ユーラシア条約機構ルート 

欧州戦線の事情

日本侵攻失敗後ブリタニアは
東南アジア戦線(諸島は陥落、インドシナ半島に戦線は移動)
ロシア戦線(カムチャツカが陥落。現在はチュクチ・コリャーク戦線にて防衛中)
の二つの戦線に変わらずの侵攻を見せていた。

そして日本侵攻失敗後の約一か月後今度はAEU英国ブリテン島めざし一部本国艦隊を
主軸とした大艦隊を派遣。

AEUはこれを防ぐため連邦軍大西洋艦隊主力を出撃させた。

ブリタニア側は迎撃のための主力艦隊と上陸の為の上陸艦隊に別け、
AEU艦隊阻止のために二つの艦隊を別々に行動させた。

北大西洋アイスランド近海。ここでブリタニアとAEUの北大西洋沖艦隊決戦が行われた。

詳しい過程は省くが結果だけ言えば負けたのはAEU艦隊の方であった。
旗艦がブリタニア軍の軍艦によるミサイル攻撃を受けてしまい轟沈。
指揮系統が次列に移るまでの一瞬の混乱のスキを突かれて別途で待機していた
揚陸艦隊の突破を許してしまったのである。

揚陸艦隊はそのまま英国へ直進。
アイルランド州艦隊や残っていた防衛艦隊からの攻撃で被害を出しながらも
アイルランド、ブリテン島スコットランド付近に接近。

かつて追い出された故郷を再びと半ば狂騒染みた執念でブリタニアの揚陸艦隊は
防衛艦隊を蹴散らし遂に上陸を開始。

英国側の湾岸防衛部隊も負けじと反撃を開始するが、揚陸艦隊からの砲爆撃で
火力地点が次々と潰されていく。

上空では揚陸艦隊の護衛として随伴していた数隻の中型空母から発進した
ブリタニアの艦載機部隊とアイスランドから飛んできた陸上機との激しい空戦が起きていた。

中型とは言え空母を主力ではなく揚陸艦隊の方にまで割けるのは流石ブリタニアといったところであろうか。

しかしいつブリタニアが攻めてきても可笑しくない状況の英国は常時大量の航空部隊を
各地の基地に分散させて配備しており、英国侵攻に知らせを受けて欧州本土からも
大量の援軍がすぐさま飛び立たせていた。

これをブリタニアはグリーンランドから発進させた攻撃隊と、ブリタニア本土から発進させた、長距離爆撃隊によって少なくない数のAEU航空隊を拘束していた。

更に護衛機に護衛されながらグリーンランドから飛行、展開していたT4輸送機などからグラスゴー、空挺戦車などの空挺部隊が投下。
各地の航空基地や後方地点を空挺降下の要領で制圧しようとしていた。

これらの迎撃にも部隊を割かれた結果ブリタニア軍の上陸部隊への攻撃割ける戦力が低下していた。

その中でブリタニアの部隊は順調に上陸を成功させていた。
無論ここは敵地であるので完全には制空権を取り切れず、AEUの対地攻撃機や戦闘ヘリから猛爆撃を受けている部隊も存在した。

その混乱の中で撃墜されず下りられたブリタニアのKMF部隊はAEU軍の後方に浸透。
一気に後方の砲撃部隊へ襲い掛かりこれを犠牲が出ながらも殲滅。

沿岸付近で防衛戦闘に当たっていたAEU軍は援護の一つが無くなりブリタニアに押され始めていた。

湾岸付近限定だが戦況は徐々にブリタニア側へ傾き始めていた。

しかしここに来て西アフリカや北アフリカから来た援軍の航空隊が到着。
数の優位を生かし制空権を取るためにブリタニアに対しAEU航空部隊は勢いづいた。

更に司令部は今だ建造途中だった大型対空砲台の起動を遅まきながら承認。
英国秘密裏に開発中であった大型対空超電磁砲「シャンデリア」がブリタニア軍の航空部隊をその射程に捉えた。

これは大型の超電磁砲を同じく大型の氷山空母に載せた兵器で、英国州主導の
対空迎撃砲台の一つであった※1

「シャンデリア」の戦線到着に伴い、空中で戦闘していたAEU側の航空部隊が
一斉に退却。

これに驚いたブリタニア軍は「何事か!」と思ったが遂にAEU軍側が息切れしたのだと
思いこみ攻撃を続行。
普段の彼らならもう少しは怪しんだだろうが念願の父祖の地の解放目指して狂騒していた
彼らはこの時ばかりは冷静さを欠いていたと言われる。

その瞬間「シャンデリア」の主砲がブリタニア軍航空部隊の密集していた地点を砲撃。
直撃したもの、掠ったものは跡形も残らず、離れていたものでさえ超超音速の弾頭による
余波で壊滅。

ブリタニア軍は一瞬だが上陸部隊への空の直衛を失った形となった。
これを遠巻きにしてみていたAEU航空部隊は我先にとブリタニア軍の上陸部隊に殺到。
これを空からの攻撃により撃滅していった。

ブリタニア軍はこれに加え悪いことにT4輸送機に載せたKMFも先程の攻勢の際に投入してしまい予備戦力が少数しかない状況であった。

この予想外の事態に一瞬だけ呆けてしまった彼らに更なる悪夢が降りかかる。
沿岸付近からスキを伺っていたAEUの快速魚雷艇部隊が接近。
被害を受けながらも構わず突貫しスーパーキャビテーション魚雷を敵に揚陸艦隊にぶち込んだのだ。

