。

なお量産された従来のアレクサンダと共に脱出装置付きではある。

多数のこの機体が戦線に投入されたが第七世代機を徐々に投入していたユーロブリタニア相手では焼け石に水であり
戦況の打開には繋がらなかったが要約割かしまともなKMFが大量配備されたとあって、
前線のEU将兵たちには意外と評判は悪くなかったらしい。

駆逐MTF「パンツァー・エレファント」
分類:MTF 所属:EU
全高:5.30m 全備重量:24.33t
推進機関:ランドスピナー(余り早くは動けない)
搭乗人数:二人
固定武装:大型リニアキャノン 近接防御用機銃×2 

中小破したパンツァー・フンメルを四機使い作り上げた即席KMF駆逐大型MTF。
第七世代を正面から攻略できる機体を前線の将兵が求めた結果使えなくなった損勝機を四個一して作り上げた急造品である。

砲台に使われていた砲塔を流用した大型リニアキャノンの威力は圧巻で、
直撃すれば第七世代KMFと言えど戦闘不能に陥られ世ることが出来た。

頭部には大型のレドームが設置してあり、これにはアレクサンダのファクトスフィアを
一部流用している。

しかし威力を求めた結果問題も多かった。
  • 固定砲なので自由に射角が取れない。精々上下30°に動ける程度である。
  • 機動性が殆どなく、自走する砲台状態。
  • 威力だけなら危険なので発見されたら敵に真っ先に狙われる。
  • 機動性なんてほぼ無いので狙われたら終わり。直衛機が欠かせない。
  • そもそも第七世代の機動性が高すぎるので上手くやらなければ攻撃が当たらない。
などなどである。

こんな機体だが第七世代を十分に撃破できるだけの威力持つ数少ない機体であり、
尚且つ割かし安く大量に生産できる機体だったので敗戦するまで前線や後方で量産され続けた。

一応脱出装置はこの機体にも設置されている。

(なお流石に第七世代相手ではパイロットまで完全に殺しきるには至らぬ場合は多く、
運の悪いパイロット以外は大抵脱出装置により脱出できている)

対第七世代KMF用KMF「アレクサンダ・クラージュ」
分類:第七世代相当 所属:EU
全高:4.44m 全備重量:6.87t
推進機関:ランドスピナー
搭乗人数:一人
固定武装:対KMF用大型パイルバンカー
装備武装:アサルトライフル ミサイルランチャー  etc

末期のEU軍が開発した一際キワモノな機体。
第七世代KMF相手では碌に撃破することも叶わぬEU軍が苦悩の末に開発した機体。

アレクサンダ・ウォリアーと同じくアレクサンダの可変形機能を排除し、
更に装甲を本家以上に削り機動性を極限にまで上げた機体。

主な武装は右腕に直接備え付けられている対KMF用の大型パイルバンカー。
これは第七世代のヴァリスすらも通さぬ強固な装甲を貫くためだけに開発された、特注品である。
内部での連続したサクラダイトによる小爆破により断続的に加速性を与え、
それにより得られた威力を直接パイルで叩き付ける武装となっている。

装甲を最低限の物以外排除し極限まで高められた機動性で敵に急接近し、
至近距離でパイルバンパーを撃ちこみ撃破するという仕様である。

この機体も脱出装置付き。

ユーロブリタニアの将兵の証言によると「機動性だけなら第七世代クラスだった」
と言われており、実際そのパイルの餌食になった機体も少なからず存在した。

しかしこんな無茶な機体が扱いやすいわけもなく、
右腕だけトップヘビーとなりバランスが悪く、更に装甲も元のアレクサンダ以上に薄いので、被弾即撃破・脱出という恐ろしい機体である。

登場当初は被害を受けていたユーロブリタニア軍もすぐさまに
「発見した場合フロート持ちの機体はすぐさま空に上がれ」
という対策を徹底さえ被害は抑えられた。

しかもその運用コンセプト上パイロットに求める技量も当然高い物となり、一部熟練兵やエース以外での目だった戦果は上げられなかった。

末期のEUの内情を表すような狂気とも言える機体である。

クラージュとはフランス語で勇気の意味。



投下終了です

別段苦い話でもなかったかもしれませんねw

このほかにも多分色々な兵器が出てきていそうな予感。
多分戦車や装甲車を素に改造した駆逐KMF戦車なんてのもありそう

因みに今回紹介した兵器はどれも理論上は第七世代でも“当たれば”正面から破壊できる・・・というだけです。

ぶっちゃけ大半の機体には性能差と技量差から当たらないと思われ(無慈悲)

多分本来の仕様目標である第七世代よりも幾らか混ざっているであろう第五世代に向けて使って戦果を上げた例の方が多いでしょうw

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最終更新:2014年08月17日 19:03