これにより揚陸艇や随伴していた中型空母までもが損傷し、数少なくない数の艦艇が
AEUの魚雷艇部隊の壊滅と引き換えに戦闘不能に陥った。

ここにきてブリタニアの英国攻略艦隊司令部は撤退を決意。
上陸した部隊の回収を急がせると先の魚雷艇部隊の襲撃により主力艦の大半に何らかの
ダメージを負っていた揚陸艦隊にこれは好機と言わんばかりに襲ってくるAEUの航空部隊の迎撃に専念した。

その頃大西洋上で突破した揚陸艦隊を撃滅しようと急ぐAEU主力艦隊を少なくない被害を出しながら足止めしていたブリタニア大西洋艦隊にもこの報は届き、
艦隊司令は任務の達成は困難と判断し揚陸艦隊を合流の後グリーンランド付近へと撤退することを決断した。


AEUはこの撤退するブリタニア艦隊群と撤退する上陸部隊を親の仇を撃たんと言わんばかりの勢いで陸海空一丸となり追撃した。

結果ブリタニアの上陸した部隊の過半が英国本土で全滅するか投降するかで失われた。
揚陸艦隊も手酷いダメージ負い、大西洋艦隊と合流。
両艦隊もろとも出血を更に強いりながらもグリーンランドまで撤退に成功。

ブリタニア軍による英国本土解放作戦は失敗に終わった。

さて、ここまでなら総合的に見るとAEUの勝利である。
しかしながらそうとはならなかった要員がこれから起こるのであった。


防衛成功の勝利に湧く英国防衛本部であったがここに衝撃的な情報が飛び込んできた。

西アフリカと南アフリカへのブリタニア軍の上陸である。

この艦隊は本国艦隊が英国攻略のために出向した後に時期をずらし秘密裏に南ブリタニアの方から出した艦隊であった。

あとで判明したことだがこの艦隊に関しては当時のブリタニア皇帝肝いりの命令が下されており、西アフリカは絶対に落とすように厳命されていたと言われている。
一説によると英国へ侵攻した艦隊にはこのことを知らされておらず、本命は西アフリカの方だったのではとも議論されている。

なおこのアフリカ侵攻艦隊にはどうやら日本の主力艦隊に敗北した再建途中の太平洋艦隊の艦艇を無理やり回していたという情報もある。

話を戻そう。
ブリタニア秘蔵の本国艦隊が英国に来るとなってAEUもそちらの注目せざる負えない。
そしてブリタニアの第二陣とも言えるその艦隊はそちらの方に目も手も向いているうちに
手薄となった西アフリカと南アフリカを襲ったのであった。

特に西アフリカに関しては英国に上陸を慣行して部隊と同規模の艦隊と部隊が侵攻してきており、当然防衛のための連邦軍や州軍も居たが主要な戦力が英国救援に向かったこの時期に半ば奇襲気味に襲われた西アフリカ諸州にはこれを防ぐだけの余力はなかった。

防衛部隊も援軍到着まで粘ろうとしたが純粋に戦力差が多すぎ押し切られてしまい、
橋頭堡の構築を許してしまった。

南アフリカの方に至ってはどちらの艦隊よりも規模は小さいものだったが、
最新兵器であるKMFを他艦隊よりも多く配備されており、
このKMF部隊による奇襲気味の空挺降下により、南アフリカ州は早期に主要な都市を
抑えられ碌な戦闘も出来ぬまま首都プレトリアが陥落した。

これらアフリカへの侵攻には当時のラウンズの誰かが直接指揮を取っていたとも言われていた。


AEUは英国を守り切ったがアフリカに上陸を許してしまったのであった。
これに対してAEUの動きは早かった。

追撃に出ていた艦隊を呼び戻し、今だ動ける欧州本土付近の艦隊を集め上陸した戦力を
集め、手空きの陸上戦力の許す限りをアフリカに向けて動かし始めた。

だが殲滅するために計画しようにも英国防衛戦や北大西洋決戦で多くの血を流したAEUには、すぐさまこれほどの艦隊を叩きだせる余力は今のところ残っていなかった。


英国を攻略できず多大な血を流して参加した本国艦隊と大西洋艦隊が最終的に半壊した
ブリタニアと英国は守れたがその隙に西アフリカの海岸一帯と南アフリカ州を失ってしまったAEU。

結果だけ見ると国土を失ってしまったAEUの敗北とも言える一連の出来事であった。








※1まだ開発中であり点検作業真っ最中であったので最初は戦力に数えられていなかった。
専用の弾頭であるスタウロスと呼ばれるミサイルコンテナ弾頭の開発が予定より
遅れており、今回は通常弾頭を使用した。

本来ならまだ試験中の代物であり、実戦投入は予定されていなかったので精々2~3回程度しか撃てない。
今回は緊急時だったので使われた兵器である(本来の役目を果たしたので問題はないが)

後に今回の運用で発見された欠点などを修正。専用の弾頭も携え、
欧州各国の防空に一役買うことになった。

なお二番艦、三番艦の建造も一時期話題に上がったが本艦は試験艦の域をでず、
結局量産のコストと安定性の問題もありお流れとなった。


因みに大型氷山空母計画で開発されていたハボクックが素体。
こっちは十数年前に考案された計画であり、当時の技術力ではコストがかかり過ぎることから凍結されていた。

大型と言っても空母に載せられる程度なので原作の「シャンデリア」よりは勿論小さいし、
性能も低い。

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最終更新:2014年08月18日 18:34